12.26「竹島の日」を考え直す集いin東京
「日本固有の領土」という嘘
「歴史的事実」に学ぶべき
2021年も押し詰まった12月26日の日曜日。午後3時から東京・連合会館で「『竹島の日』を考え直す集いin東京」が行われ、40人の市民・労働者が参加した。主催は「『竹島の日』を考え直す会」事務局。この間、毎年同日に「竹島」を日本固有の領土とする日本政府のキャンペーンに反対する集会が行われてきた。
今年の集会の副題は「日・米・韓と竹島(独島)問題~三カ国外務次官共同記者会見中止について 安倍前総理の竹島(独島)見解に対する徹底批判~」。日本政府の「竹島は日本固有の領土」という歴史認識のゆがみと排外主義を批判する集会だ。チラシの案内文には「日韓米三カ国の外務次官協議で、対中国政策や北朝鮮情勢、新型コロナウィルスへの対応などで三カ国が連携する重要性を確認したが、急遽共同記者会見がなぜ中止されたのか? その理由は何なのか?」と書かれている。
私たちは、日本政府が日本海に位置する「竹島」(韓国名:独島)を「日本固有の領土」と主張することに一貫して反対してきた。独島が「日本の領土」に編入されたのは日清戦争から日露戦争を経て日韓併合にいたる日本の朝鮮植民地化と一体のものであることを主張してきた。歴史的に見て、「竹島」(独島)が日本の「領土」であったことは、朝鮮半島を植民地にした時代を除いて一度もなかったのである。日本の労働者・市民は、「竹島を還せ」などというスローガンときっぱり決別する必要がある。
集会のメインの講演者は「『竹島の日』」を考え直す会」の趙吉夫(チョ・ギルプ)さん。趙さんは「日・韓・米と竹島(独島)問題~3カ国外務次官共同記者会見中止について。安倍前総理の竹島(独島)見解に対する徹底批判」と題して報告した。
趙さんの報告は「1 日韓米3カ国外務次官会議終了後、共同記者会見が見送られた背景。有力紙には日本側は世論に配慮か、とある。日本の世論とは」、「2 安倍前総理が『遅くとも17世紀中ごろには歴史的にも法的にも日本固有の領土であった』と再々にわたり公言した根拠は何か」、「3 いわゆるこの安倍発言は日本国の公式発言か」、など7項目にわたっている。その中には、駿台予備校の「日本史近代1」テキストで「日露戦争中に日本は独島を領土に編入して既成事実化して竹島と命名した」と書かれていることに自民党の山田宏参院議員が問い合わせを行い、同テキストが書き換えられたことも含まれている。
歴史教科書におけるこうした事実の改編・ねつ造は、歴代自民党政権、とりわけ安倍政権の下での改憲への動きと一体化したものであり、近代史における「領土問題」で顕著になっている。
いつわりに満ちた「固有の領土」論の浸透(尖閣、竹島、「北方領土」)を軽視することなく、歴史的事実に学ぶことの意味を再確認しよう。 (K)
【訂正】「かけはし」1月1日号、7面「過酷事故から11年」文章の5段目右から最初の行「補填は保障」を「補填は補償」に、6段目中見出し右から6行目「保障」を「補償」に訂正します。1月17日号、1面「沖縄報告」の写真説明(21・12・27東京)を(21・12・27那覇市)に、4面「全国部落調査」復刻版事件東京地裁判決の文章は「21年12月20日」に書かれたもので「来年は全国水平社創立から100年」とある「来年」は2022年のことです。水平社創立は1922年。8面、出典の「チャンセン」を「チャンセサン」に訂正します。
【お知らせ】ダニエル・タヌロの資本主義に奉仕する「温暖化対策」と沖縄報告の県内市町村の中国での戦争体験記を読む(61)(62)を今回休載とします。
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