2.28狭山事件の再審を

コロナ禍でも歩みを止めない
再審開始求め東京集会

 2月28日、東京・台東区花川戸の台東区民会館ホールで、「狭山事件の再審を求める東京集会」が開かれた。主催は「狭山東京実行委員会」。参加者たちは第3次再審闘争勝利に向け、揺るぎのない決意を打ち固めた。
 終わりの見えぬコロナ禍でこの集会もまた、「会場結集」と「オンライン」による二通りの参加方法を用意した。ホール定員は本来300人規模だが約半数の入場とし、オンラインは登録制で「ズーム」と「ユーチューブ」のどちらかを選択できる。

  今年こそ

再審開始を
 集会は18時ちょうどに開会。司会の国安輝至(東京教組書記次長)は、「弁護団は石川さんの無実を裏づける新証拠を、この2月までに合計246点提出した。今年こそ再審開始を実現する大きな運動のうねりを作り出そう」と訴えた。
 主催者あいさつとして中條貴仁実行委議長が、以下のように発言した。
 「昨年もこの集会ができなかった。コロナが一向に収束せず、今年もやりづらい集会となったことをお詫びしたい」。「昨年12月に第7回総会を開き、狭山弁護団の河村健夫弁護士の講演を聞いた。石川さんもコロナに感染しないように体力を温存している。もう84歳で、一刻も早く自由の身にするために、皆さんと一緒に取り組みを進めていくことを誓う」。
 基調提起を実行委事務局長の桐田達也さんが行った。その後に、部落解放同盟中央副委員長で中央狭山闘争本部長の片岡明幸さんが、本集会のメインプログラムである講演をした。
 「第3次再審闘争について、現状と見通しを報告したい。すでに請求から16年経っているが第3次請求は1次、2次とは違う。今年区切りがつく。これまで200点以上の証拠を出させ、三者協議は49回も行った」。「4点の新証拠は上申書、手拭い、取り調べの録音テープ、万年筆だ」。片岡さんはこれらの証拠について、これまで何度も指摘されてきた「石川さん無罪」の根拠を丁寧に解説した。

全国の報告
に胸熱く
 石川一雄さん早智子さん夫妻からのビデオ映像が、会場のスクリーンに映し出された。一雄さんは「今年こそという気持ちだ。長い道のりだが、みなさんのご支援で精一杯闘っていく。みなさんあっての石川一雄です」。
 早智子さんは、「2019年のこの会場での集会を思い出しました。その後コロナの拡大で多くの集会が延期になった。みなさんに直接会いたかったが残念です」。「それでもみなさんと感染対策をした上での闘いが、大きな力になった。地元で元気に頑張っていますという激励のメールも頂いた。全国各地からスタンディング情宣の報告や感想を頂き、胸が熱くなった」。「いよいよ大詰めです。感染防止に気をつけて一層のご支援をお願いします」。

創意工夫で
街頭情宣を
 共闘する各団体からアピールを受けた。狭山支援共闘会議の須永祥平さん(東京清掃労組青年部)は、街頭情宣の写真を映し出した。「コロナ緊急事態宣言で予定がいつも中止になった。2019年以降の情宣では拡声器を使わず、録音した音声を流し、プラカードを掲げて立った。それでも手応えがあったと自負している。今後も議論を重ねながら石川さんの無実を訴え活動していく」と宣言した。
 都連女性部代表世話人の北川京子さんが発言に立った。「コロナのまん延で東京高裁前行動が中止になったこともあった。だが私たちは、コロナの厳しさの中でも二人とつながっていこうと行動を続けてきた」。「(一審浦和地裁)死刑判決は差別判決だ。怒りでいっぱいになる。差別のない世の中に向かって共に闘っていきましょう」。
 「清掃・人権交流会」の岡崎広事務局長は、「あらゆる差別と向き合い学習していく。微力ではあるが今後も活動していく」と語った。長谷川岱潤さん(同宗連東京地区議長)が集会決議案を読み上げた。 会場参加者全体の拍手で確認された。

圧倒的な要請
のハガキを!
 部落解放同盟都連委員長の藤本忠義さんが、以下のまとめの発言をした。
 「第3次再審闘争が最も重要な時期にあることを再確認しよう。コロナ禍でも歩みを止めない。東京高裁宛のハガキ運動として4000枚を印刷した。一人ひとりがこれを必ず投函してください。そして5月24日の中央集会に向け闘っていきましょう」。
 閉会の挨拶と「団結ガンバロウ」の音頭が中條さんによって行われ、集会は定刻で閉会した。会場参加者は100人余で、オンライン参加者は12人だった。
 終わりの見えないコロナ禍は、自公政権の無策の結果である。しかしそれにもめげず、様々な工夫を凝らして、再審実現の闘いを地道に続ける支援者たちがいる。部落解放同盟を先頭に、各地の粘り強い取り組みが反映された集会だった。
        (佐藤隆)

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