8.31安倍元首相「国葬」反対国会前集会

改憲に向けたセレモニーをやめろ
総がかり行動実行委が呼びかけ


「国葬」反対! 9.27国会へ

8月31日、安倍元首相「国葬」反対!8・31国会正門前大行動が安倍元首相の『国葬』に反対する実行委員会(呼びかけ・戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会)が国会議事堂正門前で行われ、4000人が参加した。

カルト・詐欺集団
統一教会の解体を
 全国で安倍元首相「国葬」反対!の声が巻き起こっている。連動してカルト・詐欺集団の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)と自民党の一体的暗躍が次々と暴露されていくなか社会的世論、抗議が強まっている。共同通信世論調査(7月30、31日)でも 安倍元首相国葬に反対53%、岸田内閣支持12ポイント急落51%だ。 
 民衆の抗議と圧力をなんとか抑えようと岸田文雄首相は首相官邸で記者会見(31日)を行い①統一教会との関係について疑念を招き、「おわびする」②安倍国葬開催は「日本国として礼節をもって応える必要がある」などと居直った。その延長で国葬当日は各府省庁で弔旗を掲揚し、葬儀中の一定時刻に黙とうすることを決定している。だが、この本質は安倍元首相の数々の犯罪を棚に上げ、安倍と統一教会が一体となった政治支配権力を弄んできたことを継承するものだ。同時に、憲法9条改悪のステップと政権支持率のアップをねらった策動でしかないことを明らかにするものでしかなかった。
 政権は統一教会問題に対して自民党議員への調査を拒否する答弁書を閣議決定し強行突破できると甘い想定をしていたが、抗議が拡大するなかで自民党と統一教会の関係調査を公表するなどと言わざるをえないほどまでに追いこまれた。また、国葬の費用は、税金の無駄遣いと批判されるのを避けるために2億5000万円などと小規模で明らかにしたが、なんと警備費・接遇にかかる費用は入っていなかったのだ。しかも総額支出は事後報告とするという不誠実な姿勢を繰り返した。野党の調査によると警備費を含めて100億円超になることが指摘されている。いずれにしても岸田は国会での説明を逃げ回っていたが、アリバイ的に閉会中審査に出席することを表明せざるをえなかった。
 安倍元首相賛美の「国葬」開催反対! 自民党と統一教会の一体化を許さない! 統一教会の数々の詐欺をはじめとする犯罪は明白であり、解散に追い込むしかない! 9月27日、「国葬」(武道館)の同時刻に抗議する国会前「国葬」反対集会(14時)に集まろう!

岸田首相が

安倍派に忖度
 内田雅敏さん(戦争をさせない1000人委員会)から主催者あいさつが行われ、「安倍元首相は、旧統一教会の単なる広告塔ではなかった。岸信介、安倍晋太郎、安倍晋三と三代にわたって旧統一教会と深い関係にあったことが白日の下に晒されている。全国で多くの人たちが国葬に反対している。そもそも追悼とは亡くなった人の遺族、友人、故人をよく知っている者が行う個人的な行為だ。そういった追悼を国家が関与する時は、なんらかの目的があるわけだ。森友、加計、桜を見る会などの疑惑になにひとつ答えていない。この疑惑に蓋をし、自民党と旧統一教会との関係を主張し、岸田首相が安倍派に忖度し、自分の求心力を高めようとする。そんなことに私たちの税金が使われてはたまりません。どうしてもやりたければ旧統一教会と共催で靖国神社で自分たちのカネでやればいい。税金を使うな」とアピール。
 さらに「安倍は地球儀を俯瞰する外交をしたと言っているが、そこには韓国、中国は入っていない。拉致問題、北方諸島問題についてなにか解決したか。トランプやプーチンに『晋三はいいやつだ』と言われて武器の爆買いをしただけだ。国葬は法的根拠がないどころか、法律的に廃止されたものだ。だが閣議決定によって国葬をやるというのは不敬罪を復活させることもできてしまう。安倍政権の手法であった閣議決定で集団的自衛権行使(2014年7月1日)を容認し、それ以来、武器の拡大と自衛隊の海外派遣へと走った。こうした政治を許してはならない」と批判した。
 政党からは、小池晃参議院議員(共産党)、福島みずほ参議院議員(社民党)、阿部知子衆議院議員(立憲民主党)が国葬反対と岸田政権批判を行った。伊波洋一さん(沖縄の風)のメッセージが紹介された。
 続いて、坂本洋子さん(mネット民法改正情報ネットワーク理事長)、本山央子さん(アジア女性資料センター/発言要旨別掲)、中野晃一さん(上智大学)が発言した。
 最後に行動提起が行われ、9月27日、国会前「国葬」反対集会(14時)に集まることを確認した。(Y)

