12.19衆院選後のあいち総がかり行動

環境 政治の私物化 労働運動 軍拡 子どもの人権

自民・公明・維新と闘う民衆が参加

 【愛知】12月19日、名古屋市の繁華街、栄の久屋大通公園光の広場で「未来を奪うな・戦わないために闘おう12・19集会とデモ」があいち総がかり行動の主催で行われ、約200人の労働者、学生、市民が参加した。8月末、衆院選後の最初の総がかり行動となったこの集会には自民公明と維新が勝利する事態に対抗する新たな闘いの狼煙を上げる集会となった。
 最初に共同代表の塚田聡子さんが開会あいさつを行い、同じく共同代表の中谷雄二さんが基調報告を行った。
 中谷さんはまず自公の地球温暖化対策について厳しく批判し、脱石炭を口実にして原発の必要性を正当化することは許されないと述べた。次にコロナ対策については特に維新が保健所をつぶし病院を統廃合して必要な医療が受けられない状態にしてしまったことを批判し、来年(2022年夏)の参院選にむけて私たちが本気で闘わなければ極めて危険な状況に陥ると語気を強め、「私たちに残された力を生かして、一人一人の市民に課題を語り、どうやって対処すればいいのかを議論する。今日の集会をその第一歩にしたい」と危機感をもって訴えた。

経済と環境問題を考える

 続いて様ざまな分野で運動に取り組む活動者が発言した。最初に環境問題に取り組む村田美穂さん(ハッピーにエコる活動家)が発言した。村田さんは現在、大学を休学して「ハッピーにエコる環境講座」という講演会を全国でおこなっている若い活動者である。村田さんは自身の活動の中で消費社会の在り方や「商品の価値」「働き方」「生き方に」について考え、その中から「モノの裏側にある物語」について考えて買い物をする人が増えていると述べた。そして大量消費や大量生産で経済を回しながらでは地球温暖化には対処できないと述べた。

 許すな!政治の私物化

 次に自由法曹団愛知支部事務局長の加藤さんが発言した。加藤さんは「森友学園」「加計学園」「桜を見る会」「検察庁長官問題」「河合買収事件」などをおこした安倍政権を批判し、いまだに明らかにされていない現実に危機感をもって私物化された政治を批判した。
 そして日本の政治に多数あるブラックボックスを明らかにするために私たちがこのような政治を許さない声を上げていくことが大事だと述べた。

 医療崩壊と労働運動

 次に愛労連事務局長の竹内創さんが発言した。竹内さんはコロナ感染拡大の中で医療労働者が減給や過重労働にさらされている現実を批判し、医療崩壊によって病院に入院できずに817人もの人々が死亡したことを怒りを込めて訴えた。その一方で労働組合が団結して跳ね返すことに成功しなかったことを反省的にとらえ、来年の春闘を共に闘おうと訴えた。

 軍拡競争を許さない

 続いて「不戦へのネットワーク」の山本みはぎさんが発言した。
 山本さんは第2次安倍政権発足以来、増加し続ける防衛費について厳しく批判し、兵器の爆買い、軍拡競争、敵基地攻撃のためのミサイルの輸入と同時に行われる独自のミサイル開発が愛知の三菱重工や川崎重工が協力して行われ、2031年度に量産を開始するとし、その費用が5兆円にものぼると批判した。
 さらに「台湾有事」を口実にして次々と作られる琉球弧への自衛隊基地とミサイル配備、弾薬庫建設を批判した。そして自治体への申し入れ行動や小牧空港が軍事利用されないように声を上げていこう、軍拡を止めるために足元から声を上げていこうと述べた。

 子どもの権利を守ろう

 最後に「子どもに未来を」と題して弁護士の山内益恵さんが発言した。山内さんは「今、日本の中でこどもの置かれた状況を、みなさんはどのようにみていらっしゃいますか?」と問いかけ、子どもへの虐待、自殺、貧困が増加し、特に虐待によって毎年50人前後の子どもの命が奪われていることを報告した。
 さらに山内さんは「政府が何もしていないわけではありません。しかし改善はされない。なぜか? それはわが国では子どもを1人の尊厳ある権利主体として尊重することが社会の共通認識になっていないからです」と述べ「子どもの権利条約」の内容を実現するために「子どもの権利基本法」の制定をもとめる提言を行ったと報告した。
 最後に「この国に必要なのは迎撃ミサイルなどの兵器ではありません。子ども一人一人を大切にする政治と社会を目指しましょう」と述べた。

 闘う民衆の総結集を

 すぺての発言が終了し、参加者は栄の街頭にむかってデモ行進に出発した。デモは「軍事費よりもコロナ対策」「病院つぶすな命を守れ」「憲法守れぬ政治家要らない」など元気なコールをあげて行進した。またコールの中には「憲法活かしてジェンダー平等」というのもあった。
 あいち総がかり行動は自民党、公明党、維新の会と闘う潮流であると同時に新自由主義によって生み出された様々な弊害と闘う民衆の結集軸になりつつある。様々な分野で運動にとりくみ闘う労働者民衆のうねりをさらに拡大するために全力を挙げよう。 (越中)

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