7.20北上田毅さんが講演
玉城知事勝利へあらゆる努力を
辺野古への基地建設を許さない実行委
7月20日午後6時半から、東京文京区民センターで「辺野古に行こう7・20集会」が辺野古への基地建設を許さない実行委の主催で開かれ、90人が参加した。
最初に、6月末から7月にかけて辺野古基地反対行動に参加した仲間が撮影したビデオが上映された。6月25日、カヌー20隻などで海上での抗議行動。6月27日、ゲート前座り込み行動。ガードマンの前に座り込む人々に対して、機動隊が出て無理矢理に排除していく。その後、ダンプやミキサー車が次々と基地の中に入っていく。7月4日、安和桟橋。プラカードを持ち、ダンプの前に立ちはだかり搬入を止めている。この行動が一番効果があるという。反対行動が分かりとても良いものだった。
違法な工事が
今も進行する
続いて尾沢さんが主催者あいさつを行った。
「昨年の11月25日、玉城知事が埋め立て設計変更の不承認を行った。その理由は①大浦湾の軟弱地盤は90mあるのに70mにしか対応できない。②B27最深部を調査していない。③ジュゴン保護不十分。④費用・期間が大幅に違う、からである。国交相は知事の不承認を取り消し、さらに是正の指示を出している。しかし、不承認は取り消されていないのに違法な工事が進められている」。
「今回の集会の『辺野古に行こう』は①違法工事を全国に発信して現地で止めていく②9月11日沖縄知事選がある。この選挙戦のために、座り込みの部隊が知事選に取られる。現地の闘いをやり、少しでも遅らせる。さらに知事選の勝利、その出発点として準備した。しかし、コロナ感染者が沖縄で1日5千人が出ている。オール沖縄は県外から来てくれとは言えない、としている。行ける状況があれば行って止めていくことを確認し、できることをやっていこう」。
沖縄一坪反戦地主会・関東ブロックが「自民党は政府の言いなりになる知事を作ろうとしている。知事の権限は大きいもので絶対に負けられない」と知事選支援カンパの訴えが行われた。
私たちは絶対
に屈しない!
続いて、北上田毅さん(沖縄平和市民連絡会)が「国の『是正の指示』『代執行』に屈せず、あくまでも辺野古新基地を阻止する!」と題して、講演を行った。質疑応答の後、参加団体からアピールが行われた。
琉球人遺骨返還請求訴訟。「4年間にわたる裁判の判決が4月21日にあり『訴えを棄却する』のそれだけの判決。国策として差別してきたものであり、今でも植民地支配が続いているようなものだ。具志堅隆松さんは、国連のジュネーブに行き、日米安保による軍事基地や先住権を認めない政府が自決権を奪っているとアピールした。それに対して、政府は沖縄の民族は先住民ではないと主張している」と指摘した。辺野古基地建設反対運動への規制・弾圧の恐れのある土地利用規制法について、「内閣府と4回のヒアリングを行ったが中身はまったく分からない。ネット署名をやり、パブリックコメントをやることになった。廃止アクションのホームページを見て運動に協力してほしい」と要請があった。土砂埋め立て連も発言。
最後に、行動提起が行われた。コロナの感染の急拡大ですぐに沖縄に行こうとはならないが、知事選応援に行ける状況があれば行ってほしい。7月30日沖縄県民大会がオンラインで行われる。沖縄に連帯する7・30新宿キャンドル行動、東京・JR新宿駅南口、午後6時から7時。 (M)
北上田毅さんの講演から
基地建設阻止の取り組み
内容は次のようであった。
①国の不承認取消裁決、「是正の指示」「代執行」に抗して◦耐震設計問題等で「変更申請の再度の不承認」か「埋立承認の再撤回」を!②設計変更申請不承認理由を追加・補強の必要性◦不承認理由は何故、数項目にとどまったのか? 残された多くの問題点◦政府の地震調査委員会が、「南西諸島周辺でM8級の巨大地震がおこる可能性」との長期評価を出した→耐震設計のレベル2への変更が必要。③辺野古新基地建設工事の現状と問題点―県の毅然とした対応を!◦辺野古側埋立/美謝川切替工事/N2護岸/K8護岸延長/弾薬庫ゲート造成④遺骨混じりの南部地区の土砂問題について◦南部地区の土砂問題を何故、不承認理由に含めなかったのか? ◦熊野鉱山開発計画についての公害等調整委員会の「合意」案受諾の問題。
