デジタル庁設置反対!

かけはし 第2661号 2021年4月12日

国家・企業による労働者・市民への情報・管理支配強化NO!
3.26 マイナンバー制度廃止へ

 3月26日午後6時から、衆院第2議員会館前を中心に「国民総背番号制と個人情報の官民共同利用をめざすデジタル庁設置6法案の制定を許すな!3・26国会前行動」が行われた。呼びかけは共謀罪NO!実行委、戦争させない9条壊すな総がかり行動実行委、デジタル監視法案に反対する法律家ネットワーク、デジタル改革関連法案反対連絡会、NO!デジタル庁の5団体。集会には250人が集まった。
 国会で、菅政権が成立させようとしている重要法案の一つがデジタル庁設置法案だ。2月9日に閣議決定され、3月9日に国会に提出された同法案は24もの関連法案からなり、法案提出段階で発見された間違いが45カ所にも達するという拙速でずさんきわまる法案だ。しかし菅政権はあくまでも今通常国会の最重要案件と位置づけ成立をはかっている。
 海渡雄一弁護士は次のように語っている。「人は『監視されている』と感じると、自らの価値観に基づいて自律的に判断し、自由に情報を収集し、表現することが困難になる。プライバシー権は、表現の自由と民主主義の基礎となる重要な人権である」「政府からは、デジタル化によって多くの業務が『便利になる』との宣伝文句が流布されている。しかし、騙されてはいけない。この法案は、ひとにぎりの便利さと引き換えに市民のプライバシーを政府に売り渡そうとするものであり、まさに『デジタル監視法』と言ってよい」(I女性会議「女の新聞3月25日号」)。

個人情報は企
業の財産に!


『世界』(岩波書店)2021年4月号の特集は「デジタル監視体制」だが、その中で小倉利丸氏は次のように批判と警戒を促している。
「官民のビッグデータ有効活用は、情報銀行のように、個人情報を売買する市場まで生み出しつつある。民間企業による個人情報の商品化は極めて深刻な問題だ。個人情報を情報市場で取り引きすることになると、個人情報は個人に帰属する権利ではなく、企業の財産とみなされるようになってしまう。こうして取得された民間データが国によって共有され、逆に国が取得したデータが民間にも提供されることを通じて、様々な特性を持った個人情報のデータセットが民間の所有に帰することになりかねない。」
「官民がデータ共有の共通プラットホームを構築することを目指すデジタル関連法案は、私たちの個人情報の権利を奪い、知識への権利を奪い、これを民間企業や政府の『所有』へと移転することになるだろう」(小倉「デジタル庁構想批判の原則を立てる」)。
菅政権の下での「デジタル庁」構想は、菅政権自身の「寿命」がどれほどのものかは別にしても、今後の新自由主義と権威主義の露骨なプログラムの下で、支配階級にとって共通で不可避のコースになることは確かだと思われる。

デジタル庁発
足にSTOP


この日の国会前行動では立憲民主党の柚木道義衆院議員、共産党の塩川哲也衆院議員が発言に立った。
塩川議員は、菅政権によって提出された24にも上る法案に、実に134カ所の間違いがあり、間違いのたびに国会に知らせることが必要となる、ということに菅政権の姿勢が露わになっている、と厳しく批判。とりわけ厚労省は間違いを認識していたにもかかわらず、それを指摘しなかったことに今の政治家と官僚の関係があらわに示されている、と批判した。そして地域からの多面的な要求を斬り捨てる、「マイナンバー」制度・法案をきっぱりと廃案にし、プライバシーの権利を拡大することが必要だ、と訴えた。
「総がかり行動」の小田川義和さんは、「マイナンバー」で紐つけを行い国が一元的に管理をする「市民監視社会」のあり方を批判し、抵抗する市民に牙をむき、「人権」そのものである個人情報を権力が管理するために9月1日にデジタル庁を発足させるプログラムを止めようと訴えた。
小田川さんはさらに2017年の経産省のディスカッション・ペーパー(討論資料)が、2030年の産業・雇用に関して、社会保障を切り捨て、個人一人一人に「資産の積み立て」を強制するという「自己責任の極限化」ともいうべき未来像=すなわち「格差と貧困の無限大の拡大」の社会が描き出されていることに注意を喚起した。
共謀罪NO!実行委員会からは「『デジタル庁』関連法案には多くの間違いが発見されたが、その間違いに居直り続けている」との指摘、ならびに「法案の白紙撤回を!」とのアピール。
さらに多くの参加者から「個人情報が、本人の同意ないまま第三者に渡される危険性」、デジタル庁が市民を監視するようになる、取引の情報の税務署による管理―申告納税制の破壊などの危惧が、多くの参加者から語られた。最後にNO!デジタル庁の宮崎さんから今後の行動についての提起があり、自治体が国の下請け機関にさせられようとする動きに反対する住民の声をつくり出していこう、との呼びかけが発せられた。       (K)

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