7.23沖縄つぶしの「土地規制法」は廃止! 学習集会
もの言えぬ社会の到来
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団など4団体が呼びかけ
「もの言えぬ
社会」作るな
7月23日午後2時から、東京・文京区民センター3Aで 、「もの言えぬ社会の到来 沖縄つぶしの『土地規制法』は廃止!学習集会」が◇共同呼びかけ◇土地規制法を廃止にする全国自治体議員団、「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック、全水道東京水道労働組合◇協賛◇フォーラム平和・人権・環境、安保破棄中央実行委員会で開かれた。
共同呼びかけ代表の青木さん (沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック)が、 「6月16日に『重要土地等調査規制法』(重要施設周辺及び国境離島等における土地等の調査及び利用の規制等に関する法律)が強行採決された。この法律はもの言う人を排除し、弾圧するものだ。この法律を廃止するために闘いを作り上げよう」と、開会のあいさつを行った。
住民監視する
米軍と自衛隊
次に、早い段階からこの法案の問題点を指摘し論陣をはり、6月2日、参議院内閣委員会で参考人として意見を述べた馬奈木厳太郎さん(弁護士)が講演を行った(別掲)。
沖縄からリモートで2人が発言した。
下地茜さん(宮古島市議)が報告。
「宮古島保良地区では自衛隊基地建設に反対決議をあげている。自衛隊は4月から自衛隊基地の運用を開始した。6月2日、弾薬を運び込んだ。地対艦ミサイルはこれから搬入する。まだ完成はしていない。前市長が基地建設をめぐり、収賄罪で取り調べを受けている。有事の際、ミサイル部隊が入ってくる。どこに避難していいのか説明がない。国民保護計画はできていない。人が住んでいることを前提にしていない」。
「土地規制法は島全体が対象になっている。この法律によって具体的にどういうリスクがあるか分からない。過去の例では2013年、自衛隊保全隊が市民運動を監視していた。また、やんばるの森の廃棄物を辺野古のゲート前に置く抵抗運動を行ったら家宅捜査をやられた。こうした市民運動の監視、家宅捜査などが合法化していく法律だ。自治体を指定する場合、事前に聞き取りをする。そうした動きを拒否する運動を作っていく」。
福元勇司さん(辺野古新基地を造らせないオール沖縄会議・事務局長)は、「名護市議会や北谷町議会で法律の廃止を求める決議が採択された。県内の他の自治体でも廃止決議を上げるように運動をしていく。今後、重要施設が決められていく。米軍、自衛隊だけではなく、原発・駅・病院・放送局などに広がっていき、個人情報が管理されていくことになる」と話した。
住民監視する
悪法なくそう
土地規制法を廃止にする全国自治体議員団の岡本ゆうこ松戸市議ら4人の地方議員が登壇し、運動を全国に広げていくことを話した。「重要土地調査規制法案」反対緊急声明事務局の杉原浩司さんが行動提起した。「①この法律の問題点を知らせていくこと、リーフを作る②全国の自治体で廃案決議の請願などを広げていく③総選挙で政党の政策に取り入れるように働きかける④政府がこれから基本方針を作っていく。これに対して市民の声を入れさせる。パブリックコメントをやらせる⑤基地の監視を強める。基地を機能をさせない」。
「土地規制法」は廃止!集会決議を読み上げ、採択した。沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックの大仲尊さんが、今後土地規制法の廃止に向けて運動を作り上げていこうとまとめのあいさつをし、会場参加者全員で「土地規制法」廃止のバナーを掲げるパフォーマンスを行った。 (M)
馬奈木弁護士の講演から
土地規制法の問題点と今後の課題
米軍占領下の沖縄で、サンマの関税に対する裁判を入り口に自治権をかけて闘ったサンマ裁判があった。サンゴ訴訟に対して最高裁判決で2人の裁判官が反対した。反対理由は、軟弱地盤が見つかり、サンゴ移植をわざわざ認めなければならないのか、事情が変わったことを認めるべきだというものだ。国と地方自治体は平等だ、これが問われた。土地規制法も同じことが問題になる。国と違う考えを犯罪者のように扱う。強引に法律を成立させた。こんな法律を国会が認めていいのか、国民が認めていいのか。
入口と出口が違う?
