9.11経産省前テント広場10年集会(9月30日発行)

「原子力緊急事態宣言」はいまだに解除されず!

人が戻らずに
『復興」なのか
 「フクシマの原発事故では、いまだに『原子力緊急事態宣言』は解除されていない。その住民退避指示はピーク時に16万人を超え、いまも4万人以上が自宅に戻れないままだ。直接の被ばく死者はいなかったが、避難中のストレスによる災害関連死が4千人近くいる。事故を起こした東電でも、その関連会社の社員を含めて事故処理に関連して多数が高線量被ばく死した。一方で事故炉の廃炉処理は放射能汚染水が大量にタンク保管され、しかも原子炉周辺の放射線量が高く、その廃炉計画があいまいなまま、満杯のタンクから汚染水が『処理水』として海に流されようとしている」。
 「2011年9月11日に、私たちの脱原発を目指す経産省前テントの設置から丸10年が経過する。フクシマはまだ終わっていないにも拘わらず、経産省は老朽原発まで稼働させ、エネルギー基本計画でも、地球温暖化対策を口実に原発温存を図っている。いまフクシマの真実を再確認し、テント広場とともに脱原発を実現しよう」(9・11丸10年『脱原発テント広場』大集会呼びかけ)。
 「脱原発テント広場」建設から10年たった。9月11日午後3時から、東京・霞が関の経産省前で同「大集会」が開催された。参加者は250人。
 オープニングの発言は菅直人元首相。福島原発事故発生時の首相だった菅氏は「なんとしても原発ゼロを実現するために、次の選挙を原発にとどめをさすものにしていこう」と呼びかけた。「原発ゼロでも再生可能エネルギーで十分大丈夫だ。農水省は営農型太陽光発電に向け舵を切った」と訴え、「人が戻ってこなければ復興ではない。営農型太陽光発電で2兆キロワット/時間の電力をつくり出すことが必要だが、農水省こそ再生エネルギー開発にふさわしい」、「今年を勝負の年に」と語った。

原点に戻って
反原発を訴え
 次の発言者は作家の鎌田慧さん。反原発のオピニオン・リーダーの一人だ。「自民党は利益集団として原発から脱却できない。国民生活破壊の再稼働を許すな。汚染水海洋投棄もやめさせよう。国民生活破壊の原発再稼働をやめさせよう」と強調した。そして「東海原発も六ケ所原発計画も完全に破たんしている。原発が作った社会のあり方を認めることはできない」と語りかけた。
 主催者あいさつでの「10年間、毎日の座り込みを続けてきた。今の社会が続く限り『脱原発』は幻想にとどまる」とのアピールを受け、「原発いらない福島の女たち」の黒田節子さんと武藤類子さんがあいさつ。
 黒田さんは次のように訴えた。「事故から10年、廃炉が向こうからやってくると思っていたがそうはならなかった。子どもたちを疎開させ、経産省前で3日間の座り込みとデモを行った。座り込みにはのべ2317人が、デモには1300人が参加した。もう一度原点に返って行動したい。再稼働はありえない」。
 武藤さんは語る。
 「2011年から10年。事故の全容は未解明だ。避難の解除とともに県営住宅からの追い出し、支援の切り捨てが行われ、避難者の生活はさらに困難になっている。飯館村では汚染土の再利用が行われており。バイオマス発電の問題点も明らかになっている。学校での検診では小児甲状腺ガンも発見されている」。
 「3・11から10年」の福島の現実は、原発事故が決して過去のものではないことを浮き彫りにしているのだ。
 「フクシマは終わっていない」をテーマにした発言のコーナーの最初の発言者は、山崎久隆さん。山崎さんは安全管理もできないままに強行された汚染水の海洋投棄を強行した原子力規制委、経産省が「自分たちのシナリオを破っている」と厳しく批判した。
 続いて落合恵子さん(ジャーナリスト)、中嶌哲演さん(若狭原発反対運動のリーダー)、小出裕章さん、河合宏之さん、久保清隆さん(東海第二原発反対運動)、らの皆さんが次々とアピールした。
 なおこの日発言予定者だった神田香織さん(講談師)は、交通事故に巻き込まれて負傷し、出席不可能となった。     (K)

経産省前で発言する武藤類子さん〈9.11〉


 

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