3.5「日の丸・君が代」の強制をはね返す神奈川集会・デモ

様々な課題を結びつけて
右翼の執拗な妨害行動許すな

 【神奈川】3月5日、「日の丸・君が代」の強制をはね返す神奈川集会・デモに約50人が参加した。

男性優位主義を
放置した運動
 横浜・波止場会館で開いた集会では、いちむらみさこさん(女性ホームレスグループ・ノラ)が話をした。家父長制(家、母・妻、性暴力)からの脱獄というテーマを掲げ、野宿する女性どうしの活動、経緯を中心に思うことを語った。ネット社会におけるジン(個人誌)発行の意義、物販活動の様子などである。その中に生活保護制度利用中、あるいは東京都による3000円アパート移行事業(2007年)などにみられる「自立圧力」ともいうべき問題点、相変わらず男性中心で進む支援のあり方への疑問などが投げかけられた。
 今さらながら、いちむらさんが構築してきた運動の陣形、それに対してまったく男性優位主義を放置した運動体(個人)が多くのものを欠落させたまま現在に至ったことの重さを改めて突きつける内容だった。
 また2020年11月、渋谷区幡ヶ谷バス停で野宿していた女性が殺害された事件について、報道のあり方、渋谷区への申し入れなども紹介し、困窮者をふるい分ける尺度、きれいな街づくりが人の居場所を奪う問題を指摘した。排除、差別とオリンピック開催の不可分な関係が、いちむらさんの話から強く伝わったのは確かだ。
 団体アピールが続いた。
 政治的な手芸部のMさんから報告、協力要請があった。
 盗聴法に反対する市民連絡会の中森圭子さんから警察法改悪に反対のアピールがあった。警察庁への部局新設を許せば国家警察の復活が危惧される。またサイバー捜査という点で常時監視体制も危惧される。
 しかし立憲民主党はじめ野党も反対の意識が薄く、短時間の委員会審議で衆院通過してしまった。参院審議は始まってしまう。続いて、武蔵野五輪弾圧救援会の井上森さんから裁判進捗について報告があった。
 すべての基地に「NO!」を・ファイト神奈川の木元茂夫さんからは2021年8~9月にかけて英空母だけでなくオランダ、ドイツの艦船が来航していたこと、同じ時期からの自衛隊の演習(単独・合同)の活発化、訓練の大型化が指摘された。2022年1月に日豪地位協定(円滑化協定という)が安保条約を結ぶことなしに調印され、なし崩しの文言には警戒を要すると発言があった。
 「オリンピック災害」おことわり連絡会の京極さんから総括的にオリンピックと「日の丸・君が代」との結びつきを振り返る発言があり、2030年札幌五輪招致への反対が呼びかけられた。
 デモは横浜スタジアム周辺、伊勢佐木町モールを通過し、天皇制いらない、戦争反対などのコールを沿道に響かせた。右翼は、大音量街宣車数台の接近、差別発言を用いた若干名の妨害はあった。
 前年のはね返す集会は、集会場への右翼乱入、デモ行進中の執拗なつきまとい妨害と神奈川県警の無方針のため、混乱の中にデモを終えるしかなかった。今回の神奈川県警は白ヘルメットの警官を多数動員したが、けがにつながる物理的接触がなければよしとする姿勢のようだ。街頭における表現をどう保障するのか、真剣に考えさせなければいけない。   (海田)

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