国会議事堂正門前で「安倍元首相国葬絶対反対!」の集会(8.31)

本山央子さん(アジア女性資料センター)のアピール

ジェンダーとセクシュアリティの
抑圧、差別の根を断ち切るために

 安倍さんの保守政治の根幹には、ジェンダーとセクシュアリティが非常に大きな問題としてあった。
 私たちは8月、9月に「家父長制政治を葬ろう」ということで国葬させない女たちの会として行動を取り組んでいる。国葬を許すということは、安倍さんが行ってきたひとつの正しい家族のあり方しか認めないという考え方のもとで人々をコントロールする政治を維持再生産させることになる。

男性中心の異
性愛家族主義
 この間、安倍さんと統一教会との繋がりにおいて、ジェンダーとセクシュアリティが重要であることがわかってきた。「ジェンダー平等が進まないと思っていたら、それは統一教会のせいだったんですね」という感想を何度か聞くことがありました。
 しかし、そんなに簡単なものでしょうか。カルト宗教のイデオロギーによって私たちが知らないあいだに、勝手に政治が動かされていたのでしょうか。これは単純すぎます。
 むしろ「男性中心的な異性愛家族こそが日本の唯一の形で伝統的なあり方だ。それが健全な社会と強い国家の基盤となるのだ」という考え方が、もともと保守政治家の中にあったからこそ、そして人々に受け入れる基盤があったからこそ保守政治と右派宗教が手を組んできたのではないか。
 安倍さんは「戦後レジームの克服 美しい国」というスローガンを掲げて戦前の社会を理想化していた。その戦前の社会とは、天皇を家長とし、その子どもとしての国民が一つの家族として、なんら争いもなくまとまるというものを理想としていた。そのような家族のあり方、国家のあり方を復活させたいという狙いは自民党が打ち出している憲法24条の改正案にも見てとることができる。

国葬は安倍政治
の権力基盤の維持
 保守的家族主義とは何か。カルト宗教のイデオロギーではなく、この社会、戦前からの帝国の根っこを引きずり、克服できない社会の中にある。このことを自覚しないかぎり、たとえ統一教会の影響力を消したとしても、ジェンダーとセクシュアリティにもとづく保守政治の形相を取り除くことができない。
 第2に強調したいのは、安倍さんの保守政治の巧妙さ、強さは、古い家父長制のうえに新しい衣をまとってみせることが非常に上手だったことだ。安倍さん自身が、男尊女卑のわかりやすい態度はとりませんでした。むしろ保守的なイデオロギーや歴史修正主義が国際的に通用しないとわかれば、「女性活躍」「女性が輝く社会」というスローガンを掲げてリベラル派さえも取り込む柔軟性を持っていただけだ。
 このようなことが一見、皆に受け入れられ、「女性にやさしい生活」などと言って、その影で慰安婦問題を抑圧し、女性に生活できる賃金を与えず、女性のリプロダクティブライツ、セクシュアルマイノリティの権利を抑圧してきた。
 みんなが長いこと考えてきたジェンダーとセクシュアリティのあり方が、今、大きく変わりつつある。そのことが一部の人には、大きな不安を与えている。だからこそジェンダーとセクシュアリティは右派政治、右派宗教にとって追い風になり、安倍さんはそれを非常にうまく使ってきた。だからこそ安倍政治のおかげで政治的権力を得た政治家たちは、今、安倍さんの影響力を死んでも生かし続けたいと考えている。なぜならば自分たちがよってたつ権力基盤を再生産させたいからです。
 国葬は、安倍政治の権力基盤を維持させ、再生産させることです。だからこそ決して許してはならない。ジェンダーとセクシュアリティの抑圧、あらゆる差別を今こそ根を断ち切るためにどうしても必要なことです。

「家父長制政治」の根絶を!本山央子さんがアピール(8.31)

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