立法事実が問題になった。そもそもこの法律が必要なのか。外国資本が基地の近くの土地を買うことが問題にされた。しかし、地元自治体から不安の採択がなされていない。
誰に影響があるのか? どんな影響があるのか?
北海道の自衛隊千歳基地が問題にされたが、実は苫小牧市のカジノ推進を進める隣の土地を外国資本が買った。法案で規制するのはおおよそ1㎞なのに、3㎞なので規制の対象にならない。不安や安全保障上の問題というがしっかりリスクが調べられていない。衆議院での審議では立法事実がないことが明らかになった。参議院では安全保障上の問題と答えないで、機能阻害があると言い出した。
重要施設も限定がない
重要施設というのは米軍、自衛隊、原発だけではなく、生活関連施設の港湾・電気・ガス施設なども含まれる。それに国境離島なども調査対象にされ、沖縄はすべてが含まれる。1㎞以内に住んでいなくても調査対象になる。その他関係者という言い方がされている。法人とか出入りの業者も対象だ。何を調べるのかと問えば、機能を阻害する者と答える。犯罪行為があり被害が出る。そうすれば特定できる。しかし基地の機能を守るというのは抽象的であいまいなものだ。そこでバックグラウンドを調べることになる。プライバシー、思想信条を調べる。普天間や嘉手納の爆音訴訟をやっている。こうした活動も調査対象になる可能性がある。調査内容に限定がなく、過去も調べる。
大事なことは閣議決定
22条で、「内閣総理大臣は、この法律の目的を達成するため必要があると認めるときは、関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長その他の執行機関に対し、資料の提供、意見の開陳その他の協力を求めることができる」とあり、かなりのことができるようになっている。ただ基地反対で座り込んでいるだけでは勧告はできないにしても、例えば工作物の撤去を自治体を表に立たせて行わせることができるのではないかと懸念される。
23条で、土地の買い取りを申し出ることができる。所有者は拒否することができるが、かなりの圧力になる。軍用のために土地の買い取りは禁止されているので、自衛隊のための土地の買い取りはできない。しかし、付帯決議15条で、「勧告及び命令に従わない場合には、重要施設等の機能を阻害する行為を中止させることが困難であることに鑑み、本法の実効性を担保する観点から、収用を含め、更なる措置の在り方について検討する」としている。事実上の土地収用の可能性がある。例外として米軍のためと有事法制によって、自衛隊が有事の際に土地の強制使用が認められている。
法の発動を許さず、廃止させるために
地方自治体での反対決議。中止区域の指定に対して、首長が反対すること。規制されると困る不動産業界との連携。爆音訴訟との共闘。脅威リスクをどう乗り越えていくのか、外国人といかに信頼関係を作れるのか。(発言要旨、文責編集部)
質疑応答
◦沖縄基地反対運動にどう介入してくるか? 「22、23条を活用してくる。座り込みを取り締まるということを一番最初にやることはないだろう。石垣島や宮古島での自衛隊基地建設。ここが問題になるだろう。不測の事態を取り締まる。
◦中国人・朝鮮人が土地を買っていることをどう思うか? 「個人ではなく、国籍ですべてまとめて恐いというふうに恐怖心をあおるのはヘイト、そうした見方をしてはダメだ」。
◦デジタル関連法や共謀罪との関係は? 「関連はある。共謀罪などは犯罪が起こる前のことを犯罪として前倒しした。機能を阻害することについて不明確なのに弾圧の対象にする。このために新たな部局をつくるとしている」。
注 サンマ裁判とは何か 1963年沖縄。祖国復帰を願う沖縄の人々が、日本の味として食べていたサンマ。サンマには輸入関税がかけられていたが、その根拠は琉球列島米国民政府の高等弁務官布令、物品税法を定めた高等弁務官布令十七号(1958年公布)。だが、関税がかかると指定された魚の項目に、サンマの文字はなかった。
そこで「関税がかかっているのはおかしい」と、魚卸業の女将・玉城ウシが、琉球政府を相手に徴収された税金の還付訴訟を起こした。求めた額は、現代の貨幣換算でなんと7000万円。このウシおばぁが起こした“サンマ裁判”は、いつしか統治者アメリカを追い詰める、民主主義を巡る闘いとなった。(映画「サンマデモクラシー」より)
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