1.21リニア中央新幹線工事やめろ

命の水と南アルプスの自然環境破壊を許すな

 【静岡】1月21日、リニア中央新幹線南アルプストンネル工事の県内区間(10・7㎞)の工事差止めを求めた訴訟の第5回口頭弁論が静岡地裁(増田吉則裁判長)であった。原告・支援者・弁護人など40人余が参加した。

茶農民が切実
な意見陳述
 口頭弁論の際には静岡市中心街の呉服町通りでの街頭宣伝、裁判所前での小集会、裁判と併行して弁護士会館での小集会、裁判終了後の報告集会が毎回のようにもたれる。
 口頭弁論では弁護人から原告の準備書面(4)を陳述 ①大井川の水を生活用水として利用していることを図表、各地の詳細説明を交えて行った。②被告(JR東海)の主張が失当であること(権利侵害の恐れがあることについて立証が不十分、したがって求釈明にも応じないなどという主張)
 原告の意見陳述は牧之原市の茶農家で無肥料無農薬の釜炒り緑茶、烏龍茶、紅茶を製造販売している柴本俊史さん。柴本さんは「南アルプスを守ることが日本の農林水産業の未来のため、将来世代のための持続可能な社会実現のためにも大切だという視点からも(裁判所に)ご判断いただきたいと訴えた。

工事着工後で
は手遅れだ!
 JR東海は「権利侵害の蓋然性(ある事が実際に起こるか否かの確実性の度合)が主張されていない」と述べた(毎秒2トンの水が減ると主張したのはJR東海)。裁判長は、原告に対し蓋然性を明確にする主張の補充を求めた。
 JR東海は新たな準備書面で原告が主張する環境権や自然享有権は工事差し止め請求の根拠にならないとし「私法上の個人の具体的権利や法律上保護された利益とは言えない」と主張した。
 工事が着工され自然環境が破壊されてから訴えを起こしてもすでにに取り返しがつかないこと、あるいは環境省・県・ボランティア団体による環境保全活動が水泡に帰す事態はどう救済・回復されるのだろうかそれこそ明確にされなければならない。
 弁論終了後の集約集会ではマスコミから「勝つ見込み」を聞かれたことに対して伊藤弁護団共同代表が「これは政策形成訴訟と言われる訴訟で地域の住民に寄り添ってその声が届くようにするもの」と答え、塩澤弁護士は「これはやらざるを得ない訴訟でやることに意義がある」と述べた。          (S)
 次回口頭弁論は6月3日(金)14:30

取り返しのつかないことはやらせない、裁判の意義を確認(1.21)

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社