韓国サンケン労組連帯・支援

尾澤孝司さん起訴に怒り

 5月10日、韓国サンケン労組を支援する会の活動を担っていた尾澤孝司さんが「威力業務妨害」を口実に逮捕され、全く不当にも5月31日に起訴された。尾澤邦子さんのアピールと韓国・民主労総の声明を掲載する。(編集部)

 尾澤邦子です。

 5月31日、さいたま地方検察庁は、「韓国サンケン労組を支援する会」の尾澤孝司さんを「暴行」「威力業務妨害」で起訴しました。怒りがおさまりません!
 尾澤さんは、サンケン電気の100%子会社、韓国サンケンの廃業・解雇問題につき、労組との話し合いに応じないサンケン電気に対し、プラカードを持って会社の正門前に立ちました。労働問題の解決として、ごく当然の行為です。しかし、この労働争議を「暴行」「威力業務妨害」とデッチ上げたサンケン電気、起訴したさいたま地検に、満腔の怒りを持って抗議します!
 いったいどんな「業務」をどう「妨害」したというのでしょうか。ありもしない「暴行」をデッチ上げ、警察を呼んで騒ぎを起こしたのは、サンケン電気です。
解決しなければならない労使問題を棚に上げ、警察のカゲに隠れて逃げるサンケン電気は、卑怯です。
 昨年、サンケン電気は取締役会で、韓国サンケンの会社解散・廃業を決定しました。韓国の地方労働委員会からも「話合い勧告」が出ていました。責任を持って解決すべきです。

 関西地方においても、労働運動に対する酷い弾圧が起こっています。今回の韓国サンケン労組を支援する会にかけられた弾圧は、「威力業務妨害」や「恐喝未遂」をデッチ上げ逮捕・起訴した、全日建運輸連帯労組関西生コン支部への弾圧と同じです。労働組合・労働運動に対する弾圧です。「暴行」「暴力組織」としてデッチ上げ、つぶそうとするものです。次にはモノ言う労働者・市民がねらわれるでしょう。
 こんなことを許してはなりません!
 今回いち早く韓国の民主労総は、抗議声明を出しました。また韓国の国会議員41名が連名で、尾澤さんの釈放を求める嘆願書を提出してくれました。それを無視する日本の検察、政府を許しません!
 国際連帯を更に強め、日韓労働者・市民の連帯で、一日も早く、尾澤さんの釈放を勝ち取りたいと思います。
 サンケン電気は、6月の株主総会までに、この韓国サンケンの闘いをつぶそうとしたのだと思いますが、支援の輪は拡がっています。さらに拡げ、韓国サンケンの廃業・解雇を撤回させましょう!
(「レイバーネット」より)

韓国 民主労総の声明

【声明】 日本サンケン電気の不法偽装廃業に〔反対して闘う労働者に〕連帯する 市民活動家の連行―韓国の労働者と日本民衆の連帯を断ち切ることを目的とした日本警察の挙動に怒りを禁じえず、逮捕された活動家を直ちに釈放せよ
 1970年に馬山輸出自由貿易地域に進出し、あらゆる支援と特恵を受けて利益を吸い上げた日本サンケン電気の韓国子会社、韓国サンケン。韓国サンケンに民主的労働組合が登場し自分たちの無限の収奪にブレーキがかかるや否や〔サンケン電気は〕リストラや民主労総組合員の全員解雇、ついに不法な偽装廃業まで行っている。
 このようなサンケンと韓国サンケンの会社側による不義な行為に抵抗する労働者の闘いは、日本の遠征闘争をはじめ本当にやれることは何でもやっていて、現在も日本大使館や領事館前で闘いが続いている。
 韓国労働者の闘いを伝え聞いた日本の志ある市民が自発的に韓国サンケン労働者と連帯するための会を立ち上げ、日本国内で様々な連帯活動を行い一定部分の成果を上げてきた。このような状況のもとで5月10日、サンケン電気本社所在の埼玉県で行われた日本警察による市民活動家の連行はその意図が明白である。
 昨年9月から抗議行動が行われ続いていて、これまで一度も行動への制止や制裁がなかったのに連行し逮捕することにも全く理解できないが、さらに拘留期間が延長されているのには怒りを禁じえず厳重に抗議する。
 労働者の国境を超えた連帯闘争。グローバルに行われる資本の収奪に抵抗し勝利する道は、国境を超えた連帯と闘いの組織に他ならない。日本の資本が国境を超え韓国労働者への搾取、収奪に真っ向から闘う力はここにあった。同じように韓国の資本が他国に出かけて韓国で行えない不当な問題に抗して闘う労働者と共に〔私たちが〕連帯して闘う理由でもある。
 逮捕された「韓国サンケン労組を支援する会」の活動家は直ちに釈放されるべきだ。日本政府と警察は、サンケン電気の不義な行為を判断し処罰ができない、処罰しないとしても、市民の自発的な連帯行動に対する妨害や弾圧を行うべきではない。助けられなくても邪魔建てをするようなことはあってはならない。
 さらに、大韓民国政府にも要求する。最近問題となっている投機ファンド資本MBKなど、韓国に進出してうまい汁だけを吸い上げて撤収する「食い逃げ資本」に対し、実質的に規制する法と制度が整備されるべきだ。一体いつまでこの地の労働者の血と汗を吸う外国資本の食い逃げを許すつもりなのか。これは主権の問題でもあり、国家の自尊心の問題でもある。速やかな勇断と実行を行え。

2021年 5月 28日
全国民主労働組合総連盟

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