沖縄基地をめぐる最近一カ月間の動き
12月13日 日本政府が有事の際に軍事利用する「特定重要拠点空港・港湾」について、全国32か所を候補に選定。うち沖縄は12施設にのぼる。空港は、与那国・石垣・宮古・下地島・那覇・久米島。港湾は、与那国新港・石垣・平良(宮古)・那覇・中城。
また政府は、土地利用規制法の対象地域として、新たに沖縄の米軍・自衛隊を含む100カ所以上を指定する方針との報道。沖縄の米軍・自衛隊基地は「特別注視区域」となる予定。
12月14日 辺野古の土砂投入5年。辺野古側の埋立予定地に約318万立方メートルの土砂投入済。全体埋立量の約15%にあたる。
ヘリ基地反対協は、カヌー38艇、ボート2艇、抗議船4隻で海上行動。
12月15日 大浦湾側の埋立関連工事に関し、沖縄防衛局が4件の工事契約を結んでいたことが判明。内訳は、A護岸新設工事(大成建設・五洋建設・国場組の
JV、93億円余)、サンドコンパクションパイル=SCP砂杭約6500本を含
むC1護岸新設工事等(同前、261億円余)、SCP砂杭6600本を含むC3護岸新設工事(東亜建設工業・大林組・大城組のJV、142億円余)、SCP砂杭3300本とサンドドレーン=SD砂杭6000本を含む係船機能付き護岸新設工事(東洋建設・安藤ハザマ、屋部土建、144億円余)
12月15日 玉城知事が横浜の講演会で、「普天間・辺野古の解決は対話で」と訴え。
12月16日 防衛省は、12式地対艦ミサイルの「能力向上型」(射程1000キロ)を一年前倒し、2025年度に石垣・宮古・勝連・奄美に順次配備すると発表。
12月17日 日本政府、2024年度の軍事費を約7兆7千億円とする方向で調整。2022年度(5兆4千億円)の1・4倍以上。
12月18日 米軍が1960年代に検討した辺野古における海軍飛行場のマスタープランで、軟弱地盤の存在が指摘されていたことが明らかに。
12月20日 福岡高裁那覇支部が辺野古埋立設計変更申請を巡り、国の請求通り、沖縄県に25日までに承認するよう命じる判決。
玉城知事は「県の処分権限を奪い、その自主性・自律性を侵害して新たな軍事基地を建設しようとする国の代執行は、多くの県民の負託を受けた知事として到底容認できるものではない」と声明。
12月21日 沖縄県が取り組む地域外交について有識者の「地域外交に関する万国津梁会議」が「アジア太平洋地域の平和創造拠点」をめざし「東洋のジュネー
ブ」(平和の緩衝地帯)を形成すべき、と提言。
12月22日 この日閣議決定された2024年度予算案で、勝連・宮古・石垣などの基地拡張、沖縄市の弾薬庫建設など沖縄の自衛隊施設整備費として473億円を計上。
12月25日 沖縄県は、裁判所に命じられた「埋立設計変更承認」が「困難」として拒否。地元二紙は、「政府は対話に転換せよ」(新報)、「パンドラの箱があい
た」(タイムス)と社説で政府を批判。大田昌秀知事時代の「代理署名訴訟」で県の弁護団事務局長を務めた池宮城紀夫弁護士は「沖縄は日米の植民地か。司法が行政に従属している」と発言。
12月26日 オール沖縄会議が学習会「代執行にどう立ち向かうか」を開催。講師=白藤博行(専修大名誉教授)、桜井国俊(沖大名誉教授)。150人参加。
12月27日 沖縄県、代執行訴訟について上告。
12月28日 日本政府が史上初めて、沖縄県の権限を奪い「埋立変更申請」を代わりに「承認」する代執行。
玉城知事は「国策の下の代執行はまことに遺憾。国と地方の関係が上下・主従の関係に逆戻りする」と厳しく批判。
キャンプ・シュワブゲート前では、約80人が座り込んで抗議。
1月1日 ヘリ基地反対協が辺野古の浜で「初興し(ハチウクシ)」。250人参加。
1月6日 オリバー・ストーン監督ら400人以上が「辺野古ノー」の声明発表。
1月8日 ゴルバチョフ財団が主催する安全保障フォーラムで、玉城知事とジャーナリストの佐藤優さんが議論。会場の琉球新報ホールに400人。「安全保障や貧困・差別などの問題解決には粘り強い対話が必要。軍事に頼らない平和を」と確認。
1月10日 政府、代執行に基づく大浦湾の埋立工事に着手。作業ヤード設置のため台船から土砂を投入。玉城知事は「政府の言う丁寧な説明とは真逆の、きわ
めて乱暴で粗雑な対応」と批判。ゲート前と海上で抗議行動。
ガマフヤーの具志堅隆松さんらが県庁前で、辺野古・大浦湾の埋立のため南部の土砂を使わないことを求めて、ハンスト。
林芳正官房長官「この日が9年3カ月の工事の起点」。
瀬嵩区長の西平伸さん「今日を境に大浦湾はどんどん悪くなる」。
1月11日 魂魄の塔横の熊野鉱山では、2台の重機が稼働し約5mの深さまで石灰岩の採掘が進行。土砂搬出道路も出来上がる。
沖縄歴史教育者協議会の新城俊昭さんが「琉球・沖縄の歴史や文化の教育が不十分。なぜ沖縄に基地があるのかという根本をしっかり学んで」と要請。ゲート前と海上で抗議行動。
1月12日 辺野古ゲート前で、オール沖縄会議が、代執行による埋立反対の県民集会。900人参加。海上でもヘリ基地反対協がカヌー12艇と抗議船4隻で抗議行動。一部はフロートを乗り越え作業船へ突進し、海保に拘束。
1月14日 陸自勝連分屯地への地対艦ミサイル配備・連隊本部創設に反対するうるま市民大集会。講演=新垣毅(琉球新報報道本部長)。400人参加。
(沖本裕司)

2024.1.12 キャンプ・シュワブゲート前の県民集会。900人結集。座り込み3477日。
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