5.16大軍拡とめろ月曜連続行動
首相官邸前で戦争する国づくりに抗議を
あらゆる制限
取り払う軍拡
5月16日、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委」が呼びかける、新しい行動プロジェクトとして「大軍拡とめろ!官邸前月曜連続行動」が始まった。4月26日付の声明は次のように述べている。
「1976年に三木武夫内閣が防衛費(軍事費)は、国民総生産(GNP)比1%を超えないことを閣議決定した。以来、いくつかの波はあったが、ともかくも日本の防衛費は事実上『1%未満』で推移してきた。…いま、岸田文雄内閣の下で、この『国是』ともいうべき『専守防衛』と防衛費の『GNP1%以内』という方針が、自民党が提出する『提言』によって大きく転換されようとしている」
「岸田内閣は従来の政府の路線を大きく転換するために、年内に防衛3文書、「国家安全保障戦略」『防衛大綱』『中期防衛力整備計画』の改訂を企てている。自民党の『提言』はその転換を主導する狙いがある」。
「岸田首相は年頭の施政方針演説で、いわゆる『敵地攻撃能力』をふくめ、あらゆる選択肢を排除せず現実的に検討する」と述べた」。「自民党安全保障調査会(会長・小野寺五典元防衛相)は昨年末から20回近くの会合を重ね、このほど党の防衛関係の幹部も参加して異例の3日連続の会議を経て、4月21日の会合で、国家安全保障戦略の改定に向けた『提言案』をとりまとめた。きたる参院選挙を経て、この提言が反映された防衛3文書がつくられていく」。
「提言案は従来使用してきた『敵基地攻撃能力』の呼称を『反撃能力』に改め、その能力を保有することを政府に求める内容だ。攻撃対象は相手国のミサイル基地だけではなく、指揮統制に関連する機能も含める。防衛費については従来の額の倍増になる『国内総生産(GDP)比2%以上』への増額を念頭に、『5年以内』に達成することを盛り込んだ。そして軍事技術力を向上させつつある中国や朝鮮の軍事動向を踏まえ、『迎撃のみではわが国を防衛しきれない恐れがある』と強調する。相手国のミサイル発射方式の多様化も見据えて『(対象を)基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含めるべきだ』相手国のミサイル発射方式の多様化も見据えて、『(対象を)基地に限定する必要はない。向こうの中枢を攻撃することも含めるべきだ』『相手国の指揮統制機能等も含む』ものとした」。
「従来日本政府がとってきた『専守防衛』では、相手から武力攻撃を受けた場合、初めて防衛力を行使するものであり、それは『必要最小限の行使』であり、装備も必要最小限のものに限っていた」「これに対して今回の提言の『反撃能力』はそうではなく、従来の専守防衛とは異なり、『敵の第一撃』を甘受することは想定していない。『相手側の攻撃が、明確に意図があって、すでに着手している状況であれば、(敵基地攻撃の)判断を政府が行う』として、先制攻撃を容認している」。
「先制攻撃」や
核共有を容認
つまり「敵戦闘能力の破壊」のための「先制攻撃」を「自衛」のために容認する、というあからさまな「侵略の論理」そのものなのだ。
「先制的な敵基地攻撃」、「核攻撃能力」の米国との「共有」といったそこに貫かれた論理は、これまでの「自衛」の名分をも根本的に飛び越える米核戦争戦略の尖端をも担う「先制的核戦争国家」への道であり、これまでの「自衛隊」の正当化論理をも踏み越えるものだと言わなければならない。
GDPの2%
を戦争のため
5月16日の第1回行動には、110人が永田町の首相官邸前に集まった。最初に発言したのは立憲民主党の吉田忠智参院議員。「ロシアのウクライナへの軍事侵攻に乗じる形で軍拡を進めることを許してはならない。惨事便乗型の違憲行為に踏み込んだ自民、公明、国民新党、維新などのやり方ほど危険なものはない」と批判した。
社民党元衆院議員で幹事長の服部良一さんは「大軍拡によって社会保障が削られる。30代、40代の会社員では貯金が100万円以下だという人が半分以上の53%に達している。政府・自民党の『敵基地攻撃能力』とは先制攻撃を意味する。野党の中からもそうした意見が出てくることに危険を感じる」と語った。
共産党の穀田恵二衆院議員・国会対策委員長は「自民党安全保障会議の提案は、GDPの2%を軍事予算にあて、『先制攻撃能力』を獲得し、『敵』の中枢・指令系統を破壊することが必要とするものだ」と指摘した。
「沖縄の風」の伊波洋一参院議員は、「いかに日本が、そして安倍政権がアメリカに利用されてきたか」と指摘し、「南西シフト」により沖縄がアメリカによる中国の戦争体制の前線になってきたことを批判した。
日体大教授の清水雅彦さんは、日本は憲法上「戦力は持てないが、実力なら持てる」というロジックで進められてきた軍拡が、ついに総予算の2%の軍事予算(世界第3位)を射程に入れ、アメリカとの「核共有」を構想し、紛争当事国への武器提供を進めるにいたったことに立ち向かう世論と運動を作るよう呼びかけた。
「9条改憲反対」の月例19日行動とともに、「自衛隊大軍拡反対」を呼びかけ、毎週月曜日の午後6時半、首相官邸前にかけつけよう。9条改憲阻止の闘いと並行して進められる「大軍拡反対」の行動を広げよう。 (K)
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