7.13関西生コン支部武委員長に不当判決
労組つぶし大弾圧許さない!
400人で座り込み集会
【大阪】大阪地裁で7月13日、全日建連帯労組関西生コン支部の武建一委員長の大阪ストライキ(2017年12月)、滋賀コンプライアンス等の事件(威力業務妨害・恐喝未遂・恐喝)に関する単独分離公判の判決が言い渡された。求刑公判で検察は懲役8年を求刑していた。判決当日は、地裁前の若松浜公園で労働組合つぶしの大弾圧をゆるさない実行委員会主催の集会が開かれ、400人を超える支援の労働者市民が集まった。
実行委員会代表の小林全港湾大阪支部委員長は、「判決は求刑どおりのものになる可能性もあるが、この取り組みは続けていかなければいけない。中にはわれわれの訴えをきちんと受け止めてくれる裁判官がいると思う」と述べた。この発言は、おおくの参加者の正直な考えだったと思う。
参加者は、短い集会の後、傍聴券を求めて地裁の庭に移動した。その人数は相手方の大阪広域協組側の人数を圧倒していた。
懲役3年執
行猶予5年
ほとんどの支援者は、傍聴券の抽選にもれ、もとの公園に戻って集会を続けた。北海道や、千葉、東京、神奈川からも参加者があり、次々連帯のアピールをした。
開廷の時刻10時が過ぎ、10時半が過ぎた頃に、公判廷に入っていた坂田副委員長が、『不当判決』と書かれたポテッカーをもって出てきて、「懲役3年、執行猶予5年」と判決内容を伝え、公判廷はまだ継続していて、現在判決理由を裁判長が読んでいる。判決そのものは不当ではあるが、「懲役3年、執行猶予5年」は、支援の皆さんのおかげだとお礼を述べた。
武委員長が
あいさつ
11時が過ぎ、そしてしばらくして公判は終わり、武委員長がみんなと出てきて、あいさつした。
「そのまま収監されたらと何も持たずに、このままの状態で公判に臨んだ。正当な労働運動に対する弾圧だから、絶対執行猶予だって許せない。しかし、1000万円を恐喝したというのは、解散整理のためのカンパなのに、お金を出した側に警察が、被害届を出さないと逮捕するぞと脅して届けを出させ、私を逮捕した。産業別労働運動を壊滅させるための国策捜査だった。そのような中で今日の判決を迎えた。執行猶予5年だから猶予としては最高だ。確かに私は来年1月80歳になるが、年は関係ない。こんな国策捜査は絶対に許せない」。
「日本の裁判所は企業別労働組合でないと労働組合ではない、労使関係のないところではストライキなんか出来るはずがないと思い込んでいる。しかし世界的な水準からすると、産業別労働組合は、産業全体に影響を及ぼすような賃金労働条件の決定を交渉により実現する。それに反することがあれば、当然ストライキがある」。
「安倍政権は、憲法を空洞化して、その後に憲法を変えていくというやり方をやった。憲法28条を裁判などで空洞化させ、労働運動を企業内だけに閉じ込めてしまう。JR東がやっていることを見ると、企業内組合すら認めない。これが今の動きだ。戦後闘いによって民主主義を確保してきたが、それをどんどん破壊しようとしている」。
「戦前厳しい弾圧の中で闘った人たちは少数だがあった。しかし多くの人は、戦中、米英を鬼畜生として闘ってきて、負けた途端に、権力者にだまされたと言った。一億総懺悔した。戦後いち早く伊丹万作は『だますにはだまされるものがいる。そんなことを言っていると、また同じ道にはまり込んでしまう』と言った。今、そういう方向になっているのではないか」。 「アジア諸国に侵略し虐殺し、日本人320万人が殺された。その責任を取るべきなのは昭和天皇であり当時の支配者たちだった。その責任を糾弾せず、なぜ国民が懺悔しなければいけないのか。その延長上に今日があると思う。これからも、労働組合は正当な要求のために断固ストライキで闘う、労働組合と市民運動が共通課題で共闘する」。
鳩山政権の時は
弾圧なかった
「2010年に4カ月半のストライキをし、大阪駅の北の開発を止め、彼らの言うところの威力業務妨害をやった。しかし、弾圧はなかった。鳩山政権が出来たからだ。政権が変われば弾圧出来ないという事実は残った」。
「秋口の総選挙には、自民・公明・維新には絶対入れない。大阪広域協組は維新とつながっている。松井市長には1000万円カンパし、昨年10月また5000万円カンパしている。秋口は、それ以外のところに投票したいが、あえて言っておく。立憲が国民投票法改正に賛成したのはよくなかった」。
「原発問題では、関連労組からいろいろあるだろうが、人類の命を犠牲にするような原発は許すわけにはいかない。辺野古をはじめ戦争のため基地を強化するような動きには、はっきりノーと言うべきだ。このようなことをはっきり主張する政党が目立たないのが残念だ。アメリカでも、共和党・民主党同じようなことをするから、若者が怒っている。必要なのは、国会前でやったような大衆的な運動だ。全力を挙げて闘い抜く」と述べた。参加者は武さんの元気な姿を見ることが出来た。
一部有罪、
一部無罪
弁護団から判決の報告があった。「一部有罪、一部無罪。懲役3年で執行猶予5年がついた。武委員長の声を直接皆さんに伝えられたことについては、皆さんと喜びたい。一連の関西生コン弾圧事件について、無罪が出るということは大きなことだ」。
「一部有罪の部分について、産業別労働組合として業界を相手とする取り組みとか、産業別労働組合としての活動自体を裁判所が十分理解できていないところがある。これについては、控訴して争っていくことになると思う。一部無罪の事件というのは、企業を恐喝して1000万円を脅し取ったというものだが、恐喝したという事実が証明できていないということで、検察官が考えていたストーリーが完全に崩れている。この部分についてはもしかしたら、検察が控訴するかもしれない。これに対しては弁護団も一致団結して立ち向かっていきたい。無罪を勝ち取る闘いは続いていくので、これからも支援をよろしく」と述べた。
最後に武洋一書記長は「委員長も皆さんの前であいさつできて、ほっとした。弁護士の話にもあったが、ストライキについては認められなかったが、コンプライアンスや脅迫については無罪となった。まだまだ闘いは長く続くが、委員長が言ったように、国を変える闘いをしよう」とあいさつをし、小林全港湾大阪支部委員長が締めの発言をして終わった。 (T・T)
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