改憲・軍拡・基地強化に反対
3.12 防衛省に向けてデモ
大軍拡と基地強化にNO!アクション2021
プーチンは今すぐ戦争をやめろ
ロシアのウクライナ侵略を利用した自衛隊軍拡反対!
3月12日、ウクライナでの戦火が拡大し、それを口実に違法な防衛装備品(ヘルメットや防弾チョッキなど)の輸出が強行されるなか、大軍拡と基地強化にNO! 3・12防衛省デモ&集会が行われ、それぞれ四十人ほどの労働者市民が参加した。主催は大軍拡と基地強化にNO!アクション2021。
大軍拡に突き
進む自衛隊!
午後からの集会に先立って行われた防衛省デモは外堀公園を出発し、防衛省前で大軍拡予算批判と、ウクライナ問題での政府の外交努力を求めることを骨子とした申入書を読み上げて担当者に手渡した。
2時から文京区民センターで行われた集会ではまず、木元茂夫さん(すべての基地にNO!をファイト神奈川)が自ら製作したDVDを上映し解説。昨年8月、英空母クイーン・エリザベスが横須賀に入港、クイーン・エリザベスを中心とした空母打撃群と自衛隊が沖縄海域で初の共同訓練を行った。9月には日・米・英・オランダ・カナダ・ニュージーランド6カ国の艦艇が南シナ海で共同演習、11月にも日・米・オーストラリア・カナダ・ドイツの共同演習、と中国への軍事圧力が強められている。北朝鮮によるミサイル発射なども、これらの演習への対抗である可能性もあるとのこと。
そしてこのような動きと南西諸島へのミサイル配備など自衛隊増強の動きが連動したものであるということがDVDの中に登場する横須賀でのクイーン・エリザベス入港抗議行動や、馬毛島での基地建設に反対する人々の映像によって浮き彫りになっていく。
クイーン・エリザベスをはじめ各国艦船の入港は条約などの法的根拠なく進められている。横須賀入港にあたって横須賀市役所に通告があったのはクイーン・エリザベスのみでオランダなどはいつの間にか入港していたとのこと。
横須賀での抗議行動の映像の中でイギリスでのベトナム反戦運動時のスローガンであったという「STAY HОМE FОR PEACE」という横断幕を掲げるシーンが印象的だ。
原田きみ子さ
んの沖縄報告
続いて沖縄から原田きみ子さん(本部町島ぐるみ会議事務局)の報告。辺野古の埋め立てに使われる土砂は本部町の港から運び出される。これに抗議の行動を粘り強く続けている。
土砂の埋め立てを請け負っているのは琉球セメントという地元の会社だが、実態は山口県の宇部興産が株の大半を持ち、役員も宇部興産からくる。宇部興産の元会長は岸信介の中学の同級生で昔から繋がりが強い。1個5キロから二百キロの石材のはずが粘土のような赤土が搬出されている。二束三文のようなものを多額で国は買い取っている。モリカケと同じ構図だと原田さんは憤る。
続いて八重岳での自衛隊「電子戦訓練」を阻止した闘いの報告。本部町八重岳は沖縄の激戦地で町民1758人の命が奪われた場所で名護3中の中学生が日本兵に命じられて前線に立たされ激戦の中で亡くなった。戦後、本部町の人々は山頂までの沿道に寒緋桜を植えた。今では八重岳は全国で一番最初に桜の咲く場所として知られ、全国から多くの観光客も訪れる。
ここで自衛隊は21年9月電子戦の訓練を行おうとしていた。25日、反対する住民たちが待ち構えていたが、自衛隊は現れなかった。一度出発したが引き返した模様。翌日、待ち構えていると自衛隊はやって来た。住民たちが順番にこの場所がどのような場所であったのかということを訴え、作家の目取真俊さんが名護中学生徒として八重岳の戦闘を経験した父親のことを話すと自衛隊員たちは次第に下を向いてしまったという。
それでも自衛隊は山頂に向かって動き出したが巨大な自衛隊の大型車両が進もうとすると桜の枝を折ってしまう。自衛隊員が車両の上で手で枝を避けながら進んでいくが枝をポキポキ折ってしまう、それを反対派はビデオでしっかり撮影している。反対派排除のために動員された警察官が「器物損壊」で自衛隊の運転手に免許証の提示を求めるに及んで自衛隊も諦め、引き返さざるを得なかった。
粘り強く創意
に満ちた闘い
粘り強い、そして創意のある闘いの勝利である。自衛隊はこれに先立つ3月、8月、9月の3度「災害派遣時等の通信確保要綱を演練するため」と称して訓練を実施していたが、23年を目処に与那国島に配備される予定の電子戦部隊の先駆的役割を担おうとした可能性もある。
最後に原田さんは名護市長選について振り返り、今回こちらに来ることになっていたので陣営の総括を持って来たかったが、残念ながらまだ出せていない。その代わりに色々な人に話を聞いてきたとして、「コロナもあって動きを作るのが遅かった。集会なども満足にできなかった。前回の選挙の時に外から来た人が多かった」という批判があり、そのことに必要以上にナーバスになり(基地反対の)のぼり旗など控えめにやりすぎた。などの意見があったという。
さらに原田さんが一番強調したのは4割を超えた期日前投票についてである。企業が組織ぐるみで期日前投票を行っており、ある若者は「7000円をもらい、ランチもご馳走になった」と言っていたという。従業員1人につき30票というノルマも決まっているとのこと。原田さんが投票所の前で立っていると企業の人間が「監視しに来たんだろう!」と言って来たので笑ってしまったという、また一緒に監視していた人が投票所の窓を外からいきなり開けると選挙管理委員長と、社長連中が一緒にお茶を飲んでいたという。
このような組織的な期日前投票は大田県知事が負けた選挙の時から始まり、だんだん強化されて来たとのこと。今回は菅前首相が2回も来たが辺野古工事の元請大成建設には菅の3男が勤めている。
改憲・軍拡
絶対止める
2人の話の後、休憩を挟んで質疑応答が行われ、さらに数人から行動の呼びかけが行われた。武器取引反対ネットワークの杉原さんは「今回のウクライナ問題で世界はプーチンを非難しているが今回が初めてではない、チェチェンの時もシリアの時も世界は見て見ぬふりをした。シリアで住宅密集地に爆撃が行われ、多くの人々が瓦礫の下にいるときにプーチンは日本にやってきて安倍と会談、マスコミも歓迎ムード一色だった。そういうことのツケが今来ている」と語る。
そしてウクライナと共にミャンマーも忘れてはいけないとして防衛省はミャンマー国軍の隊員を受け入れて教育訓練を行っており、クーデター以降も4人を受け入れている、現在10名が防衛省のもとで訓練を行なっている。3月15日18時半より防衛省正門前で行う抗議行動への参加を呼びかけた。
練馬駐屯地では戦闘服で街を歩く「歩行訓練」が3月17日に予定されており、これへの抗議行動、4月10日の駐屯地祭抗議行動、朝霞駐屯地への電子戦部隊司令部設置への抗議行動が有事立法・治安弾圧を許すな!北部集会実行委員会より提起された。
最後に主催者が、現在、憲法審査会が毎月開かれているが、国会前での行動が弱すぎるとして改憲、軍拡、基地強化に反対する闘いを訴えた。 (板)
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