国際主義労働者全国協議会 第26回総会コミュニケ
かけはし2014年12月1日号
支配的権力が決める未来の押しつけを拒否し、
未来の自己決定のために安倍を打倒しよう
国際主義労働者全国協議会(NCIW)は一〇月下旬第二六回総会を開催した。総会討論の基軸となった問題意識は、大きく分けて次の二点だった。第一には、安倍政権があらゆる側面で民衆攻撃をあらわにする中切迫した課題となった安倍打倒にどう迫るのか、その鍵となる労働者民衆の共同の発展を主体的な闘いとしてどう押し上げることができるか。第二に、その道筋を明らかにするためにも、この安倍との闘いを、労働者民衆が客観的に求められている長期的な課題――世界的なシステム危機の克服を担う新たな政治的、社会的主体への自己脱皮――の中に位置づけ、長期的観点からこの闘いに求められる発展方向、およびわれわれがそこで主体的に追求すべき働きかけを、具体的な現場の経験と付き合わせつつ探ること、だった。
総会討論は、この問題意識に沿う情勢・任務、及び特に労働運動再建を柱とした、二つのメモによる問題提起を導入口として行われた。
討論ではまず、世界のシステム総体がいわば崩壊への趨勢を一層あらわにしていることを確認しつつ、そのメカニズム、そこにおける労働者民衆の抵抗の役割とその闘いの発展水路について問題意識が交換された。
その中では、世界的危機の今後の展開を左右する重要な要素として、中国をどう理解するか、が一つの論点となった。中国東北部との交流経験も踏まえたいくつもの見方を議論する中で、少なくとも、現在の中国国家との連携は民衆のアジアをたぐり寄せる土台とはならず、民衆の東アジアに向かう展望は独自の回路を基盤とする必要がある、との観点が共有された。そしてその観点から、第四インターナショナルで進む議論をも重要な参照点としつつ、堕落した労働者国家という枠組みの再検討、あるいは沖縄での独立志向浮上の客観的背景に東アジアの地政学的環境の質的変化があるという指摘を含め、様々な側面からさらに理解を深める努力を続けることを結論とした。
導入提起者は、資本主義の行き詰まりを根底に世界の支配階級が事実として先の崩壊を加速する存在としてしか自己を維持できなくなっているとした上で、世界の民衆がその危機から抜け出すためには、労働者民衆の未来を自己決定する共同関係の創出が決定的であり、それを保証する基礎として、民衆の自己決定の場として民主主義を支配階級から取り戻す闘いが重要となっていること、そしてそれが現実にも民衆の生存を守る闘いと一体的に世界各地で闘いの重要な領域となっていること、を強調した。
これに対し民主主義だけでは不十分という疑義を含め、われわれが生きるに値する未来を現実の試行にも学びながら具体的に深める必要へと討論が進められた。そこでは特に、未来の自己決定という角度から、支配的中枢が押しつける未来を拒否している沖縄の人びとの闘い、あるいは震災復興をめぐる対立の性格に引きつけた議論が活発に行われた。そしてそれを引き継ぎ、安倍との闘いを、反原発の闘いや労働法制をめぐる闘いを含め、どのような未来を誰がつくるのかの闘いへと、攻勢的に課題設定する必要性が確認された。同時にその観点からも、沖縄の闘いが再先端で問題を突き出していることを確認し、その重要性に立って、闘いの共有の追求をあらためて実践課題として設定した。
安倍政権の攻撃に対する民衆的抵抗は全国津津浦々で多様に重ねられている。そこでは特に、新しい層の運動参加を含め自立的行動の発展や既成の運動系列に収まらない自然発生的相互乗り入れが特徴であり、それらの抵抗から安倍打倒の声が続々とあがっている。それらも総会の中の重要な確認点だった。安倍打倒に向かう民衆的共同発展の条件は確実に生まれつつある。それをつかまなければならない。今総会は結論的に、安倍の未来はいらない、未来は自分たちが決める、との思いをそこに向けた重要な柱となる立脚点として確認し、そこからの闘いの練り上げに実践的に挑戦することを確認した。