8.5 「8・6ヒロシマ平和へのつどい」

パンデミック・核兵器・原子力そして地球温暖化

 【広島】1977年から途切れることなく名称を変えて継続してきたこの集会は、今年45回目を迎えた。「8・6ヒロシマ平和へのつどい」となってからは25回目である。今年のテーマは、「被爆・敗戦76年 ヒロシマから、生物多様性と脱軍備をキーワードに社会変革を」である。コロナ禍の中、100人が参加した。
「パンデミック、核兵器・原子力、地球温暖化」=人類・生態系の危機にどう立ち向かうのかという問題意識を全面に出している。
 司会は大月純子さん(福島原発告訴団・中四国事務局)。第一部の問題提起では、「被爆・敗戦76年ヒロシマから ―亡くなった人は語れない 生きる者に語らせるー」との題で西岡由紀夫さん(広島県高等学校被爆二世教職員の会会員)が主催者挨拶を兼ねて次のように述べた。
 「宇品から日本軍兵士として中国に渡り侵略戦争に従事しシベリア抑留を経て日本に戻ってきた父と、広島で生まれ育ち皆実町で被爆した母と、現在の平和公園の地、北天神町の呉服問屋で働き、大久野島で毒ガス製造にも従事し、宇品からフィリピンに渡りルソン島で21才で戦死した母の兄。この伯父は戦死か戦病死か餓死か。宇品には次の歌詞碑がある。『陸軍桟橋とここを呼ばれて還らぬ死に兵発ちにき記憶をば繋げ』(芳美)。『軍都廣島』への原爆被爆を経て『平和都市ヒロシマ』という両面の認識が不可欠」。
 「現在のヒロシマの周囲には海自と米陸軍弾薬廠からなる呉周辺の基地群(広島から20㎞)、米軍岩国航空基地を中心とした岩国の基地群(35㎞)、計画中の上関原発(70㎞)、伊方原発(100㎞)、島根原発(130㎞)。今年の朗報は『黒い雨』被爆者救済の訴訟での全面勝訴である。放射性降下物、残留放射能、内部被曝と今後に生かす。被爆二世裁判、陸軍被服支廠保存、基町・中央公園で発掘された旧陸軍の輸送部隊『中国軍管区輜重(しちょう)兵補充隊(輜重隊)』施設の被爆遺構の保存、核兵器禁止条約をめぐる攻防。栗原貞子の詩「ヒロシマというとき」(1976年)の発表から45年、未だにその課題に応えられないでいる」。

ミャンマーの
民衆に連帯を
 「ミャンマー(ビルマ)市民の反クーデター・民主化を求める運動から日本に住む私たちが問われている事」との題で小武正教さん(ミャンマー(ビルマ)市民の訴えを聞く会事務局、メラウーキャンプ教育支援の会代表)は次のように述べた。
 「14年間難民キャンプに通い支援を継続してきた。その立場から長年に渡りミャンマー軍政府をODAを通じて支援してきた日本政府や日本ミャンマー協会を構成している大企業を糾弾する。国民統一政府(NUG)を支持し、コロナ禍で苦しむ民衆に連帯する活動を継続していく」。
 「イスラエルの世界標準化に抵抗する」との題で田浪亜央江さん(中東地域研究)は次のように述べた。「緊急な行動のときには〝パレスチナに平和を”のスローガンでもいいかもしれないが、問題はイスラエルなのでありイスラエルと日本の関係である。それでこのような題にした。アテネ五輪(2004年)以降、五輪はイスラエルのセキュリティ技術を世界に売り込む格好の機会になってきた。リオ五輪ではイスラエル・ボイコット運動が力を発揮、東京五輪はイスラエルが巻き返した。日本の警視庁が顧客。特殊な建国の経緯から例外的なイスラエルの安全保障政策が2000年代の『テロとの戦争』の中でスタンダード化してきた。一向に問われないイスラエルの核保有。『ホロコーストと原爆の被害者同士』という抽象化、国家中心史観の問題性。現在の『イスラエル・パレスチナの架け橋』的スタンスの問題性。イスラエル国家のあり方と政策を深く問いうる潜在的可能性がヒロシマにあるなら、問わなければならない」。

