6.18志葉玲さんがウクライナ報告
ロシアの戦争犯罪を裁こう
これ以上の人殺しを許すな
【福島】6月18日、郡山市で志葉玲さん講演とリレートーク集会が、野党と市民の共闘を推進する「ミナセンなかどおり」と戦争させない・9条壊すな!県中の会の主催で開かれた。ミナセン共同代表の吉川さんは「参院選で改憲勢力が3分の2となれば。GDP比2%の軍事費と改憲発議が迫る、敵国が作られ緊急事態条項で治安体制が強まる。戦争の実態を知り、憲法の重要性を改めて考え、野党と市民共闘で政治を変えよう」と開会のあいさつをおこなった。
侵略戦争の現場を歩いて
4月に戦禍のウクライナのキーウ、ブチャ、ボロディアンカ、ハリキウに入り取材し、自身も空爆にさらされながら街の破壊や虐殺の現場を歩き、がれきの中の遺体なども見てきた志葉さんは次のように語った。
ロシア軍は街路、住居・病院・学校の破壊等を重ねウクライナ市民の命を奪っている。多くの人々が地下鉄構内での生活を、子どもたちはそこで勉強することを余儀なくされている。焼け焦げた街のあちこちで葬儀が続いていた。食料をはじめ援助物資配布などにボランティア活動が行われていたが、それさえも標的となった。ロシア軍の行為は民間人の殺害、民間施設への攻撃を禁じている国際人道法違反だ。戦争犯罪は国際法廷で裁かれなくてはいけない。
ウクライナの判断尊重を
日本の護憲派・左派の一部にある「NATOの東方拡大が戦争の主因」説は、プーチン大統領の「偉大なロシア復活」の一部としてのウクライナ支配の分析もなく、戦争を大国間の争いとして描いている。ウクライナ民衆自身の判断と抵抗の闘いを尊重せずに、屈服と開城を迫るものだ。まずはウクライナの人びとの声を聞いてモノを言うべき。
また、2014年のマイダン革命はクーデターではない。親露派のヤヌコヴィッチ大統領の大弾圧に対する市民運動だった。東部の争いも民族間の争いでも内戦ではなくロシアの侵略行為の一部である。住民の4割がロシア語を第一言語としているハリキウにロシア軍がミサイルを大量にぶち込んでいることはその証左だ。
エネルギー転換
に向けた取り組み
日本が軍事費をいかに増やそうとプーチンには痛くも痒くもない。経済制裁すべきでないとか、交渉役になれという意見には疑問符が付く。まずは、独裁政権からの天然ガス、原油輸入をやめること。気候危機対策のためにも自然エネルギー(風、水、波、潮、地熱など)の活用に一挙に転換すべきだし、日本にはその潜在能力がある。世界的にも軍事に費やしている予算を教育、福祉、環境充実策に回していくことが必要だ。
あらゆる侵略戦争に反対!
ロシアには戦争の法的責任も政治的責任もある。大国による武力行使はだれであれ許されない。アメリカはイラク戦争の反省をしていないし、日本も米軍支持を撤回していない。そしてアメリカは、パレスチナを弾圧するイスラエルに毎年38億ドルもの支援を続けている。
こうしたダブルスタンダードを改めさせなければならない。世界大戦を経て作られた国連憲章と日本国憲法、9条にはあらゆる侵略戦争に反対するという点で親和性がある。このことを強く主張すべき。軍事費倍増すればまわりの国もそうする。地球温暖化と生活苦が人々を襲う。戦争やっている場合ではない。平和のためにお金を使いましょう、と訴えた。
各運動体が次々に発言
講演と質疑応答に続いて、第2部のリレートークでは、「故郷を返せ!津島原発訴訟原告団」「東電刑事裁判控訴審」「放射能汚染水の海洋放出を止めよう」「毎日学校司書のいる図書館を」「フードバンクを通しての若者の声」と、福島県民の切実な課題に取り組んでいる団体代表からの報告が行われた。さらに、参議院選挙にとりくんでいるれいわ新選組サポーター、緑の党全国運営委員、日本共産党比例区丸本由美子候補があいさつと支持を訴えた。最後に県中の会共同代表で郡山平和フォーラム議長は、「コロナ、岸田政権、ウクライナ侵略戦争で改憲の流れが強まる危機的状況の中、対話の輪を広げていこう」との閉会挨拶を行い集会は幕を閉じた。集会には116人が参加、4万数千円のカンパが集まったことが報告されている。
なお、「ミナセンなかどおり」のホームページから本集会の動画を見ることができる。
(世田)
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