「敵基地攻撃能力」は「侵略戦争力」

かけはし 第2649号 2021年1月18日

沖縄報告 1月10日
この春、日本政府との対決を勝ちぬこう

沖縄 K・S

3月へ山場を迎える変更申請


 新しい年が明けた。2021年は年初から日本政府との厳しい対決が続く。昨年4月、沖縄防衛局が沖縄県に提出した辺野古埋立に関する変更申請書に対する県の判断がまもなく迫ってくる。昨年9月の告示・縦覧を通じて、県内外から提出された意見書は1万7857件にのぼった。日本語訳が付された英語、韓国語など外国語表記の意見書も45件含まれている。
 その後、県は手続きの一環として、名護市に対する意見聴取を行なったが、渡具知市長は、大浦湾の埋立や軟弱地盤、環境保全に一切触れることなく、防衛局がとりやめた「辺野古漁港周辺を作業ヤードとして埋め立てる」用途変更に対してのみ、「異議はない」との市長意見を明らかにしたのだった。市長意見は議会の同意を得なければならないので、開催された名護市議会は、12月21日の定例会最終本会議で、13対12で市長意見を否決した。沖縄県に対し名護市が意見を提出する期限は3月26日。
 沖縄県が12月15日に明らかにしたところによると、縦覧期間中に名護市民から提出された意見書は579件にのぼるが、そのすべてが「軟弱地盤や活断層があり基地建設は不可能」「膨大な税金の投入は不当」「サンゴやジュゴンが危機にさらされる」など、新基地建設に否定的な意見だったという。名護市長は、設計概要変更申請の「用途変更」の項目にだけ意見を出すような姑息な策を弄せず、市民から選ばれた市政のトップとして、新基地に否定的な市民の意向を代弁する意見書を出すべきではないか。
 沖縄県は12月21日、沖縄防衛局に対し、環境保全図書をはじめ環境への影響や地盤などに関する疑問点について、合計242問の質問書を送付した。回答期限は1月22日である。防衛局の回答如何によっては、県の再質問の可能性もあるが、3月頃をメドとして、県による変更申請書の不認可、政府防衛局の埋立工事の違法状態という事態が生まれることが予想される。日本政府はまたしても、閣僚や裁判所を通じて沖縄県の行政権限を無力化させようとするだろうが、いい加減にせよ。沖縄に民主主義を! くり返し示される県民ぐるみの辺野古埋立反対の意思に従え。
 ちなみに、ブログ『チョイさんの沖縄日記』(https://blog.goo.ne.jp/chuy)1月4日付で北上田さんが指摘しているように、辺野古関連の設計業務は、今までに16件の業務委託契約が締結され、契約金額の総額は61億5946万円、全て日本工営と日本港湾コンサルタントの2社が独占的に受注しており、落札率は、9件が、99・99%、99・99%、99・97%、99・92%、99・90%、99・84%、99・83%、99・83%、99・81%と、99・8%を超え、残りの6件も90%を超えているという。北上田さんは「官製談合」の疑いが強いと指摘している。
 岩ズリ単価の2~3倍への引き上げ、5年余りで500億円を超え1日あたり2600万円という莫大な陸上海上の警備費などを含め、辺野古新基地建設をめぐる予算の不透明な疑惑は留まるところがない。2013年末の仲井真知事による東京の病院での「埋立承認」から現在までの過程のすべてが政府による国策のごり押しであり、政策の合理性を考えない、民意を顧みない、ただ国家権力の財政力と警察力をもって強引に推し進めてきた辺野古・大浦湾の埋め立て。不合理な国策の強行が財政上の様々な疑惑と不正の温床になるのだ。
 3月に向けて、辺野古埋立を中止せよ!新基地建設計画を白紙撤回せよ!の声を沖縄の現場と全国各地で上げていく運動を進めよう。

自民・公明と対決する3市長選挙


 今年はまた、各地の市長選挙が次のように連続する。
宮古島市 1月17日投開票
浦添市  2月7日投開票
うるま市 4月25日投開票
 いずれも、自民・公明系の現職またはその後継者に対し、辺野古新基地に反対するオール沖縄会議の勢力が対立候補を立てる構図になっている。
 宮古島市は、4選を目指す現職の下地敏彦市長に、社民・社大・共産・立民が推薦する保守系無所属の座喜味一幸前県議が立候補する。浦添市は、3選を目指す現職の松本哲治市長に、共産党を離党し市民党を標榜する伊礼悠紀浦添市議が、社大・社民・共産の支援を受けて立候補する。最大の争点は那覇軍港の浦添移転問題だ。伊礼さんは「埋め立て反対、軍港は絶対に造らせない」と訴えている。うるま市は、任期満了に伴い病気のため退任する現市長の後継を目指して立候補する自民の市議に、オール沖縄系の候補として照屋寛之沖国大教授が立つ。
 辺野古新基地に反対する県民の意思が市長選挙レベルでも貫徹されるかどうか、県民ぐるみで日本政府・米政府に対決していく陣形がさらに強くなるかどうか、がかかっている。三つの市長選に勝利し、沖縄には米軍基地も自衛隊基地もいらない! 決めるのは県民だ! という自立した県民の反戦反基地の心が試される。各地区につながりを持っている人々は草の根からの働きかけを進めてほしい。

