民主主義と人権を取り戻す3.22兵庫県民大会

斎藤知事は第三者委員会の報告を受け入れ責任を取れ

 【大阪】3月22日(土)、14時から神戸メリケンパークで、「民主主義と人権を取り戻す兵庫県民大会」が約600人の参加で行われた。大会は兵庫県民有志の呼びかけで開催された。

百条委員会も第三者委員会も斎藤知事を黒認定

 3月4日、兵庫県百条委員会は最終報告書を発表。元西播磨県民局長の告発は「公益通報にあたる可能性が高い」と認定し、県が告発者を懲戒処分にしたのは「告発者潰しにあたる」と批判した。また、7件をパワハラと言っても過言ではないと結論づけた。
 3月19日には兵庫県の第三者委員会が報告書を発表。10件をパワハラと認定し、元西播磨県民局長に対する懲戒処分は「公益通報者保護法に明らかに違反している」と、百条委員会よりも厳しく斎藤知事を断罪した。第三者委員会の藤本久敏委員長は「厳しくはない。これがスタンダードだ」と明言した。
 一方、斎藤知事は百条委員会の報告書に対し「告発書は誹謗中傷性が高い」との立場を変えず、「百条委の結論は一つの見解」と表明している。

斎藤知事当選により割れる兵庫県議団


 両報告書を受けて斎藤知事にどう責任を取らせるのかが、今後の大きな課題となる。しかし、昨年11月の知事選で斎藤知事が再選されたことで、知事不信任案に全会一致で賛成した兵庫県議会各派の対応は割れているようである。
 知事に接近している維新県議団は「有権者は斎藤知事を信任した」という立場であり、最大会派の自民党県議団も「民意が出ている」として、不信任決議案再提出には消極的だ。
 一方、亡くなった竹内英明元県議が所属した「ひょうご県民連合」は、「元局長の処分を撤回し、知事はけじめを取ってほしい」とし、共産党も「辞職を求める」としている。公明党は斎藤知事の出方を待つ方針のようである。

高まる不正選挙追及のうねり


 亡くなった元西播磨県民局長と竹内英明元県議への黙祷が捧げられた後、県民大会実行委員会の西信夫さんが主催者あいさつを行なった。
 西さんは「予想に反して斎藤知事が再選された。しかし、デマと公選法違反と脅迫行為等による不正選挙であることが明かるみに出た。私たちはこの選挙結果を受け入れない。私たちは県選管に選挙無効の申し入れを行い、昨年12月に真相究明集会を行なった。集会には当初の予想をはるかに上回る、1600人─1800人が参加し、郷原弁護士と上脇神戸学院大学教授の告発状に賛同する署名が1370数名も集まった」と、まず報告した。
 そして、「斎藤知事は百条委員会の報告書に対して、県の対応は適切でありパワハラではないと受け入れを拒否した。知事自らが設置した第三者委員会の調査報告書もパワハラを認め、公益通報者保護法に違反すると断言した。知事は県議会が終わる3月26日以降に県の見解を出すと昨日(3月21日)記者団に述べた」と、この間の状況について語った。
 最後に、西さんは「第三者委員会は、斎藤知事は職場の意見に耳を傾けよと進言した。職場に人権と民主主義を、全県民の手で兵庫県を立て直そう」と発言を締めくくった。

高まる不正選挙追及のうねり


 次の発言は阪神・オリックス優勝パレードに関して背任罪で斎藤知事等を政治告発した「市民オンブズ尼崎」の田中じゅんじさん。田中さんは告発状が兵庫県警に受理されたことを報告し、「第三者委員会はパレードの協賛金と、信用金庫への補助金との間に見返りの関係は認められなかったとしたが、行政と司法の判断は違う。兵庫県警は背任罪の立証は難しいが、しっかり捜査すると発言している。県民局長が告発しなければ、こうした疑わしい関係は明らかにならなかった」と元県民局長の告発を高く評価した。
 次に兵庫県議会の各会派=兵庫県民連合、共産党、無所属会派からのメッセージが代読され、続いて兵庫県各地の市民団体等の発言に移った。
 3月1日に行われた西宮集会の報告、I(アイ)女性会議神戸、丹波市9条の会連絡会、宝塚宗教者市民平和会議、西宮と芦屋の市民の発言等である。
 「斎藤元彦に私たちが求めるべきは反省ではない。罪を償えということです」、「第三者委員会の報告にはほっとしたし、嬉しかったが、この見解が選挙の前に出ていたら、尊い命を失うことはなかったのにと思うと、とても残念です」等の発言が、会場の共感を呼んだ。
 最後に大会宣言を会場全体の拍手で確認し、観光客であふれる元町と三ノ宮へ、4方向か
らデモで向かった。
(山三)
追記―斎藤兵庫県知事は3月26日の記者会見で、第三者委員会の報告書で指摘された10件のパワハラについては認めたが、公益通報者保護法違反との判断に対しては、「専門家の間でもいろいろな意見がある」と従来の見解を繰り返し、自らの責任を否定した。
 また、パワハラについても、「ハラスメント研修を受ける。襟を正してしっかり仕事する」と、一般的な答弁に終始し、自らへの処分を否定した。

「民主主義と人権を取り戻そう」とアピール(3.22)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社