1.23山城博治さんが講演
島々を戦場にするな県民の会結成へ!
【大阪】国の横暴に負けない・辺野古新基地建設反対!琉球弧への自衛隊配備を許さない!をスローガンにSTOP!辺野古大阪アクションが1月23日、大阪PLP会館で講演会を開いた。
集会は岡部さんの司会で進行し、山城博治さんが沖縄からリモートで講演した。はじめに司会から、山城さんの紹介があった。
長年にわたり沖縄平和運動センター議長を務めてきた山城さんは昨年議長を退任し、今はオール沖縄会議の辺野古現地闘争本部長の役を担っている。司会から、2点について話してほしいとの要請を受けて、山城さんは講演に入った。その2点とは、①現地辺野古の現状 ②琉球弧の自衛隊配備について、である。(発言要旨別掲)
5団体からの
連帯アピール
5団体から報告があった。
①ジュゴンキャンペーンセンター(防衛局の環境等監視委員会のメンバーが辺野古のジュゴンは絶滅したという論文を書いたが、それは事実というよりジュゴンに対する配慮はもう不要という防衛局の考えを反映したもの。罷免を要求している)。
②辺野古派遣サポート大阪基金(カヌーのリーダーに対する海上保安庁の暴力に抗議し、訴訟を起こしたリーダーの千葉和夫さんの裁判を支援している)。
③南西諸島への自衛隊配備に反対する大阪の会(ニュースを発行し、現地も訪問している。週1回JR環状線等の駅前で情宣し、地元発行のパンフレットを販売している)。
④京丹後Xバンドレーダー基地反対京都連絡会(コロナでこの2年間現地には行けていないが、米軍宿舎が完成した。しかし米軍は入居していない。基地の中に高さ3mの防護壁ができ、隣の自衛隊基地も拡張された)。
⑤辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動(毎土曜日JR大阪前でビラまき・署名活動をしている。昨日で905回目。「権力の花咲く日本の丘」というみかんの花咲く丘の替え歌を披露)。
最後に、事務局から行動提起があった。集会後、氷雨降る中を梅田の中心までデモ行進を敢行した。 (T・T)
山城博治さんのアピール
「キャンプハンセンこそオミクロン株の発生源」
辺野古の工事
止まったまま
新型コロナウイルス感染のため闘いを休止していたが、昨年12月に再開し、デニー知事への激励をかねて集会を開き、800人が集まった。しかし、オミクロン株感染の拡大で今年に入ってから2、3日で行動は再び中止になった。
昨年11月25日、デニー知事がようやく国の埋め立て設計変更申請を不承認してくれた。この度の不承認後の状況は従来とは違う。国は不承認を完全に無視をし翌日から埋め立て作業を再開していた。しかし、今度は、審査請求を待って県に是正指示を出すまでできない。
キャンプシュワブのゲートに、土砂を積んだトラックは入っていない。しかし、安和からは運搬用の船舶が出ているので、どこかに土砂を積み置いているのだろう。防衛局は焦っている。N2護岸が完成し、これを桟橋代わりに使っている。
美謝川の流路
変更強行される
この間の別の動きとして、美謝川の流路変更工事がある。基地前の国道の下にトンネルを掘って、辺野古ダムの水を別のところにもっていく工事だ。この工事は名護市長の権限で、市長が反対すればできない。しかし、名護市長は工事を黙認している。それは裏切り行為だ。この件は名護市長選の最大の争点だ。名護市長選で自公の候補は、15億円の米軍再編交付金で子どもの保育や教育の無償化を訴えて、前回は奏功した。岸本候補は、400億円の市予算の中で、15億円程度はいくらでも捻出できる、それより、基地建設により子どもの未来が失われる方が重要だ、と訴えている。私もそう思う。