始まった新年の現地の闘い

 辺野古現地では、年末年始の短い休みをはさんで、1月4日から、辺野古のキャンプ・シュワブゲート前を皮切りに、琉球セメント安和桟橋、本部塩川港、さらに辺野古・大浦湾の海上で埋立に反対する行動が始まった。
キャンプ・シュワブゲート前では4日、9時、12時、3時の資材搬入に際し、25~40人の座り込みが行なわれた。警備は年明けから、すべて軍隊式の帝国警備から、以前のアルソック(沖縄)に変わった。資材搬入のダンプの数は98(内、空ダンプ30台)、個人所有が中心で、大手の会社のトラックはこの正月休みにも外に出ずに基地の中に置かれているとのことである。この日は生コン車の姿もなかった。資材搬入初日のこの日はまだ、業者にとっても本来の態勢をとれていないようだ。
また、安和桟橋では、琉球セメントの石炭船が停泊しているため、6日まで土砂の搬出が行われていないが、ダンプによる土砂の搬入とため込みが続けられ、桟橋構内の仮置き場には赤土が山のように積み上げられた。さらに、ゲート前の警察による警備は、少しでも立ち止まるとすぐに機動隊がやって来て「立ち止まらないで」と体を押す、というように、強硬さが増した。これも官邸の指示か。
辺野古の埋立は、国家権力の強権を背景とした不法・不義・無責任・傲慢の政治の典型だ。沖縄県民は、身を挺した非暴力直接行動を貫徹しどこまでも反対し抜く。辺野古の闘いと現在の日本政府のどちらが先にたおれるか? 間違いなく、菅の方が先に倒れるだろう。沖縄、辺野古現地に全力結集し、自民・公明の日本政府に反対する全県・全国のピープルズ・パワーの底力を示そう。
日本はこのままではいけない。戦前、戦後を通じた政官軍財学報の特権層が支配するこの国はすべてにおいて末期的な様相を呈している。19世紀の明治維新以来150年以上にわたって継続する天皇を頂点にいただく国の形を根底からひっくり返し、リンカーン言うところの人民が社会の主人公となる新しい国の形をつくり上げなければならない。突破口は沖縄であり、辺野古だ。県民ぐるみの辺野古新基地阻止の闘いこそ人民が社会の主人公となる新しい国の形をつくり上げる最先端の運動である。辺野古現地の闘いは、沖縄県だけでなく全国各地から結集した人々が支えている。
情勢の最先端で日米両政府と対峙する沖縄・辺野古に結集し、全国各地に闘いの芽を植えよう。

12.14
海上アピール行動
カヌー27艇、抗議船6隻、ボート1艇、総勢50人

12月14日、2020年最後の海上アピール行動が行われた。朝7時半、浜のテント2に集合した参加者は、全体ミーティングのあとそれぞれ出発の準備にかかり、カヌーは辺野古の浜から、抗議船は辺野古漁港と汀間漁港から分かれて、海に出た。カヌーは27艇、抗議船は平和丸、不屈、ぶるーの船など6隻、ボートが1艇、合わせて50人がK8護岸のオイルフェンス前の海域に結集した。地元の新報、タイムスや共同通信の記者が抗議船に乗船し取材している。また、海上で体調不良者やけが人が出た場合に備えて、救急の体制もとっている。
集会は10時からスタートした。まず、ヘリ基地反対協の仲本興真さんがリードして、参加者全員でシュプレヒコール。「土砂投入をやめよ」「海の生き物を殺すな」「民意を守れ」「違法工事ヤメロ」などと声をあげた。続いて、西原教会の牧師で長年「不屈」の船長を務める金井創牧師が、本部町島ぐるみの高垣喜三さんをはじめ、この間の運動の渦中に亡くなった多くの人々の名をあげて追悼と平和の祈りを捧げた。
元高教組委員長で現在、オール沖縄会議事務局長の福元勇司さんが埋立工事を止めるよう呼びかけた。ゲート前の歌姫、ことOさんとSさんがいつもゲート前で歌っている歌を元気よく歌い、海上チームのOさんが昆布土地闘争歌「一坪たりとも渡すまい」を日本語・韓国語で悠々と歌った。 
そのあと、カヌーチームの一員で、ダイビングチーム・レインボーに所属するぱぐさんが「工事の皆さん、作業の手を止めて聞いてください」と、心からほとばしるようなマイクアピールを行なった。ぱぐさんは辺野古の埋め立てが始まる前に、K8護岸周辺にくらす生き物たちを一枚の写真図にまとめた人だ。辺野古の海に対する愛情が人一倍強い。引き続き、連日カヌーに乗っているKさんが「民意を守れ!海の生き物を殺すな!辺野古土砂投入2年 抗議アピール」を読み上げ、「不要不急の辺野古新基地建設を直ちに止めよ」と訴えた。
最後は、全員でガンバロー三唱とシュプレヒコール。カヌーメンバーはパドルをあげて意思表示。そして、ゲート前メンバーの歌声が響く中、カヌーチームはオイルフェンスを乗り越えK8護岸へ向かって突進した。海上保安庁のゴムボートが水しぶきをあげて高速で追い回し、海上保安官が飛び込んでカヌーを拘束していく。カヌーは拘束されても屈しない。カヌーに乗ったまま立ち上がり、あるいは座ってプラカードを高く掲げる。また、いっせいにパドルを高く立てる。しばらくしてカヌーチームは、海保のゴムボートに乗せられカヌーをけん引されて、辺野古の浜に戻された。

