沖縄選挙区、伊波洋一さんが当選
岸田政権の策謀を打ち破った!
基地のない平和で豊かな沖縄をめざして
伊波洋一さん
僅差で勝利
沖縄選挙区は、オール沖縄の伊波洋一さんが二期目の当選を果たした。その結果、もう一人の沖縄選出参院議員・高良鉄美さんと共に会派「沖縄の風」を組み、沖縄の声を国会に届ける活動を継続することが可能となった。
伊波さんが生まれた宜野湾市嘉数は、沖縄戦で上陸した米軍と嘉数高台に洞窟陣地を築いた日本軍との間で激戦地となった場所である。嘉数集落の住民695人のうち半数以上の374人が戦死した。伊波さんの母の家族6人が亡くなり、母も戦場で自爆し負傷、意識を失ったまま米軍に収容されたが、片目の視力を失った。伊波さんは戦後、母一人子一人の母子家庭で育った。宜野湾市の広い場所は米軍に占領され普天間飛行場がつくられた。伊波さんの政治姿勢の骨格ともいえる反戦反基地の強い思いはこうした歴史を背景としてつくられたものだ。二期務めた宜野湾市長時代も、普天間飛行場の閉鎖をめざして精力的な努力を続けたのである。
伊波さんは沖縄を二度と戦場にしないため、①自衛隊ミサイル基地反対、辺野古新基地反対、憲法9条擁護、②新型コロナからの経済回復、子供の貧困解決、産業振興と雇用創出、教育費・保育費の無償化、消費税5%などを訴えて、連日県内を駆けめぐった。
選管最終発表の結果は次の通り。投票率は50・57%。
伊波洋一
27万4235(46・9%)
古謝玄太
27万1347(46・4%)
6年前の選挙では、伊波さんが10万以上の票差(17・2ポイント)を付けて圧勝し、3年前の選挙でも、高良鉄美さんが6万以上の票差(11・5ポイント)で当選した。今回、票差はわずか2888、0・5ポイントであった。
政府と正面対
決する戦線を
この結果をどう見るか。ひと言でいえば、2014年の知事選で翁長雄志知事を誕生させたオール沖縄勢力の後退・弱体化であると見ることもできるし、日本政府・自公による大々的介入をもってしても覆すことができなかった沖縄県民の「平和で豊かな沖縄」を希求する意思の強さと見ることもできよう。
この間、翁長―玉城と続く県知事の工事中止要請や2019年県民投票の70%に上る反対の民意を無視して、日本政府・沖縄防衛局による埋立工事が強行され、工事の既成事実化が進んできた。「無理が通れば道理が引っ込む」とのことわざ通り、県民の正当な要求がないがしろにされる現実の中で、辺野古新基地建設をめぐる日本政府と沖縄との力関係が徐々に変化してきた。
岸田自公政権は、ここぞとばかり、若手の総務省官僚を担ぎ出し、「辺野古容認」を掲げて経済を前面に打ち出した。自民党から大勢のスタッフを派遣し、建設業をはじめ業界を締め付け、茂木、菅、河野、小泉、岸田などが連日沖縄入りしテコ入れしたのだった。しかし、沖縄の反戦反基地意識は根強く、簡単には屈しない。何より、伊波選対と各地のうまんちゅの会の精力的な活動が政府・自公の圧力をはねのけた。
また、県内の比例区での各党の得票率は次のとおりである。
自民 27・13%
公明 14・77%
維新 7・40%
社民 10・99%
立憲 10・51%
共産 9・37%
れいわ 6・61%
国民 3・71%
自公で約42%、社共立民れいわ国民で約41%となる。
中央政府と沖縄との関係は、強者が弱者を踏みつけ殴りつけながら、傷を気遣うふりをして薬を塗るような構図に似ている。こういう構図を根本から覆さなければならない。
9月知事選に向けて、さらに辺野古を阻止しミサイル基地を阻止し、基地のない平和で豊かな沖縄の実現に向けて、決して屈しない県民の団結を固めなければならない。 (K・S)
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