オミクロン株の発生源がキャンプハンセンであることは意外と知られていない。キャンプハンセンでは、半数の米軍兵士がマスクもせず、出入り自由だ。このことが選挙にどう影響するのか。結果を待ちたい。
島々を戦場に
するな県民の会
もうひとつ南西諸島の軍事化について。バイデン・菅の日米首脳会談で台湾条項が共同声明に初めて盛り込まれ、その後の2+2で確認された。バイデン政権は中国の国内問題に不当に介入していると思う。
米中・日中国交回復で台湾は中国の領土だと認めたのに。台湾有事なら沖縄の米軍基地から爆撃機が飛び立つ。日本は集団的自衛権を行使し米軍を支援する。日本国憲法を持つ国がなぜ中国と戦争するのか。日本政府はマスコミを使って中国批判をやっている。防衛費のGNPの2%をめざし、敵基地攻撃にまで踏み出そうとしている。
今の状況だと、日本国憲法があっても戦争は起こる。そして、沖縄は戦場となる。宮古島の保良弾薬庫には大型ミサイルが搬入された。石垣島には自衛隊基地建設が進んでいる。石垣市長選では野党対立候補が自民と革新に分かれ、自衛隊配備反対派の一本化が今は難しい。
私は、島々の軍事化に危機感を感じてきた。辺野古の闘いの中で、ひょっとしたら辺野古はダミーであり、本命は島々の「無血開城」ではないかと。でもやっぱり、辺野古基地は完成すれば日米共同使用で司令部になるだろう。
与那国は台湾から110キロ。台湾有事で戦場にならないわけがない。沖縄は復帰50年で再び戦場に。中国への戦争になる。中国もミサイルを撃つ。三沢・佐世保基地も動員される。限定戦争にはなり得ないと、ダクラス・ラミスは主張する。だが、南西諸島の軍事化に対する抵抗体はできていない。
私は、この状況を許さない県民の会を立ち上げたい。ところがここに来て新たな課題が出てきた。南西諸島を会の名称に使うなという意見。では琉球弧なら? それは学術的にはいいとしても、庶民感情にとってしっくりしない。会の名称はまだ決まっていないが、つくられたら全国に会員を呼びかける。
この会は行動体ではない。万の会員でメッセージを出す、島々が戦場になることに反対と。でも、南西諸島の問題で、まだ戦争反対などと言っているのか、いい加減に沖縄は黙れという反応がネットにあふれている。このことに対してまだ沖縄は対応できていないが、全国の力で支援してほしい。
講演内容は以上だが、若干の質疑応答があった。
質疑応答
①若者は南西諸島の軍事化についてどう思っているか。(南西のことに限らず、若者は選挙にも行かない。若者はなぜ関心をなくしたのか。県民の会をつくるときも、若者・女性・労働者それぞれについて対策を考えたい。役員になる人も男女同数にしようと話している)。
②北朝鮮からのミサイルが大阪に落ちたらこわい。どう思うか。(落ちればもちろん抗議する。日本の近海で10万人規模の日米軍事演習をしているが、マスコミは報じないで、北朝鮮のことになると過剰な反応をする。北朝鮮がもし攻撃したら、かの国はこわれてしまうから、そんなことはしないだろう。—質問者はこの後エスカレートしたので会場の外に出てもらった)。 ③県民の会ならヤマトの者は参加できない。県民の会に連帯する会をつくらねばと思う。市民の会とかにはならないか。(市民ではなく沖縄県民という言葉にこだわっている。『ヌチドウ宝・島々を戦場にするな沖縄県民の会』のあとに、それぞれの人が「・地域名」をつけてやってもらえるならいいと思うが)。
④沖縄の抵抗を誹謗する者が全国にいるが、これについて言っておくことはないか。(どんなことにつてもいろいろな意見がある。米軍駐留についてはどうあれ、自分が住む島が戦場になることは許されない。このことは、政党の違いには関わらないはずだ。自民党県連の会長にも話をした。話はわかると言われた)。
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