11.19総がかり行動国会前集会

楽観できぬ総選挙結果
「草の根」からの闘いを掘り起こそう

 11月19日午後6時半から、憲法9条改悪に反対する月例の19日行動が、「総がかり行動実行委員会」が主催して衆院第2議員会館前を中心に行われた。岸田内閣の下で行われた総選挙後初の「19日集会」となる。集会には1000人の労働者・市民・学生が参加した。
 総選挙では「野党と市民の共闘」が一定の成功を勝ち取ったと言えるが、自民補完勢力としての「維新」が躍進するなど、改憲派が3分の2を超えたということも厳然たる事実だ。憲法共同センターの宮沢さんの司会で行われた集会では、総がかり行動実行委の竹内広人さんが、総選挙の結果について次のように分析した。「217の選挙区で野党共闘が成立したが、きわめて不十分な結果となった。改憲勢力は334議席で衆院の3分の2を上回っている。小選挙区での勝利なしには改憲を止めることはできない」。
 「野党として初めての小選挙区での共同候補の体験だったが、自己満足に陥ってはならない。自民党が、維新、国民民主などに改憲論議を促す動きが高まっている。こんな時だからこそ世論の力で改憲を阻止するために、国民投票を想定しながら今回の選挙で投票しなかった5割の人にどう訴えるかを考えぬこう」と呼びかけた。

 つづいて野党議員からの発言。社民党の福島みずほ党首・参院議員は「『維新』の大躍進に見られるように改憲勢力は議席の3分の2を上回っている。9条がターゲットとなっており『緊急事態宣言』で権利をストップするという政治のあり方が前面に出ている」、と警鐘を鳴らした。福島さんは、沖縄・南西諸島の戦場化の危険性についても注意を喚起した。
 共産党の笠井亮衆院議員は「59の小選挙区で野党共同候補が実現し、相互支援で本当の共闘が実現すれば勝つことができる。この道しかない」とアピールした。立憲民主党の石垣のりこ参院議員は、「野党と市民の共闘を崩すことが自民党のねらいだ。自民党のねらいは『自主憲法』の制定であり、自公政権に憲法を論ずる資格はない」と批判した。
 つづいて「オール沖縄会議」の福元さんが発言に立った。福元さんは基地建設のためにサンゴを移植して海を埋め立てる政府のプランを厳しく批判するとともに「台湾有事」を想定した動きの危険性に注意を喚起した。
 総選挙後の国会をめぐる動きは、大きく議席を伸ばした「維新」の動き、自公与党連合との関係など、多くの未確定要素を抱えているが、改憲阻止を明確にした野党の側の全体としての後退の中で、あらためて9条改憲阻止の「草の根」からの闘いをどう作り出すかが問われることになる。
 そうした局面だからこそ、労働者・市民の地域からの反改憲の声を多様に積み上げていく様々な行動が求められる。職場から、地域から、学園から、「憲法を壊すな!私たちの生活と権利を守り、世界の人びとと共に平和をつくり出すうねりを」のアピールを!           (K)

「維新」の躍進─改憲阻止へ今こそ正念場だ(11.19)

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