栗原学さん、さようなら
投書 SM
5月3日、栗原学さんが亡くなった。享年50歳、大腸がんだったという。Yさんが電話で教えてくれた。まだ若かったのに。残念だ。
5月10日に葬儀に参加した。葬儀の形式は無宗教で、職場の人、Kさん、Iさん、「シャンソンの先生」らがあいさつしていた。式場を出ようとする車に向かって、インターナショナルの歌が自然発生的に歌われた。日の丸・君が代の強制とは違う。自発的なものだ。栗原さんも生きていたら喜んだのではないだろうか。それともトロツキーの葬儀と比較して「なんだ、少ないな」とでも思ったろうか。
式場には集会やデモ等に参加した栗原さんの写真がたくさん飾られていた。栗原さんは、2020年の第4回軽井沢シャンソンコンクールで「モンド☆モンタ」の名で歌い奨励賞を受賞したという。Uチューブで視聴することが出来る。栗原さんは、映像も音声もたくさん残している。それは「幸せ」なことだと思う。
栗原さんは、私にとっては「集会やデモの人」だった。栗原さんは、いつもSさんやUさんと3人で運動の中心になって活動していた。「安倍のつくる未来はいらない!人々」だったか、新宿でデモをしたことを覚えている。栗原さんは、最近は「琉球弧自衛隊配備反対アクション」で活動していた。首相官邸前の集会で、官邸前に行ったら栗原さんは座っていた。その日は19行動と重なっていた。「アクション」の人がスマホか何かをマイク代わりに使ったが、うまく音が出なかった。そう記憶している。
栗原さんは、アジア連帯講座の公開講座で発言もしていた。少し昔の話だが、栗原さんが子どもさんを肩にのせてデモに参加していたことも覚えている。「民青に参加していたが、トロツキーは素晴らしいと思った」というようなことをいっていたこともある。
『かけはし』に載った文章では、何年の何月何日号だったか「お母さんについての思い出」をのべたものが印象に残っている。
私は『かけはし』に載った2010年3月22日号の投書「『アバター』を観て」で「この映画は、『やましいところがある人びと』の意識を刺激する。彼らに『この映画で描かれている悪者は、自分たちではないか』と思わせる」と書いた。デモで会った時だと思ったが、栗原さんが「確かにそうだ」というようなことをいってくれたのを覚えている。
反戦運動でいつも同じ歌ばかり流すのは「マンネリではないか」というような意味のこともいっていた。栗原さんは、私にとってはいつも笑顔の人であった。もう栗原さんの笑顔を集会やデモで見ることは出来ない。声をきくことは出来ない。
無宗教のため「天国」という言葉は使いません。ごめんなさい。栗原学さん、さようなら。
(2021年5月20日)
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社