リニア工事差止訴訟第2回口頭弁論

静岡 南アルプスの自然こわすな
有元通利さんが意見陳述

 【静岡】4月23日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の県内区間(10・7km)の工事差し止めを求めた訴訟の第2回口頭弁論が静岡地裁であった。
 JR東海は準備書面において「原告らの主張は誤ったものか根拠のないもので権利侵害を構成しない」「環境権については差し止め請求の根拠とならない」などと主張。「リニアは国策」といった「トラの威(国交省の工事認可)を借る」上から目線の強硬な姿勢が際立つ。

「裁判官は自ら
歩いてほしい」


 意見陳述を行った原告の有元通利さんは、県から委嘱された「静岡県高山植物保護指導員」として指導員らで構成される「静岡県高山植物保護ボランティアネットワーク」の活動を通じて南アルプス南部の広大な地域での鹿の食害防止、植生回復などの活動に携わってきた。この活動は、指導員の他、環境省や長野県職員、県内高校山岳部の生徒も参加するボランティア活動であり、南アルプスの自然を守りたいとの一心で活動を行ってきたことを述べ、昨年末の「静岡県生物多様性専門部会」において、JR東海は、トンネル掘削によって渇水期に枯渇する沢では動植物が消失する可能性があるとした。これは南アルプスユネスコエコパークを根底、根幹から破壊する行為であって、山を愛し、自然を愛し、南アルプス国立公園やエコパークを守ろうとする私たちにとっては、到底認められないものであると述べ、審理を担当する裁判官に対して大井川上流域や南アルプスを自身の足で歩いていただければ、かけがえのない大自然の素晴らしさを理解していただけると結んで陳述を終えた。
 静岡地裁敷地内の弁護士会館では、傍聴抽選から外れた原告、支援者等によって訴訟の会事務局長の芳賀直哉さんの司会進行で審理に併行した集会がもたれた。集会では原告の有元さんの意見陳述書やJR東海の提出した準備書面の概要等について報告がされた。口頭弁論が終了し合流した有元さんから今日の陳述についてあらためて報告を受けた。西ヶ谷弁護士は、JR東海の準備書面に対する批判と今後の審理の中でこの準備書面に対する具体的な反論をシッカリと行っていく決意が述べられ集会を終えた。
 次回口頭弁論は7月9日(金)午後2時半
          (S)

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