3.11事故から11年 東電責任追及行動
柏崎刈羽原発再稼働するな! 汚染水止めろ
福島原発の爆発事故をともなった東日本大震災から11年後の2022年3月11日、午後6時45分、日比谷公園に近い東京電力本社前で経産省前テントひろばとたんぽぽ舎の呼びかけで「事故から11年 東京電力は福島第一原発事故の責任をとれ!二度と原発事故を繰り返さない!柏崎刈羽原発再稼働するな!汚染水止めろ!」を訴える「第102回東電本店合同抗議」が行われた。呼びかけは経産省前テントひろばと「たんぽぽ舎」、賛同は東電株主代表訴訟、ピースボートなど14団体。この日の行動には305人が集まった。
集会チラシは次のように訴えている。
「2011年3月11日の東京電力福島第一原発事故発生以来、丸11年が経過する。しかし、原発事故被害者への補償・賠償は値切られ続け、放射能汚染水は増え続けている。事故収束の見通しは立たず、約4000人の作業員が被ばくしながら現場を支え続けている。子どもの甲状腺ガンが266人発見された」。
「一方、国民の半数以上が原発再稼働に反対しているなか、川内原発、玄海原発、高浜原発、大飯原発、伊方原発が再稼働した。これは、東電が原発事故発生の責任企業でありながら、責任をとらなくても許されているからだ」。
「私たちは、東電の責任を明確にし、その責任を取らせなければならない。私たちは『福島』をいつまでも忘れないし、福島原発事故の惨状を許しません」。
五十嵐務さんの大太鼓と柳田真さんの主催者あいさつで11年目の行動が始まった。3・11子ども甲状腺がん弁護団の北村賢二郎弁護士は、「子どもたちの未来が奪われている。志を奪われた青年・少年たちがいる。子どもたちは健康に気を配りながら生きていかなければならない。被害の実態に向き合うことこそが復興につながる」と被災地の若者・子どもたちを襲う健康被害に目を向けるよう訴えた。福島の被災者からは鴨下全生さんが10年後の今日も続く健康被害などの困難な状況について語った。
ルポライター・作家の鎌田慧さんは「ロシアの軍隊によるウクライナの原発への攻撃は、原発が日常的に人びとの日常生活をいかに危険にさらしているかをハッキリさせたものだ」と指摘した。そして福井県では原発を守るために自衛隊が検討を始めている、と紹介した。
発言の中では多くの人びとが、福島を忘れず東電の責任を追及し続けると共に、柏崎刈羽、東海第二などを焦点にすえた「廃炉」のための闘いを訴えた。野口修さんは東電が東海第二原発の工事延期に言及していることを指摘して、「1人からでも原発を止める。市民運動の民主主義で原発をなくせる」と語った。
発言はさらに鴨下裕也(福島原発被害東京訴訟団)などと続いた。いずれも福島原発事故被害者の苦境と、その中で屈することなく「原発再稼働」との闘いを続けてきた。原発被災者たちの闘いによって、国の基準を上回る賠償額が最高裁で確定した例も出ている。また福島原発事故被害者の子ども甲状腺患者を守る裁判闘争も始まっている。(本紙2月7日号参照)。
集会は最後に、テントひろばの三上治さんからのあいさつで締めくくられた。
福島原発事故から11年。被災者たち、そして原発事故被害者たちの闘いを支援し、生活を支え、原発をなくすための闘いを!(K)
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