都議選をオリンピック中止の急ブレーキへ

五輪中止訴える共産党・市民派候補に投票を
都民ファ・自公・維新の新自由主義勢力を後退させよう

初めて投票する
18歳になったみなさんへ

 東京都議会議員選挙で初めて投票するみなさんへ。今回の都議選は命を守るために、東京オリンピックへ暴走する小池都政に急ブレーキをかけ、オリンピックを中止させるための選挙です。このままオリンピックを強行すれば、東京ばかりでなく日本中で感染がコントロールできなくなる可能性が強くなります。オリンピックをきっかけに新たな変異株の感染が急拡大すれば、失わなくていい命が失われます。そのような意味で、オリンピック中止をかけた今回の都議会議員選挙は、文字通り命がかかった選挙になります。
 政治は政治家がやるもので、自分たちが考えても仕方ないのでは、と思わないで欲しいのです。そのような無力感は、今までの学校教育で、無内容で人権侵害に当たる校則で縛られることで、いつの間にか刷り込まれてしまったものです。市民が政治に参加することで社会を変えることができます。政治に参加するとは政治家になることだけではありません。例えば投票することもそうだけれど、自分たちの主張を掲げてデモ行進に参加したり企画すること、労働組合に加入すること(学生アルバイトでも労働組合に加入して労働条件を改善させることができる)、自分の要求をSNSで発信すること(例えば、コロナの自粛でシフトが減らされて減収になった分を補償しろ、返済不要の奨学金を充実させろとか)もれっきとした政治活動です。日本は10万人規模の都市の機能をマヒさせて政治や経済を独占する企業や権力者に再考を迫るような大きなデモが起こらない、世界でも珍しい国の一つです。アメリカやヨーロッパでは、大学授業料の値上げ反対や労働条件の改善を求めて大きなデモが毎年のように起こっています。アメリカではブラック・ライヴズ・マターのデモが広がり、大統領選にも大きな影響を与えました。フランスでは黄色いベスト運動という大規模な政府への抗議デモが行われました。お隣韓国では、セウォル号事故の真相解明と責任追及を求めるキャンドルデモが行われ、ついに当時の朴槿恵大統領が辞任に追い込まれました。日本社会が生きにくいほど息苦しいのは、市民や労働者、学生が、自由に政治的主張ができないからです。「授業料が高い」「時給が安い」「セクハラやめろ」「気候変動マジやばい」といった声をあげると、すぐに自己責任だ、甘えるな、わきまえろ、今の生活水準を下げたくないだろう、という声が飛んできます。都議選を、このような自己責任を強制する息苦しい街になってしまった東京を変える第一歩にしよう。

五輪開催容認は無責任で無思慮

 オリンピックとコロナ対策が今回の都議選の大テーマです。それではオリンピックに対して都議会に参加している各政党・グループがどのような態度を取っているのか見てみよう。
 5月28日に行われた都議会の文教委員会で、オリンピック・パラリンピック中止を求める陳情が議論されました。これに対して賛成、つまりオリ・パラを中止するべきとしたのが立憲民主党と日本共産党です。都民ファースト、自民、公明は採択に反対しました。つまり都ファ・自公は、コロナで失われるかもしれない命よりも、オリンピックを優先する政党だということがはっきりしました。大阪で与党である維新は、都議会には1人しかおらず、その議員は文教委員会には在籍していません。国政政党の日本維新の会は正式な立場を表明しておらず、馬場幹事長が個人的見解として「アスリートの方の努力もあるし、万全の感染対策もできると思う」ので「開催やむなし」と述べています。ここで競泳の池江璃花子選手を思い浮かべて、「そうだよね、明確に反対している立憲や共産と違って、アスリートのことまで考えている維新の馬場幹事長は思慮深いんじゃないか」と思った人がいるかもしれません。そこで「アスリートの努力」と「万全の感染症対策」について考えてみます。
 まず「努力」と「アスリート」に分けて考えます。「努力することは素晴らしい」のですが、この社会には「努力したくてもできない人」がいます。怠けているとかの問題ではなく、努力したくても環境が努力することを許さない人たちがいます。例えば貧困家庭に育ち、子ども部屋どころか勉強机さえ持っていない子は、周りの人たちも「勉強なんかしてもしょうがない」というオーラが出ているような生育環境で、努力して勉強を続けられるでしょうか。 「努力は必ず報われる」という池江選手の発言は白血病を乗り越えた実感でしょう。しかし残念ながらマスコミが拡散したこの言葉は、努力することができない、あるいは努力しても報われない環境に追い込まれた非正規女性には、「今の生活が苦しいのは努力が足りないことが原因だ」、と残酷に響きました。だから「努力することが素晴らしい」というのであれば、すべての人が努力できる環境を整備することが何より重要になります。そしてそのような環境をつくるのが政治の仕事です。
 努力できる環境にある人の努力だけを称賛するのは政治家として思慮が足りないのではないでしょうか。つまり馬場幹事長はコロナ自粛によって日本中に蔓延している貧困問題が見えていないのです。それからアスリートについて。池江璃花子選手のように人より早く泳げる人を一人育てるより、誰もが水に親しみ、誤って水に落ちた時の命の守り方(着衣水泳)を身に着け、早く泳げなくても、ハンディキャップがあっても水泳を楽しむことができることのほうが重要です。
 東京都はオリンピックに力を入れていますが、すべての都民がスポーツに楽しく触れることができる環境を整える方向に力は入れていません。いま小中学生の体力の低下が問題になっています。原因の一つが貧困です。例えばファストフードばかりの貧困な食生活は肥満を増加させます。教育予算が削減され、例えば屋外プールが老朽化して水泳ができない学校が全国で広がっています。池江璃花子選手のようなスーパーアスリート一人を育成するより、給食を無償にして、みんなが水泳に親しめる環境を整えたほうが、人々の健康を向上させ幸福度を上げることができるでしょう。
 最後に「万全な感染対策」についてです。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会という重要な会議の会長を務める尾身茂会長は、6月2日の衆院厚生労働委員会で、オリンピックについて「普通は(開催は)ない。このパンデミックで」と前置きして、「開催の規模をできるだけ小さくして、管理の体制をできるだけ強化するのが義務だ」と語ったと報道されています。尾身会長の結論が「普通は(開催は)ない」にあるのは明らかです。
 選手・大会関係者を含めて10万人が来日する予定です。選手1万5千人はワクチンを接種してくる予定ですが、他の関係者についてはワクチン接種が済んでいるのかもわからないままの入国になります。日本に来てからは選手を隔離するといいます。しかしマスコミ関係者は隔離されません。さらに関東を中心に日本全国の小中学生90万人を観戦に動員しようとしています。
 日本と世界でこれだけ感染者が増えている時にこんなことをすれば、必ず感染は急拡大します。東京株のような変異株が生まれる可能性もあります。つまりオリ・パラ開催と万全な感染症対策は両立しないのです。馬場幹事長は具体的に考えれば不可能なことを、曖昧な言葉で有権者の気分に訴えているだけなのです。思慮深いどころか無責任なだけです。その結果はオリンピックによる感染拡大です。

