11.3憲法大行動に2000人 東京

今こそ共闘の前進を
踏まれる度に強くなる麦のように
憲法を生かす運動作り出そう

平和といのち
と人権掲げて
 「平和といのちと人権を! 11・3憲法大行動 憲法発布75年とともに新しい時代を切り開こう」を合い言葉に、11月3日午後2時から国会正門前での憲法大行動が呼び掛けられ、国会正門前には、総選挙を戦い終えたばかりの野党共闘の代表と市民が駆けつけ力のこもった集会を実現、オンライン参加を含め2000人(リアル参加1200人、いずれも主宰者発表)が、今回実現した共闘の力をさらに強め、憲法を活かす運動に力を合わせようと決意を新たにした。主催は、「戦争させない・9条壊すな総がかり行動実行委員会」と「9条改憲NO!全国市民アクション」。

共闘の質検証し
合流拡大さらに
 集会は予定時刻を期して講談師の神田香織さんの司会で開会。神田さんは9月に交通事故で負傷したのだが、その負傷も感じさせない元気な姿を見せ、今回の選挙結果で共闘をとやかく言う者たちがいるが、講談も1回ではうまくいかない、何回もの公演を通じて質が高まるもの、共闘の可能性は示された、粘り強く運動を進めよう、と力強く呼びかけた。
 発言の最初は、主催者を代表して、「戦争させない・9条を壊すな総がかり行動実行委員会」共同代表の高田健さん。高田さんはまず、今回の総選挙では市民と野党間で政策協定が結ばれるまで共闘が進み、小選挙区の62で共闘候補者が勝利したことを成果として確認しようと呼び掛けた。同時に現実には改憲勢力が3分の2を優に超える力をもったことで大変な時期を迎えることを指摘、それだけに政治を変える闘いの一層の強化が必要だと力を込めた。そしてそのためにも今回の共闘の質の不十分な点の検証を進め、先の政策協定を足場に岸田政権と全力対決し、市民運動の基盤強化を通じて共闘の前進を図り参院選での政治転換に繋げよう、と訴えた。
 次いで今回共闘した各野党からの訴え。立憲民主党からは当選を果たしたばかりの近藤昭一衆院議員、日本共産党からは副委員長の田村智子参院議員、社民党からは党首の福島みずほ参院議員が発言した。いずれからも、共闘には確かな成果と手応えがあったと確認があり、自信をもって共闘をさらに強め、憲法をないがしろにする与党と維新の暴走を許さず何としても次の参院選で憲法を生かす新しい政治を実現しよう、と決意を込めた呼びかけが行われた。

若者と女性を
軸に市民の力
 さらに各分野から、憲法学者の志田陽子さん、ジャーナリストの松本千枝さん、社会学者の本田由紀さん、市民連合の広渡清吾さんと発言が続いた。松本さんと広渡さんはオンラインでの発言。
 志田さんは、憲法は文化国家を謳いあげているが、文化の力は開かれた課題として民主主義の力と一体であり、国会も開かれず憲法の手続きもスルーされるような、民主主義が空洞化されている現状では文化の力もまだまだの水準と指摘、民主主義の回復に向けて粘り強く力を合わせ片付けていこう、と訴えた。
 松本さんは、特に直前に公表された女性の自殺の増加を取り上げ、松本さんたちが行った「女性による女性のための相談」から、女性の孤立の深まりが深刻と指摘し、現実は安倍が打ち出した「女性が輝ける政策」とは真逆であるとこの間の政治を厳しく指弾、政治転換の必要を強調した。合わせて、年末年始にも先の相談会を予定していると明らかにし協力を呼び掛けた。
 本田さんは、安倍・菅政権のコロナ対策がことごとく間違っていたと鋭く批判し、そのツケが一般の人々に回されている現状への正面からの回答が必要だと力説した。そしてその観点から、共闘の共通政策には、若者、女性を引きつけるキラキラしたもの、希望につながる強さ、活力、新しさ、の表現をどうしても付け加えてもらいたいと強調し、その上で日本には強い左翼政党が必要だと締めくくった。
 広渡さんは、改憲派3分の2を前に市民の力を大きくして共闘を支え活動の前進を図ろうと呼び掛けた上で、特に投票率の低さに注意を喚起し、投票エネルギーを引き込めていない問題を真剣に考え、市民の要求に誠実に応える必要を強調しつつ、市民連合は岸田政権とも闘うと決意を述べた。

共闘の質検証
し合流拡大を
 これらの発言を集約するものとして、憲法共同センターの岸本啓介さんが行動提起に立ち、悪意ある共闘バッシングを撃ち返し強い共闘を作り上げようと訴え、11月10日(予定)の国会開会日行動、11月12日のウィメンズアクション、11月18日の緊急署名行動、11月19日の総掛かり行動という当面の行動を呼び掛けた。
 そして最後に神田さんが、神田さんの出し物である「はだしのゲン」から、「踏まれる度に強くなる麦のように生きろ」とのゲンの父親の言葉を紹介し、私たちも麦のような闘いを作り上げようとの力強い呼びかけで集会を締めくくった。
         (神谷)   

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