朝鮮半島の人
びとと共に!
 「2021年 朝鮮半島をとりまく情勢 朝鮮半島の非核化・キャンドル革命」との題で尹康彦(ゆんがんおん)さん(在日韓国民主統一連合広島本部副代表委員)は以下の要旨を述べた。 1 朝米関係と朝鮮半島の非核化(アメリカ・バイデン政権の朝鮮政策。シンガポール共同声明を履行し朝鮮半島の非核化)
 2 南北関係の進展(信頼と和解から不信と対立。南北通信連絡ルートの68年ぶりの復元=7月27日午前10時)
 3 キャンドル革命と韓国大統領選挙(積弊清算はキャンドルの思想。民主勢力と保守勢力のせめぎあい)
 4 韓日・朝日関係の改善(植民地支配の謝罪と賠償、真摯な反省。朝鮮学校無償化裁判での上告棄却)5韓米合同軍事演習の中止6国家保安法の廃止
 「日本の社会におけるウリハッキョ=朝鮮学校の意味」との題で朴忠奎(ぱくちゅんぎゅ)さん(広島朝鮮初中高級学校卒業生、広島朝鮮高級学校高校無償化裁判原告、在日本朝鮮青年同盟広島県本部副委員長)は28才になるまでの広島で生まれ育った簡単な自己紹介をしてから、在日朝鮮人が日本社会に存在する歴史的経緯を述べ、ウリハッキョについて語った。
 「8・15解放後、在日同胞は、二度と植民地奴隷のみじめな生活をくり返すまいと固く決心し、子どもたちに朝鮮の言葉と文字を学ばせるため、こぞって立ち上がった。彼らは子どもたちを新しい祖国建設の働き手に育てる一心で東京・戸塚の国語講習所をはじめ、同胞たちの住む各地に国語講習所を設立した。広島では大竹市に。こうして開始された民族教育は、在日朝鮮人連盟(朝連)の結成以降、より組織的に発展した。朝連と在日同胞は1946年4月から、国語講習所を初・中・上の3年制初等学院へと改編し、同年9月に6年制の正規の学校へと発展させた」。
 「10月に東京朝鮮中学校を創立したのを契機に中等教育も実施した。こうして解放直後から1946年10月までの間に、日本各地に525校の初等学院、4校の中学校、10校の青年学校を設立し、1100余名の教員によって4万1000余名の学生たちに体系的な民族教育を実施したのである。1957年、祖国が困難な中、多額の支援をした(4・24教育闘争は略)。未だに朝鮮学校に対する差別は高校無償化対象除外など続いている。植民地支配が清算されていないからである。在日にとってウリハッキョとは、日本でアイデンティティを育む場所。失った自己肯定感を取り戻す場所。心のよりどころ。
 次に第二部の記念講演として、「生物多様性、脱軍備をキーワードに社会変革を―コロナ事態を契機に浪費型文明の変革を―」との題で湯浅一郎さん(ピースデポ代表)が行った(講演要旨次号)。

市民平和宣言
2021提案
 「市民による平和宣言2021」を司会が読み上げ、提案し、参加者の拍手で採択された。
 翌日8月6日の行動提起を新田秀樹さん(ピースサイクル全国ネットワーク)が行った。

グラウンド・
ゼロの集いヘ
 7時45分、原爆ドーム前で「グラウンドゼロのつどい」を行った。
 発言者は、ピースサイクル全国ネットワークの小田諭さん、関西共同行動の星川洋史さん、南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会の根本さん、ミャンマー(ビルマ)市民の訴えを聞く会事務局の小武正教さん、人民の力の実国義範さん、湯浅一郎さん、西岡由紀夫さん。
 8時15分から5分間、すべての戦争被害者を追悼するダイインを行った。
 8時30分「8・6広島デモ」を中国電力本社前まで行い、脱原発座り込み行動を10時まで行った。
 デモと座り込みの参加者は100人。 (久野成章)

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