医療劣化推進の政治を止めよう

 コロナ医療についても検討してみましょう。都のコロナ対策は科学的根拠もなく、標語を作ってただただ都民に自己責任の自粛を強制するものでしかありません。無症状者も含めた検査の拡大、病床の確保、自粛に対する損失補てん等を都議会で一貫して主張してきたのは日本共産党です。慶応大学の濱岡豊教授が、各都道府県のコロナ対策を評価してランキングしました、ワースト1が大阪、ワースト2が東京都です。
 大阪と東京を分けたのがコロナ病床の確保数です。東京が都立・公社病院を中心に病床を確保できたのに対し、大阪は府立病院を地方独立行政法人化、府の医療提供責任を放棄する行政リストラして、市民病院を二重行政だと批判して廃止した結果、病床を確保できず、入院できないまま自宅で亡くなる人が19人も出てしまいました。
 ところが都は、22年度に大阪と同じように都立・公社病院を独法化する計画です。コロナ禍での独法化は医療崩壊した大阪の二の舞になるでしょう。共産党は一貫して都立・公社病院の独法化に反対してきました。都ファ・自公は独法化を推進しています。立憲民主党は曖昧です。

マネーファースト社会の転換を


 他にも都政には様々な課題があります。例えば都立高校の男女別定員問題。定員が男女別で決められているので男子学生よりも成績のいい女子学生が不合格になってしまう問題です。明らかな女性差別です。女子学生の学ぶ権利を守るために不合理な男女別定員制をすぐにでも廃止すべきです。
 また貧困の問題はどうでしょう。貧困の問題とは、つまりは最低賃金が低すぎて、1日8時間働いても憲法25条に明記されている「健康で文化的な最低限度の生活」を営むことができないというところに問題の核心があります。早急に最低でも時給1500円を目指さなければなりません。
 また日本は、様々なサービスをすべてお金で買わなくては生きていけない社会なのです。住宅、保育、教育、医療、介護など生きていくために必要な公共サービスが、いずれも有料で高価なものになっています。これらを営利企業に委ねる社会から転換させる必要があります。現在、このような方向性を一番明確にしているのが日本共産党です。
 れいわ新選組の都議選公約には、オリンピック中止、検査の拡充、都立病院の独法化中止が並びます。共産党と同じに見えます。しかし都立・公社病院ではなく都立病院なのです。公社病院の独法化は問題にしないのでしょうか? そして緊急事態宣言ごとに、都民1人に10万円支給。現在はろくに補償がされていないので10万円支給は魅力的に見えるかもしれません。しかし1回10万円はあまりにも少ないでしょう。では20万円なのか? 違います。先ほども触れましたが、日本は生きていくために不可欠なサービスがとても高いのです。ですから都が提供しているサービスを無償であるいは極めて安価で提供していく都政に切り替えることが必要です。
 例えば国民健康保険の均等割を減免すること。均等割とは、収入のない子どもからも料金を徴収する制度で子どもが多い世帯ほど料金が高くなる不合理な制度です。これを都の予算で減免すれば保険料金を払うことができずに保険証を取り上げられる家庭を減らすことができます。またすべての都立施設に生理用品を常備し必要な時に誰もが無償で利用できるようにすることも生理の貧困を解決するために必要です。れいわは、公共サービスを充実させる政策を提案していくよりも、そこを現金給付でカバーしている傾向があります。
 オリンピックに暴走する小池都政に急ブレーキをかけるための都議選です。明確にオリンピック開催に反対し、マネーファーストの社会からの転換を目指す日本共産党や市民派候補に投票しよう。そのような候補者がいない選挙区では立憲民主党に投票しよう。そして日本と世界を変えようとする政治活動に参加しよう。そこからは今までと、資本主義とは違う未来がきっと見える!                         (矢野薫)

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