10.1函館市大間原発差し止め裁判報告と講演会(10月11日発行)

 10月1日午後5時から、「函館市大間原発差し止め裁判報告と講演会」が参院議員会館で行われた。最初に海渡雄一弁護士と大河陽子弁護士が、国と電源開発株式会社に対して提訴した設置変更許可差し止め訴訟について報告した。なお7月18日には第13回大MAGROCK・大間原発反対現地集会On webも開催されている。
 今回出された準備書面では、火山活動の危険性を過小評価する国の主張について、他の原発事業者の評価をも例にとりながら「銭亀カルデラ」(函館空港の下から海岸線に沿って莫大な量の火山灰を噴出した約4万年前の爆発の跡が見られ、再爆発を否定することができない)が示す原発事故の危険性も指摘されている。
 集会では、2020年12月の関西電力大飯原発設置変更許可処分差し止め訴訟で、原告勝訴の差し止め判決が出たことをも例に挙げながら、大間原発設置許可差し止めの運動を広げていくことが呼びかけられた。その中では、「神話」の中でも火山爆発が「気まぐれな女神」に例えられるほどのテーマになっている「火山国・地震国」日本で、原発がいかに深刻な危険をもたらすものであるかという角度からの批判も提起された。

健康とくらし
を守るために
 この日の集会のメイン報告は、瀬川嘉之さん(高木学校)の「放射線、放射能の危害にどう対処するか」。瀬川さんは、「被ばく」と「発がん」のメカニズムから「内部被ばく・外部被ばく」を含めた被害の実態、「白血病リスク、被ばくと発がん、放射能・放射線危害への対処」などにわたって詳細な報告を行った。
 もちろん「放射線、放射能被害のメカニズム」については、多分に推定的要素もあり、いまだ確定的なことは言えないと、瀬川さんも認めている。
 瀬川さんの「放射能、放射線の危害にどう対処するか」という「とりあえずのまとめ」は以下のようなもの。
 「被ばくの危害は、国際機関も前提とするLNT(直線しきい値なし)モデルがあてはまりがよい。どんなに低い線量でも線量に応じて影響する人数の増加がある」。
 「被ばく線量はあくまで推定にすぎない。測定と健康調査をしっかりやって、評価をすること。自然放射線や医療被ばくでも避けられる被ばくや不要な被ばくはさせないか、より少なくするのが放射線防護」。
 「福島第一原発事故では、住民は居住福祉の伴った避難の継続に加え、健診、医療保障、調査研究を求めている。人間や環境を守るための組織が放射能による汚染者、被ばくの加害者になっている」。
 「健康とくらしを守るために、放射能を増やす原発は稼働せず、これ以上放射性の有害物質を漏らしたり流したりばらまいたりすることなく、きちんと管理する社会を築きましょう」。
(K)

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