沖縄戦の歴史を改ざんするな 軍が「自決」を強制した

沖縄県民大会に参加して
11万6千人の大結集で戦争への流れ押し戻せ

 【沖縄】九月も終わろうとする二十九日、沖縄は今日も三十度を超すむし暑さだ。
 会場の宜野湾海浜公園周辺は、マイカーの乗り入れ自粛が呼びかけられ、市町村実行委の貸切バスだけの駐車場が準備された。その他の参加者は無料措置がとられた路線バスで会場に向かう。
 午後一時頃那覇バスターミナルからは、会場方面に向かう路線がどれも満員状態で出発。途中のバス停では多くの参加者が積み残し状態となっていた。普段は、三十分程度のところ、渋滞のせいで小一時間かかってやっと会場前に到着。その間、満員で冷房の利かない車内で皆じっと耐えていた。
 人の流れでゴッタ返す入り口付近では、平和市民連絡会の仲間がビラを配っている。私たちも組合旗を目印に立て仲間と合流して、開始予定時刻の三時頃にすでに立錐の余地もなくなっている海浜公園に入った。
 初めに、大会実行委員長で県議会議長の仲里利信県議が発言。「ハイサイ!グスーヨー。ウクタンデーネーミソーラニ? グェーサチウンヌキヤビラ」(皆様お疲れはないですか? ご挨拶申し上げます)。六月と七月の国・文科省への要請で、実質的に門前払い的な対応を受けたことも含め、「審議会を隠れミノにした文科省の自作自演」と今回の検定を糾弾。「沖縄戦を殉国美談にしてはならない」と自らの戦争体験を踏まえた思いを、自らの言葉で語った。それに較べて、次に発言した仲井眞知事はなぜか元気なく原稿を棒読みしているような印象を受けた。
 発言は、「集団自決」の体験者、高校生、女性、子ども会と続いた。宮古、八重山の郡民大会に参加した五市町村長をふくめて、この日の県民大会には四十一市町村長全員が参加した。
 「集団自決」経験者として発言した渡嘉敷村の吉川嘉勝さん(68歳)は、「日本軍の命令、誘導、強制などの関与がなければ『集団自決』という惨事は起きなかった」と強調した。
 高校生として発言した読谷高校の建嘉山拡大さんと、照屋奈津美さんは「真実を知りたい、学びたい、そして伝えたい」「分厚い教科書のたった一文、一言の中に失われた尊い命がある」と語った。
 途中、主催者から、集会の参加者が宮古・八重山地区大会も含めて十二万人となったとの報告があると大きな拍手が起こった。確かに、日の丸を掲げる遺族会を始め右から左まで呉越同舟の集会のため、団体や学校・行政を通じた上からの動員という弱点もあるが、この数の背景は沖縄戦の史実から、日本軍の責任を薄めようとする近年の動きに対する、県民の広範な怒りがあることはまちがいない。こうして、県民が動くことで現実に少しでも、この動きを押し返すことができれば、その効果は計り知れない。

駐車場使用を
拒否した米軍

 大会の発言の中にもあったが、今回の教科書検定問題は、沖縄だけの問題ではない。国・文科省は、沖縄戦に無知なのではなく、知っているからこそ、「戦後レジームからの脱却」に都合の悪い部分を隠すための道具として今までも教科書検定を行って来ている。公々然と進めようとした安倍は退場したが、忠実に実行した伊吹は総裁選フィーバーの中で自民党幹事長となった。
 本土では9・29はどの様に、どの程度報道されたのだろうか? 「小泉劇場」以後、マスメディアを最大限利用して作られてきた海外派兵・9条改憲・教育基本法改悪を始めとする戦後政治の総決算に向かう流れを、教科書検定追撃を足がかりに、ここから、今から押し返していきたい。
 大会の間中、上空をやかましく飛び回っていたマスコミチャーターと思われるヘリの騒音と小型機の低空飛行には無性に腹が立った。在沖米軍も普段は沈黙している駐車場の使用拒否と、いつもの訓練騒音でふさわしい役割を果たしていた。
 9・29県民大会が一九九五年十月二十一日「米兵による少女暴行抗議県民大会」の八万五千人を大きく上回る十一万人規模となったことで、政府・文科省は何らかの小手先の対応をするかも知れないが、今まで様々な屁理屈で塗り固められてきた教科書検定のデタラメが明らかとなった今、さらに全国各地で追撃の取り組みを拡大し、戦争のできる国へ向かうとする流れと対決していかねばならないと思う。     (N)

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