7.4三里塚現地集会とデモ

「第3滑走路」建設をやめろ
飛行時間制限緩和許すな

 7月4日、三里塚空港に反対する連絡会は、「成田空港『第3滑走路』建設をやめろ! 飛行制限時間緩和を許さない! 共有地を奪う登記義務法反対! 菅・自公政権打倒! STOP原発―再稼働やめろ! 沖縄・辺野古新基地建設反対! 『重要土地調査規制法案』を廃案に!」のスローガンを掲げ東峰現地行動を行い、30人が参加した。
 前段集会の会場は、雨のため東峰地区の平野靖識さん(らっきょう工場)かららっきょう工場の一角を借りて行われた。
 集会は山崎宏さん(連絡会)の司会で始まり、「新型コロナの流行下において成田空港は国際線の90%が運休が続き、外国人の入国が圧倒的に少ない。空港会社は膨大な赤字が累積している。しかし、第3滑走路建設については29年3月まで完成させるということで、用地買収、工事などを行っている。まったく反省もなく、先が見えず人民に大きな犠牲を強要する建設事業に反対する闘いを進めていこう」とアピールした。
 関西三里塚闘争に連帯する会共同代表・渡邉充春さんからのアピールが紹介された。
 アピールは「4月25日には泉州沖に空港をつくらせない住民連絡会の主催の関西新空港反対!泉州現地集会を30名の仲間とともに勝ち取りました。『南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会』の取り組みも継続されています。」と報告し、「一坪に示した反対の意思を、共有運動の会の粘り強い取り組みで強化していきましょう。さらに関西から闘います」と表明。
 平野靖識さんは、「石井紀子さんは、こういう集会で暮らしを大事にしながら原則的に闘いをしていこうと訴えていた。らっきょう工場の三里塚物産は、1978年4月から始まった。以降、東峰でどのように闘っていくかを考えてきた。その一つとして『三里塚歴史考証室』(21年6月1日)を発足した。私は成田空港シンポジウム(1991年11月)と円卓会議(1993年9月)に参加した。当時の運輸省、空港公団は、空港決定について『民主』的ではなかったことを認め、謝罪した。その証として空港の中の土地に対する強制収用法適用を取り下げ、用地取得に対して強制的手段をもちいないと合意した。だがその後の展開は、B滑走路供用を強行し、現在では天神峰農家の市東孝雄さんの土地に対して強制執行可能状態にある。第3滑走路も建設しようとしている。民衆が提起した方向性の観点からもう一度明らかにし、発信していきたい」と発言した。
 野島​美香さん(石井紀子さん追悼の集い実行委員会)は、「有志で実行委員会を作り、どのように紀子さんを追悼していくかを約半年かけて話し合いをした。コロナ禍における制限があるが、追悼集会を4月3日に行い、100人が参加した。現在、報告集を準備している。集会では映像の部を行いましたが、編集したDVDを報告集に付けます。労農合宿所の攻防で紀子さんが機動隊に対してオニギリを投げつけるシーンがあった。紀子さんの凜とした生きざまを受け止め考えていきたい」と述べた。
 さらに発言は、芝崎眞吾さん(連帯社)、7・3東京五輪を中止に! 松戸アクションを闘った仲間、田んぼくらぶから行われた。
 集会後、デモに移り、空港用地内の開拓道路からB滑走路に向けて「第3滑走路建設反対!空港廃港を!」などのシュプレヒコールを行った。

環境破壊促進
と生命の危機
 デモ終了後、三里塚大地共有運動の会との共催で現地調査を行った。
 調査活動は、車に分乗し木の根地区の木の根ペンションに向かい、ウッドデッキに上がり空港全景を確認したり、一坪共有地のプールを視察した。
 空港を外周してから柳川秀夫さん(三里塚反対同盟代表世話人)宅を訪問した。
 交流の場で柳川さんは、「空港の巨大化をはじめ資本がやりたい放題やった結果として、温暖化、コロナなどの問題が起きている。現代文明によって便利となり、若者たちが都市部へと移ってしまう。農村は後継者がいないということで土地を守るとか反対する理由がなくなってしまっている。物があふれ人間としての価値観が失われている。人類が存続するための課題に対して大きく立ち現れている。環境変化が早くて人類が生き残っていくことが大変な状況だ。百姓やっているとよくわかる。従来のように種まきをやっていたらだめになっている。スーパーに行けば食い物があるから安心しているが、気候、食料問題は深刻になってきている。だからこそ巨大空港はいらない」と言い切った。

加瀬勉さんの
問題提起受け
 第3滑走路飛行コース直下を走り、加瀬勉さん(前大地共有委員会〈Ⅱ〉代表)宅がある多古町に移動した。
 加瀬さんは、いなり寿司、キュウリ・ナスのお新香、新鮮で熟したトマトを用意して調査活動の仲間たちを迎えてくれた。仲間たちは、「加瀬料理」をほおばり、交流が始まった。
 その中で加瀬さんは、「『重要土地調査規制法』と『登記義務化法』が制定された。これが空港反対闘争、農民にどのような影響があるか。日本では2万カ所の限界集落があると言われている。無人の家もたくさんある。田んぼ、畑の耕作放棄は50万㏊だ。山林、原野とかは管理していないから相続はしていない。第3滑走路によって多古町は立退き区域になっている。空港会社は、現在作っている田畑、宅地は買収すると言っている。みんな山林を管理してないから放棄している。経済利益がないから相続していない。こういう中で2つの法律が制定され、最終的には国家によって買収できるようになってしまう」。
 「横堀の農業研修センター、案山子亭と大鉄塔は、無人であり、過疎集落だ。だがやすやすと渡さない。これは私たちの意志にかかっている。反動立法は、運動の後退によって阻止することができなかった。大衆も組織しきれていない。この問題をどうするか。多古町も若者たちは都市部に移っており、後継者がおらず、農村共同体も崩壊している。田んぼは、ほぼ地区外の者に貸している。こういう状況下で空港会社は、行政・空港推進派の4者協議会に多額のカネをばらまき、地元誘致要望があったと称して第3滑走路建設の合意をとりつけ、アリバイ的な説明会を繰り返し、買収を押し進めている」。
 「空港の周りで空港反対と言っても、土地という物質拠点がなければ力とはならない。木の根の土地は日本人民の名誉にかけて守りぬく義務がある。そのための対策はあるのか」と仲間たちに投げかけた。
 加瀬さんの問題提起を受け止め、再会を約束して本日の行動を終了した。(Y)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社

次の記事

2021最低賃金審議