辺野古新基地建設反対闘争を支援し米軍再編止めよう

沖縄県知事選の結果について

基地問題争点
化避けた与党

 十一月十九日投票の沖縄県知事選は、自民・公明の与党の全面的支援を受けた仲井真弘多候補(元沖縄電力会長)が三十四万七千三百三票を獲得し、民主党から共産、社民、社大、自由連合、国民新党から「反自公」保守派「そうぞう」までの全野党に支持されて三十万九千九百八十五票を獲得した糸数慶子候補(前参院議員)を破って当選した。
 糸数慶子さんの敗北は、候補選定をめぐる民主党の思惑と駆け引きによって野党側の足並みが乱れ選挙戦の態勢が遅れたこと、保守勢力の企業・業界ぐるみのしめつけ、公明党・創価学会の徹底した組織的動員、一割以上に上る「期日前投票」方式の駆使などが上げられている。また自由連合前代表の徳田毅衆院議員が仲井真支持を選挙戦中に表明したことも大きな影響が与えたとされている(「週刊金曜日」12月1日号、高江洲千里さんのレポート)。「安保や自衛隊を容認する民主党主導選挙への違和感をぬぐえなかった」とある活動家は語っている。
 仲井真陣営は、辺野古の新基地問題については、「V字型滑走路建設」などの政府案については「反対」を表明しつつ、普天間返還にともなう「代替基地」問題については「県外移設」がベストだが「県内移設もありうる」とするあいまいな態度に終始した。一方応援にかけつけた政府・与党陣営は、「県外移設はもはやありえない」(久間防衛庁長官)、「基地建設と経済振興策はリンクせざるをえない」(高市沖縄担当相)との恫喝で仲井真陣営を牽制した。選挙戦はこうした政府からの「基地新設受け入れ」への圧力の中で、仲井真側が「政府案のおしつけには同意できない」との姿勢で基地問題の争点化を避けたことにより、経済振興や「環境・福祉」に重点を置くキャンペーンが前面に出ることになったのである。
 「従来の与党側は中央との太いパイプで開発振興に力を入れる、『革新』野党側はアンチとして福祉や環境保全を掲げるというパターンも変わり、仲井真氏も保育所の待機児童ゼロにするなど子どもの問題はじめ、福祉、環境問題を強調、糸数氏も雇用・観光に力を入れて訴えた」(「労働情報」12月1日号、由井晶子さんのレポート)。由井さんはそのため総花的で争点が不明確になったとする意見も出されていることを紹介している。

政府に残された
時間は少ない


 県内十一市のうち糸数さんが勝ったのは豊見城市のみであったことは、以上の評価を裏書きするものだ。しかし軍事基地反対への意思が三十一万(46・7%)に達する糸数票に表現されたことを、決して過小評価すべきではない。普天間移設問題に限れば、毎日新聞と琉球放送による投票を終えた人への世論調査では「県外または海外に移設する」の意見が五四%と過半数を占め、日米両政府が「合意」した辺野古沿岸部へのV字型滑走路建設案への支持は一八%に過ぎない。
 安倍政権は、保守派勝利の「追い風」に乗って、政府案「丸呑み」に反対する仲井真新知事の姿勢を切り崩すために全力を上げるだろう。今年五月に日米両政府が打ち出した「米軍再編」最終報告では、二〇一四年までに普天間基地機能の辺野古移転を完了させることになっている。新基地建設には環境評価に五年、建設に八年かかるとされており、残された時間は少ない。しかも米軍は、V字滑走路の緊急時双方向使用や、戦闘機などの固定翼機の使用を想定した「着陸拘束装置」(空母の甲板など滑走路の短い条件下でワイヤを使用して強制的に着陸させる装置)の設置など、その要求はエスカレートする一方である。
 こうした中で、政府は十二月中にも「普天間移設協議会」を再開し、来年の通常国会での「米軍再編関連法案」の提出・成立の条件を整えようとしている。「米軍再編関連法案」は、①米海兵隊のグアムへの移設を日本側が負担するための根拠法②原発の建設計画をモデルに、工事の進捗状況に合わせて自治体に交付金を支給するための法案、の二つからなっている。自治体への交付金の支給は、沖縄県だけでなく座間、岩国など米軍再編に伴って基地負担が増える自治体をも対象とかるものであり。自治体ぐるみの拒否を切り崩すためのものであることは言うまでもない。
 そして「米軍再編」最終報告を変更する可能性を政府はあくまで否認しており、辺野古沿岸湾への反対を仲井真知事が崩さなかった場合、移設手続きから知事の権限を奪う特別措置法をも準備することになるだろう。

米軍再編関連
法案を通すな

 辺野古をはじめとした沖縄民衆の基地建設阻止の闘いはこれからが正念場であり、ヘリ基地反対協、命を守る会など現地の住民は、再度態勢を確立して闘う決意を固めている。そして座間、相模原、岩国など「米軍再編」に反対する闘いを軸にに沖縄現地との「本土」における共同戦線を築き上げ、「米軍再編」関連法案を阻止しなければならない。この闘いは同時に、韓国・平澤の米軍基地拡張阻止の運動、そしてグアムの「チャモロ・ネーション」の在沖縄米海兵隊八千人の移駐と基地拡大・強化に反対する運動と密接に連携したものである。
 十一月末に東京で開催されたアジア太平洋反基地会議で「チャモロ・ネーション」の仲間は「日本政府のカネでグアムのの米海兵隊を移駐させようという目論見に反対する運動を作りだしてください」と日本の民衆に呼びかけた。「米軍再編」のためのカネを日本政府が支出することに反対する運動は、まさに沖縄・グアム、そしてアジア太平洋民衆全体の国際的な反米軍基地闘争の一環であることを自覚しよう。  (純)

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