カヌーチームぱぐさんのアピール

 カヌーチームのぱぐです。
今、私たちの目の前には、護岸の上にクレーンがいくつも伸びて、ものものしい作業船が嫌でも目に入ってきます。工事の皆さんどうか、作業の手を止めて聞いてください。

 でも、もともとはこの海は、ほんとに何にもない海でした。
ここから見える赤白鉄塔の前の海を抗議のためにカヌーで進んでいると、透明な水の中には小魚の群れが見えたり、時には仲間のカヌーの上に魚が飛び込んできたこともありました。人間は貴重種とか生き物を分類しますが、ここに生きてた沢山の生き物たちは、全て貴重な命だったのではないでしょうか。
そんな場所に、次々と砕石が投げ入れられ、砂ぼこりと水しぶきがあがるたびに、毎回心がえぐりとられるようでした。それでも護岸はどんどん伸びていき、ついに海は囲われてしまいました。
声をだすこともできず、囲われた護岸の中でじわじわと生き埋めにされた生き物たちにとって、ここは巨大すぎる墓場になってしまいました。余りにも長く伸びた護岸をまのあたりにして、悔しくて海の上で泣き叫んだこともあります。

 この海に来たくても来れない人がいます。
コロナの心配だったり、健康や家庭や仕事の事情で来れない人もいます。そして死ぬまでこの海を守ろうと、基地建設に反対し続けながら亡くなっていった沢山の仲間もいます。ここに来れない人たちに対して、こんなにも海が壊されてしまったことを、申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

 この工事に携わるすべての人に問いかけたいです。
あなたはこの仕事が1円もお金にならなくても、自分の信念で続ける価値のあるものだと思いますか。重機を動かす仕事は、災害復旧に役に立ちます。海保の技術は、海難救助ができます。政治で多くの予算を使えば、生活が困っている人をどれだけ助けられるのでしょうか。でもせっかくの専門技術が、ここでは戦争の準備のために、環境を破壊しています。いったい誰のためになる仕事ですか?
自分をごまかしながら、少しずつ囲われしまって、いつのまにか心まで生き埋めにしないでください。辺野古・大浦湾の海の中を見たことがありますか? ほんの数メートルしか離れてない場所に驚くほど違う世界が広がっているのを知っていますか? その中でも人間が分かっていることは、氷山の一角に過ぎないのに、まだまだこの海には誰も知らない価値が眠っているかもしれないのに、このまま埋め立てられてしまっていいのでしょうか。

 日米両政府に訴えます。戦争に繋がる新基地建設を、一刻も早く白紙撤回してください。
この海の破壊を今すぐやめてください。そして工事建設物を撤去して海を返してください。
私たちはこの海が元の何もない姿にもどるまであきらめるわけにはいきません。
必ずとりもどして、その時こそみんなで心の底からこの海を楽しみたいです。

コザ反米暴動50年写真展

 12月20日のコザ反米暴動50年を前に、那覇市の琉球新報社や沖縄市の「ミュージックタウン音市場」の広場などで、当時の現場の写真展が開かれた。会場では、MPに摸した廃車をひっくり返すパフォーマンスも行われ、改めて1970年のコザ反米暴動を思い起こすものとなった。新報、タイムスの地元2紙は連日紙面で報道した。詳しくは次号。

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