今後の流れは
どうなるか
2022年4月8日、国交大臣が知事の不承認を取消す裁決。4月20日まで承認するように「勧告」。4月28日、5月16日までに承認するよう「是正の指示」。県は5月9日、国交大臣の4・8裁決に国地方係争処理委員会に審査申し立て。(8月8日までに裁決)5月16日、変更承認の拒否を伝達。5月30日、4・28是正指示に対して国地方係争処理委員会に審査申し立て。(8月29日までに裁決)
今後の流れ。いずれも県が負けた場合に高裁に提訴できる。国は高裁で勝訴すれば変更承認の代執行ができる。県の上告は執行停止の効力がない。国は3カ月ぐらいで代執行で工事を行う。
これから何が
できるのか
従来と同じやり方で、国地方係争処理委・裁判に対応できるか。耐震設計の問題点等を理由に再度の不承認処分、あるいは埋立承認の再撤回を。
※国交省の不承認取消裁決により、埋立承認申請の状態に戻ったので、知事は、異なった理由で再度、不承認とすることができる。◦耐震設計の問題点―政府の地震調査委員会がM8級の巨大地震のおそれと長期評価変更◦遺骨混じりの南部の土砂問題―審査基準の「公益上の観点からの特別な事由」に該当。
※今後の抗告訴訟で新たな不承認理由を追加することもできる。「埋立承認処分の撤回等の不利益処分の場合、抗告訴訟で不利益処分の理由以外の理由の追加が原則、認められる」(徳田博人琉球大学教授)
※耐震設計の問題は、むしろ当初の埋立承認の再撤回とすべき事項。
今回の不承認を取消した裁決に対しても、辺野古周辺住民が抗告訴訟を準備中。
ボーリング試
験をしない国
最も重要な海面下90mまでの軟弱地盤―B27地点でボーリング試験を何故、実施しないのか。コーン貫入試験だけですましたのか。県は試験をやるように求めているがしていない。国はあえてしなかつたのだろう。
現在進められている工事。①辺野古川の埋立工事、6月末現在、全体の約11%の土砂投入。②N2護岸造成工事、土砂の陸揚護岸とするため③美謝川切替工事、問われる渡具知名護市長の責任④K8(既設250m、今回190m)、辺野古崎と長島の間が閉じられる。⑤弾薬庫の商用車用ゲート造成工事、辺野古弾薬庫の再編整備工事。同時に辺野古の工事車両の進入路となる。⑥送電線地中化工事、高さ制限に抵触する送電線を地中化。
設計変更不承認の際の知事のコメント。防衛局は今回の計画変更に関する工事のみならず、すべての工事を中止すべきだ。
サンゴの移植問題、本部塩川港のベルトコンベア設置許可問題。辺野古の埋立土砂は、本部塩川港(県の港)と琉球セメント安和桟橋から海上輸送されている。県は昨年4月から使用許可を出している。本部町島ぐるみ会議による毎月の県交渉が今も続いている。美謝川切替大規模工事でセメント安定処理による地番改良工事で猛毒の六価クロム溶出のおそれがでている。中止を求めている。
南部での遺骨混じり埋立土砂問題。6月14日、公害等調整委員会が合意案(和解案)を提示し、県はそれを受諾した。現在の県の措置命令は失効し、早ければ8月末にも鉱山の掘採が始まる。大量の土砂が辺野古の埋立に使われる。
当面やるべ
き課題とは
◦国の設計変更承認の「代執行」強行を許さない取り組みの強化を
◦設計変更不承認理由の追加・補強(再度の不承認・埋立承認再撤回)
◦国の関連工事を止めさせるための県の毅然とした対応
◦辺野古現地への結集を
◦国への対応。いっさいの関連工事の即時中止を。各地の自治体決議を受け、南部地区からの土砂調達計画の撤回を。(発言要旨、レジメをもとにまとめた。編集部)
週刊かけはし
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009 新時代社