サンケン電気株主総会にむけた尾澤孝司さんの質問書
資料
偽装廃業・不当解雇やめろ
韓国サンケン労組との合意を守れ
(支援する会ニュース特別号より転載)
6月25日、サンケン電気の株主総会が埼玉県新座市の同本社で開催された。ここに掲載するのは、株主総会に参加予定だったが、不当にも逮捕・起訴されて参加できなかった尾澤孝司さんの質問書。(本紙編集部)
サンケン電気株式会社代表取締役社長 和田節殿
2021年6月23日 尾澤孝司(株主番号000962676)
質問書
私は、貴社の第104回定時株主総会において株主として直接質したいところですが、今回は参加がかなわず、以下について質問権を行使するので必ず答えるよう求めます。
質問1 サンケン電気(株)(以下、本社とする)は、100パーセント出資の子会社・韓国サンケン(株)がありながら、2018年に韓国財閥企業LGグループ系列化にある韓国天安市の(株)チフンを買収し、その後12月18日には株式会社KKE(忠清南道天安市西北区成歓邑、所在)と社名変更を行っています。なぜ子会社の韓国サンケン(株)に再投資せずに、別会社を作って韓国での生産体制を確立しようとしたのか、お答えください。
質問2 本社は2020年7月9日、本社ホームページ上において、突然「子会社の解散に伴う特別損失の発生に関するお知らせ」を発表し、韓国サンケン(株)の清算・廃業ならびに解雇を発表しました。なぜ、本社取締役会が頭ごなしに子会社の廃業を発表したのか、その経緯をお示しください。
質問3 上記の質問2における韓国サンケン(株)の廃業決定は、2016年から2017年の韓国サンケン(株)における労働組合員に対する不当な整理解雇撤回の争議解決後に交わした労使合意(2017年6月2日付、雇用安定委員会合意書)に反するものであり、今回の廃業は偽装廃業だと韓国サンケン労組(正式名称:全国金属労働組合慶南支部韓国サンケン支会)は主張しています。合意書を交わしておきながら、なぜ合意書4項目の「生産の再稼働のために 必要な諸般の措置を実施する」ことをしなかったのか、また合意書7項目の「会社は、今後重大な雇用問題の発生時には、労働組合と合意して行う」という条項がありながら、なぜ組合側との合意を行わなかったのか、お答えください。
質問4 韓国サンケン(株)における労使間で締結した労働協約では第45条(第1項から第5項まで)において経営上の理由による解雇の制限を設けています。韓国サンケン労組では今回の清算・廃業・解雇はこの労働協約に違反すると主張していますが、この点についてもお答えください。
質問5 韓国サンケン(株)の廃業決定にともない、2020年12月末から2021年1月中旬にかけて、慶尚南道知事・道議会や昌原市長・市議会、さらに与党「共に民主党」13人の国会議員連名による廃業の撤回を求める書簡を本社のみならず、外務省、厚生労働省、経済産業省に送っています。これについてどのように返答したのか、お答えください。また返信したのであれば、その文書をお示しください。
質問6 上記の質問5と関連し、本社の態度は、韓国では道義的に許されないと声が上がり、マスコミでもたびたび報道、放映されています。進出先の国民感情をどのように考えているのか、回答しない理由についてもお答えください。
質問7 本社はいま、構造調整改革として組織再編の途上にあり日本国内では再編の対象部署と話し合い雇用継承の努力をしながらも、韓国サンケン(株)ではなぜそのような努力が行われていないのか、お答えください。また、併せて日本の労働者には説明責任を果たしておいて、韓国労働者を一方的に切り捨てようとするのは「民族差別だ」「植民地ではない」という声が上がっていますが、どうお考えか、お答えください。
質問8 子会社韓国サンケン(株)をめぐる事態は争議状態にありますが、そもそもの発端が本社取締役会の決定、発表にあることから、本社は争議当事者と思われますが、本社はどのように認識しているのか、お答えください。
上記は株主の質問権行使によるもので、1)株主総会の場で答えること、2)郵送で返答することを要求します。
以上
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