東京電力福島第一原発事故訴訟
東京高裁は1審判決を破棄し
現場検証を行え!6・6公判へ
呼びかけに応えよう
6月6日、東電刑事裁判控訴審の第3回公判が東京高裁で開かれ、被害者遺族の意見陳述、検察官役の指定弁護士の弁論、東電元役員ら被告側弁護人の弁論が行われる。
2月に行われた第2回公判では、原告側が申請した現場検証や証言など多くの証拠を高裁は不採用にし、指定弁護士による異議も棄却、長期評価の信頼性を認めた千葉避難者訴訟の東京高裁判決を証拠採用したものの、次回公判で結審することが確認された。この公判での結論に対し、告訴団と支援団、弁護団は「わたしたちは、地裁判決の悔しさを忘れることができません。わたしたちはあきらめません! 東京高裁は有罪判決を! 今こそ、1審判決を破棄し、公正な判決を求める声を集め、東京高裁に迫る時です」と次々と行動を重ねてきた。
福島からの呼びかけに、3つの緊急の行動と取り組みに参加でこたえよう。
1.ランチタイム・スタンディングに参加を!
5月23日から6月3日までの平日(ただし、3・11子ども甲状腺がん裁判が行われる5月26日を除く)の正午から午後1時までの1時間、高裁前でプラカードを掲げての「ランチタイム・スタンディング」が呼びかけられている。福島や福島から全国各地に避難している訴訟団と支援団のメンバーが交代で上京する。ともにスタンディングをおこなおう。
2.6月6日の各行動への参加を!
第3回公判当日、傍聴券取得のための抽選、抽選待ちの時間に行うアピール行動、開廷時間に行う「併行集会」、1時間程度の裁判報告集会などが予定されている。「併行集会」では、俳優の中村敦夫さんが監督した映画「線量計が鳴る」(104分)の上映が予定されている。
3.緊急署名を集めよう!
4月15日から行われている「1審判決を破棄し公正な判決を求める署名」は一次集約が行われ、12140筆の署名提出が5月20日に行われた。署名協力を行った全国の支援者から集約期限の延期要望が寄せられ、7月30日に第2次集約が行われることになった。
刑事裁判の控訴審判決に影響を与える福島原発事故裁判判断が最高裁と東京地裁で予定されている。これまで福島、千葉、群馬、愛媛の4つの集団賠償請求訴訟では「国の責任」について高裁判決が別れたため、最高裁はこれらの判断に対する双方の意見をきいて統一判断をするための弁論を行ってきたが、6月17日にその判断を示す。国の責任に対する判断は分かれたが、4つの高裁はともに東電の賠償責任は認め、地裁判決を上回る額の賠償を命じている。群馬訴訟の東京高裁判決のみ、国の責任を否定した。また7月13日には、現場検証を行った東電株主代表訴訟の東京地裁判決が予定されており、この判決も刑事裁判判断に影響するといわれている。
6月6日の公判が終わっても、高裁に「公正な判断を」と声を届けることができる。被災者は判決が確定しても苦しみ、痛みはなくなりはしない。
規制委に意見を!
5月13日、「汚染水を海に流すな! 理解と合意なき海洋放出設備工事の6月着工中止を求める!アクション―東京行動」が行われた。この行動にも福島県内や全国各地に避難している仲間が東京に集まり、原子力規制委員会に対しては東電の工事計画を認めないこと、東電に対しては計画を撤回することなどを求め、申し入れ行動などを行った。
規制委員会は18日、事実上の合格をあらわす審査書案をまとめ、意見提出期限を6月19日とするパブリックコメントに付した。「ALPS処理水の海洋放出関連設備の設置等」などと検索してパブリックコメントを寄せてほしい。東電や国は、そのまま流せば違法な「汚染水」を薄めれば合法になる「魔法の水」とはよばずに「ALPS処理水」とよぶ。
東電と国の方針では、来春の放出開始をめざし、30年間続けるという。この期間にも福島第一原発への地下水の流入は続く。放出が実施され、風評被害が発生したら国は基金で賠償するという。
ネット署名
にも協力を
6月6日の傍聴券の抽選については1週間前の5月30日にならないと詳細はわからない。詳細は5月30日以降に福島原発刑事訴訟支援団のホームページに掲載される。次のURLにアクセスしてほしい。
https://shien-dan.org/
この支援団HPから署名用紙(5名列記)がダウンロードできる。同じネット署名の紹介もあるのでアクセスしてほしい。
繰り返すが、被災者は判決が確定しても苦しみ、痛みはなくなりはしない。
(5月23日 KJ)
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