11.26武蔵野五輪弾圧第1回公判

でっち上げ許すな 即時保釈を
オリパラそのものに反対だ

 11月26日、東京地裁立川支部101号法廷で武蔵野五輪弾圧第1回公判が行われた。
 7月16日、国家権力は、武蔵野競技場で行われた無観客の五輪「聖火」セレモニーに抗議して爆竹を鳴らした黒岩大助さんを、セレモニーの整理誘導にあたっていたイベント業者への業務妨害だとして「威力業務妨害罪」で現行犯逮捕・起訴した。この武蔵野五輪弾圧に対して7・16武蔵野「聖火」セレモニー抗議弾圧救援会は、第1回公判に対して仲間たちに黒岩さんへの激励、早期保釈、無罪判決をかちとるために傍聴闘争への参加を呼びかけ、80人以上の仲間が参加した。
 午後3時30分の開廷前、地裁前で救援会による前段集会が行われた。
 司会の井上森さん(救援会)は、「今日は、冒頭に黒岩さんの意見陳述がある。不当に獄中に拘束され、134日目だ。傍聴席から黒岩さんを励まして、来週には絶対保釈をかちとるという強い気持ちで臨んでいきたい」とアピールした。
 参加者全体で立川支部に向けて「五輪弾圧を許さないぞ!オリンピックを廃止しろ!私たちは萎縮しないぞ!威力業務妨害罪の乱用を許さないぞ!業務妨害はでっち上げだ!一刻も早く黒岩さんを保釈しろ!無罪判決をかちとるぞ!黒岩さん頑張れ!武蔵野五輪裁判に勝利するぞ!」とシュプレヒコールをたたきつけた。続いて、おっちんず、バクチクレディースによる反弾圧パフォーマンスが行われた。
 公判が開廷され、検察は、公訴事実として「被告人は、武蔵野陸上競技場で開催されていた東京2020オリンピック・パラリンピック聖火リレーセレブレーションDAY8の開催を妨害しようと考え、令和3年7月16日午後5時13分頃、同イベント参加者等の入退場、受付け等が行われていた前記競技場に隣接する武蔵野総合体育館の西側歩道上において、ライターで点火した爆竹を同体育館敷地内に投げ入れ爆発させた上、同所に設置されたバリケードを乗り越えて同敷地内に侵入しようとし、その頃、同イベント参加者等ーの誘導、案内等の業務に従事していた社員らに同業務の中断を余儀なくさせ、もって威力を用いて同人らの業務を妨害したものである」と読み上げた。当日の防犯カメラ映像写真、家宅捜索押収物、実況見分などを提出した。
 弁護側は、主な争点として以下のように反論した。
 ①コロナ禍、東京五輪中止の世論があるにもかかわらず開催強行に対する抗議の意志表明である。憲法21条で認められている表現の自由だ。象徴的表現(特定の意図伝達を目的とした行為)であり、正当な行為だ。 ②爆竹は、ディスカウントショップの玩具売り場で売られているものであり、玩具の一つである。被告は、公共空間の路上において爆竹を破裂させただけであり、人的物的傷害を与えていない。体育館敷地内に爆竹を投げ入れていない。参加者の誘導、案内等の業務を妨害していない。

反対意思表示
が犯罪なのか
 黒岩さんの冒頭陳述が行われ、福島第一原子力発電所の事故、政府の棄民化政策、嘘に満ちた復興五輪、五輪翼賛報道を繰り返したマスコミなどを厳しく批判した。
 そのうえで「私は7月16日に『威力業務妨害罪』として逮捕、7月30日に起訴されました。私はささやかな反対の意志を表しましたが、その業務を妨害したつもりはありません。
 その前におかしいのは、逮捕後の勾留状記載の被疑事実には、『第32回オリンピック競技大会に伴い、公益財団法人東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会事務総長武藤敏郎が主催し』『東京都オリンピック委員会から』『業務を委託されていた』とあったのに、その部分が起訴状の公訴事実ではすっぽりと抜け落ちていることです。勾留状から起訴状へのこの変更は、社員だけを『被害者』とし、このイベントの主催者であり委託者であるオリ・パラ組織委員会の存在を意図的に隠すためのものとしか思えません。
 この『聖火リレーセレブレーション』は業務なのか?『オリンピック・パラリンピック』は業務なのか?業務であるとしたらいかなる業務なのか?この法廷できっちりと暴きだします。
 私、そして私たちは、そもそもオリ・パラそのものに反対です。なぜ反対するのか?①国家・政府の国威高揚、②「オリンピックファミリー」「五輪貴族」による特権化、肥大化、③大資本、大企業の飽くなき利益の独占、④長年住み続けている人たちや野宿している人たちなどに対する強制排除、⑤貧困層やオリ・パラに反対する人たちに対する暴力や虐殺、⑥戦争や侵略への利用、⑦テロ対策、治安対策と称しますます強化される警察・軍隊の武器と監視・管理システム、⑧自然や環境の破壊、⑨優性思想に基づく分断、⑩第1回大会から現在にいたるジェンダー差別、⑪大会のたびに肥大化する準備・開催費の負担などが理由です。その詳細については今後の意見陳述や証言などで明らかにしていきたい」と力強く陳述書を読み上げた。
 黒岩さんの意見陳述終了後、傍聴席から拍手が湧きあがり、「頑張れ」などの激励を不当な裁判所の規制を許さず行った。
 裁判終了後、支部前で総括集会が行われ、第2回公判(2022年1月14日〈金〉午後3時開廷/立川支部前13:30集合、傍聴券抽選)への結集と裁判勝利に向けて共に闘っていくことを確認した。   (Y)
 ■公判支援カンパ振込先→郵便振替00150─8─66752(口座名:三多摩労働者法律センター)※「7・16弾圧救援カンパ」と通信欄に必ず明記ください。
 【武蔵野五輪弾圧救援会】
〒185─0021東京都国分寺市南町2─6─7丸山会館2F5号 三多摩労法センター気付

五輪弾圧許さない、第1回公判前に集会(11.26)

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