4.5長期評価の信頼性を認め有罪判決を

福島原発刑事訴訟支援団
東京高裁は被害者の声を聞け

 4月5日、福島原発刑事訴訟支援団は東京高裁への意見書提出行動と参議院議員会館での東京集会を行った。午後1時の意見書提出を前に、高裁門前でアピール行動が行われ、団長の佐藤和良いわき市議会議員や福島原発告訴団弁護団があいさつ、提出行動の目的や意見書提出の意義などの説明が、集まった100人近くの支援者に向かって行われた。その後、高裁に入場する意見書を掲げた海渡雄一弁護士らを拍手で見送った。

370頁に
及ぶ意見書
 370頁におよぶ意見書は、「第1.我々は、なぜこのような意見書を提出するか」「第2.福島第一原発事故による深刻な被害」「第3.長期評価の信頼性」「第4.福島原発事故は事前の津波対策によって結果を回避することができた」「第5.東電内部において,被告人らが,津波対策を講ずる契機はいくども存在した」「第6.津波対策先送り方針後の先送り方針見直しの契機となりえた事実」「第7.各被告人の無策を厳しく追及した東京地裁8部の裁判官たち」「第8.独立した司法の誇りにかけて,歴史に残る判決を」の8項目で、告訴に至った経過から争点などを全面展開している。告訴団は福島第一原発の現場検証の実施などを高裁に求めたが、第2回公判で退けられ、6月6日に開催が予定されている第3回公判で結審することが確実となったため、限定された証拠などで判決が行われてはならないとして意見書が作成された。

東電3被告の
有罪判決を!
 結審から判決までに、少なくとも2カ月程度の期間を必要になると仮定し、それまでに司法判断が行われる2つの訴訟についてのポイントが書かれている。最高裁では、これまで福島・千葉・群馬の3つの避難者集団訴訟の判決が確定し、3判決とも東電側の責任を認めたが、いっぽうでは国の責任についての判断は分かれた。そのため、最高裁では4月中に3判決に対する弁論を開いたうえで、今夏までに統一的な判断を行う予定だ。また、7月13日に東京地裁で判決公判が行われる東電株主訴訟では現地調査のために福島第一原発内に立ち入って「現地進行協議」が行われた。
 東京高裁の裁判官3人はこの2つ――夏までに国の責任の有無を判断する最高裁判断、そして現地調査をはじめて行った東京地裁判断――を脇で見ながら、3人の東電元経営者らへの判決文を書くことになる。
 福島県集会は4月10日に郡山市の安積総合学習センターで行われる。
 提出された意見書は、支援団ホームページからダウンロードできる。https://shien-dan.org/
 東電の3被告を有罪に! 福島原発事故による被害者、避難者とともに勝利判決をかちとろう。(KJ)

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