佐竹秋田県知事の「核保有」「9条改憲」発言を許さない
居直りを許さない 即刻退陣だ
【秋田】佐竹知事の発言は4月26日発行の月刊誌「WILL」のインタビュー記事に掲載されたもの。
「日本人を平和ボケ状態にした憲法九条は今すぐにも改正するべき」「(政治家には)核兵器保有も含め真剣な防衛政策の在り方の議論をはじめてもらいたい」と主張。
これに対しただちに4月28日自由法曹団秋田県支部が声明を発表し「ウクライナでの戦争に便乗して危機感をあおり軍事力の増強を企てる妄言」と指摘し「『力には力』では市民守れない」と批判したと秋田魁新報が報じた。
この発言は「ウクライナ戦争の危機」にとどまらず、その背景には佐竹知事は任期は今期限りということの中で最後に知名度を上げ、発言力を強調したいという妄想があったのではないか。「核保有を」まで踏み込んだ県レベルの行政首長は佐竹秋田知事が初めてではないかと思われる。
4月15日自民党安保調査会が明らかにした政策改定提言によれば①「敵基地攻撃能力」保持については「自衛反撃能力」への改称②防衛装備移転3原則を見直し「殺傷能力を持つ装備の提供」の検討③防衛費は国内総生産費1%を「5年をめどに2%」に見直したが、その中でも憲法九条の関係から「専守防衛」の文言は投げ捨てられずに付け加えざるを得なかった。
しかし佐竹知事の今回の発言はこうした反動政策をはるかに飛び越え「核武装」に行きついたものとなっていて到底許すことの出来ないものだ。
佐竹知事は「平和ボケ」と言うが敗戦後その「平和」がまがりなりにも維持されてきたのは、アジア侵略の軍国主義の否定と「憲法守れと平和主義」があったからであり「核武装」を頂点とする軍拡競争政策によってでは全くない。
連合の翼賛労
働運動許すな
こうした「平和ボケ」「核保有」発言を不問にして4月30日、連合秋田はメーデー集会を開催し、佐竹知事の参加を歓迎したのである。また連合中央集会も時を同じくして開催され、岸田首相代理として松野官房長官を出席させ、連合芳野会長は「労働者の祭典に政府代表者に来ていただけるのは大変光栄だ」ともろ手を上げて歓迎した。一層の「労資協調」を演出し、「翼賛労働組合運動」の推進に踏み出し現実化している。
ウクライナ侵
攻とイージス
ニューヨークタイムズは2月16日の記事でロシアのプーチン大統領が地上イージス配備(2016年ウクライナに隣接するルーマニアに配備。ポーランドでも年内に運用開始予定)を「北太平洋条約機構(NATO)の東方拡大が引き起こした脅威の証拠」と解説。
ロシア政府はミサイル攻撃能力が無力化される(この地上イージス基地により)と指摘。さらに巡航ミサイル「トマホーク」を搭載すれば攻撃兵器に転用出来ると訴え、ポーランドを含むロシア国境付近への配備取りやめを要求していた(「秋田魁新報」)。
この地上イージスを巡っては秋田、山口県民の根強い反対運動によって政府が2020年に配備を断念したものである。
佐竹知事は県行政の長としてこの問題の渦中の中心にいた人物である。その人がロシアのウクライナ侵攻を受けて「国民の平和ボケ」、「核武装」に向けて「国民・政治家は議論を」とアピールする行為はイージス設置問題で苦しみを受け、イージス反対運動を闘った秋田をはじめとする全国の平和を希求する民衆運動に対してこれ以上ない最大の侮蔑と悪罵を投げつける行為と言わざるを得ない。見逃すことが出来ない発言である。
知事の開き
直り許すな
佐竹知事は一連の問題発言に続けて、岸田首相が核共有論を政府としては行わないと述べたことについて「はじめから議論にフタをしてしまうのは言語道断だ」と述べ、日本の抑止力を高めるため「イージス艦や潜水艦に通常の弾道ミサイルを搭載することが最善だ」と強調した。
こうした知事発言に対して、土崎被爆市民会議の伊藤会長は「『平和ボケ』という言葉を使っているが平和が悪いような印象を持った。恥ずかしい話だ」と切り捨て、県被団協の佐藤事務局長は「核兵器は絶対悪、議論推進は核兵器保持の可能性と危険をはらむ」と批判した。また「イージス・アショア」配備計画への反対運動をけん引した新屋勝平地区振興会の佐々木会長は「知事の立場上自身の重みを考え冷静で慎重な発言をすべきだ。度を越した防衛政策の強化は新屋と同じ状況下に置かれる地域を生むことにもつながる」と強く批判した。
こうした批判を受けて佐竹知事は今回の発言について「昔からの持論だ。もともと私は『防衛力増強論者』」と強調。「一般の方には違和感は何もないだろう」と語ったと報じられた。
この佐竹知事の開き直りと平和運動への敵対的挑戦的言動を許すことは出来ない。佐竹知事は県政から即刻退場せよ! (H)
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