国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動
戦争・死者・天皇制:ウクライナ戦争下で考える
8月15日、国家による「慰霊・追悼」を許すな!8・15反「靖国」行動は、在日本韓国YМCAで講演集会「戦争・死者・天皇制:ウクライナ戦争下で考える」を行い、140人が参加した。
天皇徳仁と岸田首相
の連携プレー許すな
アジア太平洋戦争の敗戦日であるこの日、岸田首相は、天皇制と侵略戦争を賛美する靖国神社への参拝を中国、韓国などアジア民衆の怒りをすり抜けるために自民党総裁として私費で「玉串料」を奉納し、右翼勢力対策も含め靖国派として強引に押し出した。連動して西村康稔経済産業相(13日)、高市早苗経済安保担当相、秋葉賢也復興相、萩生田光一自民党政務調査会長などが靖国神社に参拝した。
靖国派の連中は、安倍銃殺後の安倍なきイニシアチブをかけて憲法改悪とナショナリズムを煽りながらグローバル派兵国家に突き進むプロセスとして靖国派であることをアピールしながら権力闘争に入りつつある。安倍「国葬」や自民党と統一教会との関係再編なども、そのプロセスの一環として組み込み、新たな支配体制構築に向けて踏み込もうとしているのだ。
さらに岸田は、政府主催の「全国戦没者追悼式」の「首相式辞」で「戦後、我が国は、一貫して、平和国家として、その歩みを進めてまいりました」などと日米安保体制下における米軍と自衛隊の共同実戦体制を繰り広げてきたことを無視し、歴史の偽造をやってのけた。そのうえで「積極的平和主義の旗の下、国際社会と力を合わせながら、世界が直面する様々な課題の解決に、全力で取り組んでまいります」と述べ、安倍元首相が侵略戦争を美化し、グローバル派兵国家建設に向けて邁進してきたことを明確に継承すると宣言した。
天皇徳仁の「おことば」は、「深い反省の上に立って」、「再び戦争の惨禍が繰り返されぬこと」などと述べた。ここには、アジア・太平洋民衆に対する天皇制の戦争責任を切開し、反省せずに一般的に「平和」を繰り返し、グローバル派兵国家を支え切ると任務表明した。アジア・太平洋民衆に対して謝罪せず、あいまいな表現によって乗り切ろうとする意図が明白だ。つまり、天皇制装置の役割と任務にもとづいて、これからも天皇制の植民地支配の犯罪、戦争・戦後責任から逃亡し、居直り続けていくことを示したのである。
このような天皇徳仁と岸田首相の連携プレーによる反動的役割を許さず、反改憲・反「靖国」・反天皇制運動を強化していこう。
戦争を阻止する
ために必要なこと
実行委から開催あいさつが行われ、「武道館では例年どおり、全国戦没者追悼式が行われ、天皇の『おことば』がある。だが、現在の状況は、ロシアのウクライナ侵略戦争が続いている。岸田政権は、ウクライナ戦争や『台湾有事』を煽り、参戦国家化、軍事国家に向けて強化されている。安倍元首相が銃撃され、安倍政治を美化する動きもある。ウクライナ反戦運動については、様々な意見もあり、議論してきた。戦争に向かってナショナリズムを煽り、『国家のための死』を賛美し、強要することを目論む、全国戦没者追悼式、靖国神社に対して反対の声をあげ続けよう」と呼びかけた。
小倉利丸さん(批評家)は、「『戦争放棄』を再構築するために」というテーマから①前提として日本に戦争させないために、私たちがとるべきスタンスとは②戦争をどう受けとめるか③戦争という手段がもたらす心的影響の問題─などについて問題提起した。
そのうえで「私たちはいかなる理由があろうとも武器をとらない、という強い決意がなければ、日本の戦争は阻止できない」「自衛のための武力行使を明確に否定することが主張の要をなし、同時に、敵がいかに残虐な侵略者であっても、彼らに対して武力によっては対峙しない、という覚悟をもつということでもある。その上で非暴力不服従の考え方を確立することが重要になる」と強調した。
続いて池田五律さん(大軍拡と基地強化にNO!アクション2022)、杉原浩司さん(武器取引反対ネットワーク〈NAJAT〉代表)、渡辺健樹さん(日韓民衆連帯全国ネットワーク)、加藤匡通さん(戦時下の現在を考える講座)が連帯発言した。
杉原さんの問題
提起を受けて
なお杉原さんは、アピールの冒頭、「今日の集会の呼びかけ文の中に大日本帝国の軍国主義ナショナリズムと侵略されて抵抗しているウクライナの抵抗のナショナリズムを一緒くたににして批判する文章がある。かなり違和感を覚えました。ごちゃごちゃにして批判するのはあまりにも乱暴だ。小倉さんや集会宣言案でも感じたのは、侵略戦争をやめさせる反戦と武力抵抗を否定する反戦と両方がある。ウクライナの戦争に反対することについては書かれているが、かんじんの侵略をやめさせることについても問われているとあらためて感じました」と問題提起した。
最後に集会宣言の採択に入った。
実行委は、「様々な意見があり、集会宣言について反対の人は挙手をしてほしい」と要請した。×人の反対の手が上がり、集会宣言は「集会参加者有志採択」となった。
集会終了後、靖国神社に向けてデモに移った。天皇主義右翼の挑発を許さず、「全国戦没者追悼式反対! 国家による慰霊・追悼反対! 靖国は侵略戦争のシンボルだ! 戦争賛美の神社はいらない!」などのシュプレヒコールは神田、九段下一帯に響き渡り、靖国神社への抗議を貫徹した。
(Y)

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