ロシア軍はウクライナへの攻撃をやめろ

2.26渋谷ハチ公前で
在日ウクライナ人など2000人が訴え

ロシア人、日本の
若者たちも参加
 2月26日午後1時から、東京渋谷ハチ公前で、在日ウクライナ人が呼びかけた「ロシア軍のウクライナ侵攻を批判し、撤退を求める」緊急の集会が開かれ、駅前を埋め尽くす2000人以上が集まった。ウクライナ人だけでなく、ロシア人や日本の若者たちがウクライナ国旗や「殺すな、撤退しろ」など思い思いのプラカードを掲げた。
 「2月24日、ロシア軍による空爆が開始、国境を越えて攻撃を開始した。プーチンは独裁者だ。ふるさとを守るため、命を守るため、戦争を止めるため、日本人に訴えたい」とウクライナ人が最初に発言した。そして、プーチンによって殺されたウクライナ人のために黙とうをささげた。

戦争ヤメロ
ストップウォー
 ウクライナ国歌が歌われ、世界と日本政府への要求が読み上げられた。
 ①ロシアのSWIFT(国際銀行間通信協会)からの排除②プーチン個人への経済制裁③ロシアとの外交関係の停止④ロシアからの石油・ガス、金融を含む全輸入の停止⑤ロシアへのハイテク機器輸出の停止⑥企業家や政治家の財産の凍結⑦ロシア軍からのミサイルを迎撃するための空域の封鎖⑧安保理からのロシアの排除のための国連会議の開催を⑨ウクライナ領土で平和維持活動の開始⑩あなたの100円で救われる命がある。無実の命が危険にさらされている。私たちを助けて下さい。寄付をお願いします。
 ウクライナの荘厳な戦いの歌「戦わずにやめるわけにはいかない」が歌われる。
シュプレヒコール「戦争ヤメロ、ストップウォー、ウクライナに平和を、ストッププーチン、ストップロシア、ストップウォー」が何回も繰り返される。
 ウクライナ人の訴え。
 「皆さんへの訴えしかできない。皆さんの協力を。強く訴えたい。何が起こっているのか知ってほしい。戦争で毎日ウクライナ人が殺されている。プーチンとその政府の戦争を止めてほしい。武器では止められない。日本政府は強い経済制裁を。ニュースによると千年の歴史を持つ首都・キーエフ(キエフ)で強い戦闘が行われている。キーエフを渡さないために市民・軍が侵略者と戦っている」。
 「今行われている戦争はウクライナ、ロシアだけの問題ではない。プーチンは民主主義・自由・平和をつぶそうとしている。今の戦争が続けば大戦になる。2014年クリミア併合に黙っていた。東部の2州をとり、1万5千人のウクライナ人を殺した。友人も殺された。ウクライナ全土に広がっている。プーチンは独裁者だ。プーチンをとめろ。大使館へ寄付を」。
 

全世界各地で
戦争反対デモ
 在日ウクライナ人は2月24日夕方、渋谷ハチ公前でも抗議行動を行った。2月26日午後4時から、JR新宿駅東口でも抗議集会が行われた。多くのロシア人が駆けつけ、母国による侵略行為を批判した。参加者は「STAND WITH UKRAINE(ウクライナとともに)」「STOP PUTIN(プーチンを止めろ)」などと書かれたプラカードや旗を掲げ、「戦争反対」などを訴えた。
 ロシアのウクライナ侵攻に対する抗議デモが2月24日、ロシア各地で相次いだ。地元人権団体によると、50以上の都市でデモが敢行された。当局は厳しく取り締まり、現地時間の24日夜時点で1600人以上が拘束されたという。25日、60カ所で1839人が拘束された。全世界の主要都市でも抗議行動が繰り広げられた。プーチンの戦争をやめさせよう。     (M)

渋谷ハチ公前で抗議するウクライナの人々(2.26)
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資料/渋谷ハチ公前行動で配布された在日ウクライナ人の訴えのチラシ

ロシア軍がウクライナへの大規模攻撃を開始

 2014年まではウクライナは日本と同じく、一切戦争をしてこなかった国ですが、ウクライナ各地でロシアによる攻撃が続き、すでに多くの犠牲者がでています。チェルノブイリ原子力発電所はロシア軍によって占領され、原発施設の職員は人質にされています。この地域で戦闘が激化すれば、放射性廃棄物が流出する危険もあり、ウクライナだけではなくヨーロッパの全域が危険に晒されています。ウクライナの人々はウクライナだけでなく、ヨーロッパの安全を守るためにも命をかけています。

ロシアによるウクライナ侵略・占領は8年前からはじまっている

 2014年のクリミア占領から始まり、ウクライナ東南部のドネツク、ルハンシクでは多くの人が戦争で亡くなり、帰る場所をなくしています。現在ウクライナ各地で戦闘が展開し、さらに犠牲者が増えています。

ウクライナは独立国家であり、自らの決定権を持つ

 ウクライナはロシアの言う通りにすべき、アメリカの言う通りにすべきと言う議論をする前に重要なのは「ウクライナが独立国家」であることです。自分の国を守るために何をなすべきで、自分の国民が安心して生活できるように何をすべきかの決定権はウクライナにあります。ウクライナは単純に「自分」の国民が「自分の国の中で」平和に暮らしていけることを実現しようとしているだけです。平和以外何も望んでいません。
 日本には日本のことを決める権利があるように、同じ独立国家としてウクライナにも自分の国の事を決める権利があります。

ウクライナは何百年も前からロシアからの脅威に耐えている

 ウクライナには長い歴史とウクライナの文化ありますが、ロシアは何百年にもわたって、ウクライナ語やウクライナ文化を禁止、第2次世界大戦前にスターリンは「ホロドモール」というジェノサイドを実行することで、ウクライナ人が独立できないように計画的に餓死させています。スターリン政権はウクライナ人から生きていくための最低限の食物も奪い取り、国境から逃げようとするウクライナ人は射殺し、1000万人もの人の命を奪いました。
 今はロシアに占領されているクリミアには元々「クリミアタタール人」が住んでいましたが、ほとんどがソビエト政権によって、シベリアに強制移住させられ、多くの人の命が奪われています。ウクライナの一部の地域においてロシア系住民が多いのは、ウクライナ人やクリミアタタール人がロシア人によって大量虐殺されたことが背景にあります。

ウクライナ人は一体となって戦っている

 ウクライナの国民には西も東もありません。ロシア派もEU派もありません。ウクライナを西と東に分けるのは、日本全体を関西と関東の二つの軸のみで分けるのと一緒です。考え方やカルチャーなど違う要素がありつつも一つの国です。ウクライナにはロシア語を話す人も多いですが、ほとんどがウクライナ人としての認識をもち、ロシアの一部なんかになるのは望んでいません。

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