12.6辺野古実が防衛省申し入れ行動
知事の埋め立て不承認を支持
辺野古新基地建設を断念せよ
政府は行政不服審査法を悪用した対抗措置をとるな
12月6日午後6時半から、辺野古への基地建設を許さない実行委員会が「知事の埋め立て不承認を支持し、辺野古基地建設断念を求めて」防衛省に申し入れ行動を行った。
最初に辺野古実が「11月25日、玉城知事が埋め立て申請に対して不承認を表明した。金曜日の官邸前集会には500人が集まった。沖縄では県庁前集会が開かれた。12月4日、沖縄キャンプシュワブ前に800人が集まり、玉城知事も参加し『辺野古基地建設を断念させ、普天間基地を返還させる』とアピールした。政府・防衛省は辺野古の工事を続けるし、新たにN2護岸を使って土砂を陸揚げし、工事を加速させている」と政府の姿勢を批判した。
山城博治さん
電話アピール
沖縄から山城博治さんが電話でアピールした。
「知事の埋め立て不承認の表明を受けて、われわれが推進してきたことであり、身の引き締まる思いだ。責任はわれわれの方にある。基地建設を断念に追い込む闘いをいっそう強化する。大浦湾の90mの深海に杭を打ち込むことができないと明らかにした北上田さん、遺骨混じりの土砂の投入を批判する運動を作り上げた具志堅さんの働きがあったればこそである。政府は対抗措置の行政命令や裁判に持ち込むだろう。しかし、大浦湾の埋め立てによって、震度1~2で護岸が崩れてしまうという。どのように考えても基地建設の完成は無理だ」。
「来年の1月には名護市長選があり、秋には県知事選がある。前首相の菅が辺野古にやってきて、振興策が問題で、基地建設は選挙の争点ではないと言って回った。しかし、そんなウソに騙されない。名護市で知事も参加し800人で決起集会を実現した。12月14日には、辺野古ブルーの海と陸で大行動を起こすことになっている。いよいよ決戦の時だ。全国から辺野古のゲート前に集まってください。戦争国家を止める最大の攻防だ。辺野古が完成すれば南西諸島の基地と連動していく。政府の暴挙を許さない闘いを」。
沖縄とつながる
運動広げよう
参加した団体からの発言が続いた。ストップ辺野古キャンペーンは「知事の埋め立て不承認を支持するネット署名をやっている。現在1万4790人。何としても5万人を集め、知事に届けたい」と報告した。平和をつくりだす宗教者ネットは「南部の土砂採取問題で、熊野鉱山の公害等調整委員会が国で開かれる。院内集会を開く」と発言した。
横田基地公害をなくす会の棣棠さんは、青梅線沿線で知事支持の宣伝を行ったこと、横田基地ゲート前でのスタンディング、オスプレイが山形、仙台、館山と動き回っていると指摘した。そして郵政シニアユニオン20人が12月12日から、辺野古などでの連帯行動に参加すると報告した。
埋めるな連が来年1月29日午後1時に新宿東口アルタ前に集まり、新宿一周デモを呼びかけた。辺野古実は来年1月4日の防衛省月例申し入れ行動、1月23日名護市長選の前に、辺野古の座り込みが手薄になるので、ぜひ辺野古に行こうと呼びかけた。最後に、沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックは、12月11日、「復帰」前後の在日沖縄青年運動についての講演会、1月8日11時から、新宿駅南口での辺野古ブルー宣伝行動への参加を呼びかけた。
今回の防衛省申し入れは、戦争に協力しない!させない!練馬アクションと沖縄・一坪反戦地主会関東ブロックが行った。練馬の申し入れは軍拡に進む日本政府の動きを具体的に明らかにしたもので、本紙が十分取り上げてこなかったことであり、資料として一部を別掲載し紹介する。関東ブロックの「水筒落下・民間港使用など軍事優先に抗議する」申し入れは沖縄以外では詳しく伝えられていないので、全文資料として掲載する。 (M)
水筒落下・民間港使用など軍事優先に抗議する
内閣総理大臣 岸田文雄様
防衛大臣 岸信夫様
外務大臣 林芳正様
沖縄防衛局長 小野功雄様
沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
11月23日午後6時45分頃、米海兵隊のMV22オスプレイが、普天間基地を離陸後に住宅地の真ん中の民間敷地内に長さ30センチ幅が15センチのステンレス製の水筒を落下させた。しかも、乗組員が落下する水筒を確認していたにも関わらず宜野湾市から防衛局に通報し、防衛局の問い合わせがあって初めて、翌24日の10時ごろ、事故発生から14時間後に米軍は落下事故を認めたのである。しかも落下事故を起こしながら、翌日も着陸の飛行訓練を続行した。ピーフォスの問題も含め、県民の命を軽視する米軍の対応には、怒りを禁じえない!ふざけるな!と。
その上、松野官房長官は「米軍に抗議するかどうかは、調査結果に基づいて適正に対応する」と発言した。水の入った水筒の落下は、住宅地の真ん中だ。しかもそれを知りながら、米軍は訓練を続行し、問い合わせて初めて、落下事故を認めたのに「抗議するかどうか……」などいう官房長官の姿勢は許しがたい。落下事故は今回が初めてではない!緑が丘保育園や普天間第2小学校など落下事故は、幾度となく起きており、何度も申し入れている再発防止は形骸化しているのだ。日本政府の米軍優先、住民の命と暮らしの軽視は、許されない!
