韓国サンケン争議終結

国際連帯の闘いを今後に活かす討論と行動を

 7月6日、ソウル南部雇用労働支庁で韓国サンケンの労使交渉の調印式が行われた。合意内容は非公開とされたために明らかにされてはいないが、韓国サンケン労組が会社側との合意書に署名したことで争議は終結した。
 韓国サンケンの労働者が、民主労組つぶしを目的とした資本による露骨な廃業攻撃に対して立ち向かってから724日の歳月が流れていた。そして最後まで闘いを継続した組合員は12人であった。労組によると、合意書には全員が同意したとのことだ。
 労組の声明文によると「韓国サンケンの闘いがここまで続けられたのは、地域の連帯と韓日の国際連帯を通じて新たな闘いを継続して作り出してきたからだ」として、コロナパンデミックの影響で日本での遠征闘争ができなくなるなか「日本の国際連帯は自発的な市民の会をはじめ、サンケン電気資本の営業所がある日本の各地でサンケン電気への闘いを作り出した」「日本の労働者・民衆・市民社会の連帯組織の立ち上げと2年近くの連帯闘争は、目を見張るような人間への尊厳と国際的な同志愛を示してくれた闘いだった」として感謝の意を表している。
 韓国サンケン労組は6月20日、全国金属産別の支援を受けながら、ソウルにあるサンケン電気の合作会社の事務所に突入して座り込み占拠とハンストに入っていた。決戦である。こうした闘いの中で交渉斡旋のために積極的な働きかけをしたのが、雇用労働部チャンウォン支庁であった。そして座り込みろう城から17日目に争議が終結している。

晴れやかで誇り高
き姿こそ勝利宣言
だった
 7月28日に埼玉県の新座東北コミュニティーセンターで行われた韓国サンケン労組と連帯する埼玉市民の会・解散集会では、妥結に至るまでのこの間の韓国サンケン労組の闘いの状況報告があった。その後、韓国KBSが制作した韓国サンケン労組の闘いのドキュメント「日本へ走れ連帯の道へ」が上映された。日本での連帯闘争だけではなく、現在の日本の労働者の置かれている状況や労働争議なども紹介するなど、大変よくできているドキュメントだ。
 次に「埼玉市民の会の解散にあたって」とする、連帯運動・闘いの報告と総括が提起された。その中で「争議終結直後の韓国サンケン労組の仲間たちの笑顔が素晴らしかった。彼ら、彼女らは、民族差別を許さず、人間としての誇りをかけて闘い抜き、新たな道へと踏み出す精神的・物質的契機を闘いとった。晴れやかで誇らしげな彼ら、彼女らの姿こそ、百万言にもまさる勝利宣言だった」と記されている。まさに韓国サンケン労組の不屈の闘いは、人間として労働者の尊厳をかけた闘いだった。
 埼玉市民の会の運動と闘いを担ってきた活動家と市民から「熱い想いのこもった」発言を受けて、解散集会の最後に「尾澤さんの裁判支援」と、韓国サンケンの仲間の訪日時の報告・交流会の開催を確認した。
(R)

笑顔で闘いを終結するサンケン労組の仲間

週刊かけはし

購読料
《開封》1部:3ヶ月5,064円、6ヶ月 10,128円 ※3部以上は送料当社負担
《密封》1部:3ヶ月6,088円
《手渡》1部:1ヶ月 1,520円、3ヶ月 4,560円
《購読料・新時代社直送》
振替口座 00860-4-156009  新時代社