7.26ミャンマー軍による政治囚4人への死刑執行に抗議

国連大学前で抗議集会

「国際社会」の沈黙は軍部の民衆虐殺容認を意味する
ミャンマー民衆への支援・連帯を

 7月25日、ミャンマー軍によって、政治犯4人への死刑の執行が行われた。処刑されたのは、アウンサンスーチーさんの側近のピョーゼヤトー元国会議員、作家で著名活動家のチョウミンユーさん、フラミョーアウンさん、アウントゥラゾーさん。死刑執行は30数年ぶりだという。6月3日、軍評議会・情報省の報道官が国民民主連盟(NLD)の元議員と名だたる政治活動家ら4人の死刑執行を行うと表明していた。これに対して、ASEAN議長国のフンセン・カンボジア首相らが執行を思いとどまるように、ミャンマー軍政に申し入れを行っていた。
 しかし、今回の死刑執行は軍による民主派弾圧をいっそう強めるというメッセージだ。断じて許せない。
 
力を貸して
ください!
 7月26日、国連大学前で、最初に犠牲者への黙とうがささげられ、400人が参加した。主催者が「クーデター以後、軍は民衆を無差別に殺してきた。国際社会は黙っていた。いったい何をしているのだろうか。人権侵害に沈黙せず、即時に行動してほしい。命を助けてください。力を貸してください」と発言した。
 そして、別のミャンマー人は「2月1日のクーデター以後、毎日人が死んでいる。見捨てるのか。国連・日本政府や国際社会の助けが必要だ。日本政府はあいまいなままだ。行動をしてください。人の命、違いますが同じではないですか。私たちの命も大切です」と訴えた。
 4つのスローガンを国連大学と国連機関にぶつけた。
①政治犯を不当に起訴し死刑が下され実行されたことを 非難しろ。
②死刑制度廃止に関する国際的な取り組みへの深刻な脅威に対して 即時介入しろ。
③国際社会はミャンマーテロ軍部による政治犯への弾圧糾弾へ向け直ちに 行動しろ。
④国際社会はミャンマーテロ軍部がミャンマー市民を無差別に殺害していることに 沈黙するな。
 国連に向けて、「たくさんの人が殺されている。国連にも責任がある。国民を助けてほしい。声を尊重してほしい」と申し入れを行った。
 参加した日本人が死刑執行を糾弾する発言をした。ジャーナリストの北角さんが「心が裂かれるようだ。つらいところだ。ミャンマー人の強さも知っている。互いに助け合い、何とかやってきた。希望は必ずある」と話した。武器輸出反対行動の杉原さんは「ミャンマー軍政への日本政府の経済支援に対して、毎月ストップさせろと官邸前行動や国軍の留学生を受け入れをやめろと行動をしてきた。日本政府は総合的に判断するというのみで、明確なノーの行動をとらない。今回の死刑執行に対して、国連や日本政府の責任は大きい。そして、市民運動も問われている。8月1日に官邸前で抗議行動を行う」と述べた。
 これまでミャンマー連帯運動を続けている熊沢さんは「軍・警察は無実の国民を殺して、国民をまったく守らない。日本政府は分かっているのに何もしない。恥ずかしい。闘いはこれからだ。サフラン革命で一度は民主化した。7月29日に、外務省抗議行動を予定している。これからもがんばろう」と語った。
 死刑執行後、これを批判する動きが広がっている。ミャンマーの民主化を支援する超党派の議員連盟は緊急総会を開き、「最大級の怒りをもって非難する」とした声明を発表した。「ミャンマー軍は、今もなお、ミャンマー各地で市民へ武力や暴力の行使、空爆や村々の焼き打ちなどの人権じゅうりん行為を繰り返している。今回の死刑執行も市民への殺りく行為にほかならず、最悪の形態の人権侵害は決して許さない」と指摘。
 そのうえで、日本政府に対し、こうした殺りく行為が繰り返されることがなく、一刻も早くミャンマー国民に対する暴力行為や武力行使が停止されるよう、ミャンマー軍に、より強力かつ効果的な制裁や圧力を行使するよう強く求めた。国連や米国、ASEAN、EUなどが厳しく批判する声明を出した。日本外務省も非難のコメントを出した。ミャンマー軍政を終わらせるように、経済支援の中止など厳しい制裁を課すべきだ。ミャンマー軍政を終わらせよう。  (M)

私たちの命も大切です、怒りを込めてアピール(7.26)

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