住民投票でカジノを葬り去ろう

7.21

大阪府72市区町村、総数21万134筆の署名提出

 【大阪】大阪府・市が誘致を目指し、大阪市の人工島・夢洲(万博予定地)に計画されているカジノ・IR施設建設の賛否は住民投票で決めてほしいと、3月25日から始まった住民投票請求署名は5月25日で終了し、集まった総署名数は21万132筆。それぞれの地区の選挙管理委員会の審査を経て、有効署名数は19万2773筆となり、大阪府在住有権者の50分の1(14万6509人、6月末)を4万6264筆上回る結果となり、直接請求が可能となった。そして7月21日、その直接請求が行われた。
 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の計画について、自民党大阪市議団は2月1日、市民を対象に賛否を問う住民投票を実施するための条例案を、2月10日開会の市議会に提出したが、維新や公明の反対多数で否決された。建設予定地となる夢洲で土壌汚染などが見つかり整備費用として新たに約790億円が必要であることが判明。新たな費用は業者が負担すると明言していた松井市長は、土地の提供は大阪市の責任だとして、21年12月790億円という巨額を大阪市が負担することを決め、年明けの2月市議会でその予算が成立した(万博跡地も含めれば約1578億円に膨らむ可能性が指摘されている)。そのような状況の中で、住民署名運動が準備されたわけだ。

急速に盛り上
がった署名運動
 署名運動は、5月25日まであと10日を残す頃になってから急速に盛り上がりを見せ、多くの人々の予想を超えて広がった。吉村大阪府知事は、署名簿が各市区町村選管に提出された6月6日、「府議会で論議し、誘致の結論を出している。住民投票をする必要はない」と述べている。しかし、維新・公明で過半数を制する議会での決定が民意であるとは到底言えないし、土壌汚染にとどまらず、地盤沈下、絶滅危惧種の生息する自然環境破壊、地下鉄延伸問題、南海地震等の大規模災害時の被害予想など、さまざまな問題がこれから明らかになってくると危惧されている。
 7月21日の直接請求の日12時から、大阪府庁正門前で大々的な府民アクションが開かれた。住民署名を行った市区町村のそれぞれの団体が、集めた署名数とコメントを報告した。それが終わると、参加者は府庁の柵を取り囲むようにヒューマンチェーンをつくった。そして14時から書類を手交し直接請求手続きを行った。
 大阪府議会は22日、臨時議会を29日に開き、吉村知事が提出する条例案を即日採決すると決めた。大阪府議会では維新が過半数を占めているため、否決する公算が大きい。そこに大阪の問題が集約的に表現されている。     (T・T)

カジノを勝手に決めるな、住民投票要求には予想を越える反響

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