福島原発事故刑事訴訟 控訴審11・2 東京高裁を包囲しよう(10月25日発行)
事故責任の明確化必ず!
【福島】11月2日東京高裁を包囲しよう!福島原発事故刑事訴訟控訴審の公判は東京高裁において13時半開廷される予定である。
東京電力福島第一原子力発電所の所謂「廃炉工事」は、廃炉の定義変更を余儀なくされている。それに追い打ちを掛けるように、除染フィルター損傷の原因究明を怠るなどの不祥事が相次ぎ、当事者東京電力企業体質の欠陥は耐え難い程に露呈している。
今日新聞・TV等のマスコミで喧伝されている東京電力の安全性を蔑ろにした、隠蔽体質は過去幾度も露見し、司法・行政はその都度これを追認してきたのである。
現在施工中の福島第一原発事故終息作業の確実な遂行には安全性の確保及び責任、情報の明確化が必須なのである。それは、福島第一原発事故の責任の明確化等真相の究明なしにはあり得ない。11・2東京高裁に集まろう! 東京高裁を民衆の怒りで包囲しよう!
東京地裁無罪
判決は誤りだ
福島原発事故の責任を問う刑事訴訟は、1万4千人余名による刑事告訴に対し、検察庁が下した不起訴処分を、検察審査会が2度覆し強制起訴を実現した。そして裁判所指定の弁護士が被告の責任を追及してきた。
これに対して、2019年9月東京地方裁判所は、福島原発刑事訴訟公判において、東京電力元幹部の勝股恒久・武藤一郎・武黒栄3被告に対して、全員無罪判決を行った。弁護団が要求した現場検証を却下しての暴挙であった。判決は、無罪の判断をなす中で数個の誤りを犯している。
その内の一つが、原発事業者の安全配慮義務のレベルを著しく引き下げたことである。核物質を扱う原子力発電所はいったん事故を起こした場合影響は広範囲に及び、発生した過酷な環境の渦中で夥しい数の被害者が発生し悲惨な事態も発生する。
だからスリーマイル・チェルノブイリで起きた原発事故は万が一にも起こしてはならないこととされてきた。それゆえ事業者には特別な注意義務が要求されてきた。それを「法律上の規制及び国の指針・審査基準は当時の社会通念の範囲一般的であるはず」と著しく引き下げたのである。
双葉病院避難
過程での大量
福島第一原発事故による被害は甚大かつ過酷であり、そして事故の終息は未だ途上であり被害も拡大している。政府がとった避難措置の範囲は一時、80㌔圏も想定されたが、実際は10㌔から30㌔圏内に拡大され更に県外の地域にも対象は広がった。そして避難の渦中で亡くなる事件も発生した。
双葉病院に原発事故当時入院中であった患者のうち44人が避難の渦中で亡くなった。事件の被害及び原因の真相究明には、現場検証は必須なのである。
福島原発刑事訴訟控訴審は11月2日東京高裁で開廷の予定である。「福島原発刑事訴訟支援団」は開廷に向け、東京地裁が拒否したこれを東京高裁に求めて署名運動を展開(締め切り9月2日)、連続セミナーも実施している。署名を集め連続セミナーを聴講しよう。
福島第一原発においては未だ事故は継続中であり、収束作業は、止まらない汚染水の流出等、難問が相次いで発生している。その渦中で、またもや隠蔽体質やずさんな工程管理問題が発生している。
それは汚染水浄化設備ALPSのフィルター管理問題として発生した。東京電力は9月30日、福島第一原発の汚染水浄化設備の排気フィルター全76カ所のうち、4割超の32カ所が破損していたと発表した。2年前にも同じフィルターの破損が判明していながら原因調査を怠っただけでなく報告及び、公表もしていなかった。また、放射性廃棄物の管理問題としても発生している。
廃炉工程の
破綻は明確
今年10月東京電力は「特定原子力施設評価検討会」の席上発表した文書で、敷地内「仮設集積場所」の数は148カ所としたが「一時置き場」の数は記載がなかった。
2020年1月から開始された廃棄物整理作業は当初2022年3月末までの「仮設集積場所」の解消であった。規程上放射性物質の管理場所は「所定の倉庫」である。しかし廃棄物の処理作業スピードを上回る速度でコンクリートなど夥しい量の廃棄物が発生した。
その結果、目標は「2022年末」までの「仮設集積場所の縮小」それ以外の集積場所は解消と後退した。明らかにデブリ取り出しに固執した結果「福島第一原発廃炉工程」は破綻しているのだ。福島第一原発事故真相の究明を置き去りにした、福島第一原発の「廃炉計画」は抜本的に改定し「事故終息優先」に再建されなければならない。
事故処理計画の再建は、東京電力元幹部3被告の有罪判決から始まるのである。
連続講座の今後の日程は以下の通りである。
10月20日(午後7時~8時)「孤塁」の消防士と原発から数㌔にいた人たち(吉田千亜さん)10月27日(午後7時~8時)「福島と世界」グローバルヒバクシャの草の根運動の地平(藍原寛子さん)10月31日(午後7時~8時)「東電株主」代表訴訟・福島第一原発現地進行協議の報告」河合弘之弁護士・海渡雄一弁護士・甫森一樹弁護士」
11月2日東京高裁に集まろう! 民衆の怒りで東京高裁を包囲しよう!
(浜西)
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