3.6ウクライナの人々を先頭に名古屋で500人デモ

ロシアは侵略戦争をやめろ!欧米のNATO東方拡大、核兵器シェアリング論許すな!

 【愛知】3月6日、名古屋市の栄にあるデパート、ラシックの前で午前11時からあいち総がかり行動による「ロシアはウクライナから即時撤退を!街宣」が、1週間前に同じ場所で行われた街宣よりも2倍以上の労働者、民衆、若者ら200人以上が結集して行われた。参加者はそれぞれ自前のプラカードにロシアへの軍事侵攻に対する怒りやウクライナ民衆との連帯を呼びかける言葉、イラストを持ち寄り、反戦の思いを道行く人々にカラフルに訴えかけた。特に黄色と水色のウクライナの国旗の色をマスクやバナーにアレンジした人が多かったが、併せてピースマークや改憲反対、さらにNATOの東方拡大を批判する発言など、幅広く平和を訴える人々の集まりとなった。
 また年代も若い労働者やウクライナ人、アメリカ人など参加者の多様性も特徴的だった。
 道行く人の中には立ち止まってスマホで撮影する人も多く、メディアの影響で従来の戦争問題よりもよく知られた問題になっていることがうかがえた。

200人の大街宣

 マイクアピールでは総がかり行動代表の中谷雄二さんがロシアの軍事侵攻を厳しく批判し、一方でNATOの東方拡大をも批判した。また、この戦争を利用して自民党内部から9条改憲策動や核兵器の共同保有の声が上がっていることを厳しく批判し、絶対に許してはならないと述べた。
 次に、「停戦」と書かれた青いプラカードを手に参加した「反戦NPO団体ワールド・ビヨンド・ウォー日本支部長」のジョセフ・エサティエさん(名古屋在住アメリカ人)は、開口一番「アメリカの責任を感じています」と言及し、「マスコミの報道だけではロシアのみが悪と言われているが、一方でアメリカやヨーロッパなどのNATO諸国が軍事的重圧をかけたことが開戦への道を開いてしまった」と説明した。さらにウクライナ政権がネオナチ勢力を擁護しアメリカがネオナチに協力しているとは信じられないと批判した。
 続いて「チェルノブイリ救援・中部」の河田東昌さんは、プーチンの核兵器による脅しと原発への攻撃、日本における核共同保有論を批判した。このほか、ウクライナ人の女性、日本共産党衆議院議員のもとむら伸子さん、立憲民主党衆議院議員の近藤昭一さんも共にプラカードを持ち、反戦を訴えた。

沿道の市民と共に
500人の反戦デモ
 街宣は20分ほどで終わり、参加者は久屋公園へ移動し、「日本ウクライナ文化協会」が主催する「ロシアのウクライナ侵攻に抗議するデモ&集会」に合流した。会場には多くのウクライナの人々、国旗がはためいておりマスコミも多く来て取材し、インタビューなどをしていた。参加者は主催者発表で500人。子ども連れの家族の参加も多く見られた。定刻になるとウクライナの人が簡単なあいさつと注意事項を説明し、デモ行進に出発した。
 ウクライナの人々を先頭にした長蛇のデモが名古屋の繁華街を歩いたが、先頭に複数はためく巨大なウクライナ国旗が特に目を引き、コールも外国人独特の日本語であったことなどから、いつものデモとは一味違うものとなった。沿道から多くの人が注目し、手を振ったり、共にコールを叫ぶ人もいた。すれ違った車の窓から子どもが「プーチンヤメロ!」と叫んだり、大学生らしい集団が短距離だが一緒に歩いてきたり、スマホで撮影する人も多かった。参加者は、思い思いのバナーを事前に準備している人が多く、多様性のあるデモとなった。

愛知県内各地で行動

 デモは栄の大通りを周回して久屋公園に戻り、まとめ集会を行った。この戦争での犠牲者を追悼するため1分間の黙とうを行った。主催団体の日本ウクライナ文化協会の日本人スタッフは「私たちは日本とウクライナの文化交流を目的に発足した団体です。この戦争を終わらせ、以前のように料理や踊り、言葉や歴史を共に学べる日が再び来ることを信じています。今日は多くの人に参加いただきありがとうございます」と感謝の言葉を述べた。
 この日、愛知県内では名古屋の栄だけではなく、西区、港区、緑区、日進市、一宮市でも集会やデモ行進、スタンディング行動などが取り組まれた。NHK名古屋による地域ニュース番組では、6時台、8時台の二度にわたり、名古屋市内デモ行進の様子が即日報道された。

全世界の問題として

 ロシアによるウクライナ侵攻はもはや二国間問題ではなくなった。なぜならこの戦争を利用し、兵器産業が武器輸出を大量に行い、またこれを口実にしてアジアに軍事的緊張関係を扇動する「領土ナショナリズム」が煽られ、核兵器シェアリングといった非核三原則の骨抜きによる事実上改憲をなし崩し的に行おうとする9条改憲の動きが急速に強まっている。この動きを許さず、戦争の実態と原因を解明し、全世界民衆と連帯した国際反戦闘争をつくりあげていこう。  (越中)

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