11月18日の普天間基地での危険な吊り下げ訓練も容認した。そして、「一日も早い普天間基地の危険性除去は辺野古唯一」と述べ、辺野古の米軍基地建設を強行しているが、国の予定でも完成は12年後。「一日も早い危険性除去」はすでに破たんしているのを承知しながら、危険な昼夜の軍事訓練を許している。沖縄県民を侮辱しているとしか思えない。
「台湾有事」を想定した、離島奪還作戦や統合軍事訓練で、民間港を利用した輸送訓練やオスプレイや大型ヘリが那覇軍港に着陸するなど目的外使用も「問題ない」と認めた。自衛隊も祖納港と石垣港間の海上自衛隊艦艇による車両などの輸送、中城港にも車両や対空ミサイル発射機、装甲車など陸揚げし、ミサイル部隊による敵艦攻撃訓練、電子戦訓練など沖縄を戦場とみなす日米合同の軍事訓練が激化し、住民の命を危険に晒している。辺士名漁港や安田漁港も民間港は暮らしを支える大事なインフラだ。民間地を軍事訓練に使用することに満腔の怒りで抗議し、以下、要求する。
1 地位協定を改定し、米軍機「特別航空法」の適用を外し、国内法を適用せよ
2 住民の暮らしの安心、安全のため民間港・民間地では日米の軍事訓練をするな
3 普天間基地での吊り下げ訓練をやめさせよ
4 落下事故の原因を究明し、徹底した再発防止を図れ
5 それまでは、オスプレイの飛行を中止させよ
6 沖縄を戦場とみなす軍事訓練をやめ、隣国とは平和外交を図れ
辺野古米軍新基地建設を断念すること等を求める申し入れ
岸田文雄 内閣総理大臣 殿
岸信夫 防衛大臣 殿
…(略)…
一方、玉城沖縄県知事は、11月25日、埋め立て予定海域で見つかった軟弱地盤の改良工事に伴って防衛省が申請していた設計変更申請の不承認を表明した。その際の記者会見で、玉城知事は、「完成の見通しのない無意味な工事を継続することは許されない」と述べ、ジュゴンへの影響を回避する措置が検討されていないことや、沖縄戦の遺骨交じりの土砂を埋め立てに使用することなどを厳しく批判した。
岸田主張は、この沖縄県の声を「聞く」べきである。しかるに26日、岸田政権は、変更承認申請の対象外での埋め立て工事を継続する費用801億円を計上した補正予算を閣議決定した。さらに、年内にも行政不服審査法を悪用した対抗措置を講ずる、と報じられている。
岸田首相は、南西諸島(琉球弧)の自衛隊も増強している。11月14日、宮古島保良基地にミサイル・弾薬を強行配備した。2021年度中には、朝霞駐屯地への電子戦部隊とその司令部設置と共に、与那国島にも同部隊を配備する。防衛省の2022年度概算要求には、石垣島のミサイル部隊整備、沖縄本島へのミサイル部隊配備、奄美・沖縄本島・宮古・石垣のミサイル部隊を統括する「連隊本部」設置などの予算も計上されている。
9月から11月には、南西諸島を主戦場とする「対中限定戦争」を想定した陸上自衛隊総体約10万人を動かした大規模大演習(陸連)も行われた。その一部には、周辺住民に銃を向けることになる警護訓練も組み込まれていた。米軍基地や自衛隊施設周辺住民の個人情報の収集や土地利用・土地売買の規制をもたらす重要土地規制法に基づく注視区域あるいは特別注視区域の指定も迫りつつある。こうした日本政府、防衛省・自衛隊の動きは、住民の命を顧みることなく戦場にし、住民をも「スパイ視」して殺傷した皇軍の轍を踏むものだ。
「陸演」に前後あるいは平行して、三自衛隊統合演習、日米共同演習、さらにはクワッド、オーカス、NATO諸国軍との共同演習・共同訓練も行われた。岸田政権は、「台湾」(中華民国)のTPP加盟を歓迎し、「経済安保」の名の下、「中国のサプライチェーンからの台湾切り離し」も進めようとしている。さらに岸田政権は、「防衛力増強加速会議」を立ち上げ、国家安全保障戦略に「敵基地攻撃力保有」を盛り込み、防衛大綱、中期防を見直し、自民党総選挙公約=防衛費GDP2%の実現を目論んでいる。「中国の脅威」に対する「抑止」と言うが、中国にとっては日米の軍事力増強が「脅威」である。欧米帝国主義諸国による清朝に対する圧迫と植民地化の動きの中で、明治国家は琉球処分を足掛かりに台湾植民地支配を進めた。その歴史の二の舞を演じてはならない。岸田政権がなすべきは、「脅威―抑止―軍拡」の悪循環を断つことだ。
以上から、以下を要請する。
一、辺野古米軍新基地建設を断念すること。
一、アメリカの「思いやり予算」増額要求に応じないこと。
一、南西諸島の自衛隊増強をやめ、既に配備したミサイル・弾薬および基地を撤去すること。
一、敵地攻撃力保有や経済安保を盛り込む国家安全保障戦略策定をやめ、軍拡ありきの予算編成を見直し、東アジアの緊張緩和に努めること。
一、与那国駐屯地や朝霞駐屯地に電子戦部隊を配備しないこと。
2021年12月6日
戦争に協力しない!させない!練馬アクション
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社