家父長政治を葬ろう 国葬させない9.10新宿で抗議スタンディング&リレートーク

国葬させない女たちの会呼びかけ

 9月10日午後5時から新宿駅南口で「家父長政治を葬ろう 国葬させない」抗議スタンディング&リレートークが国葬させない女たちの会の呼びかけで行われた。道行く人々の関心も高く、120人以上が集まった。

あらゆる性差
別を許さない
 主催者が「性的思考や障がい、宗教などに関係なくすべての人に敬意をはらい、女性差別やトランスフォビアを許さない。警察による不当な介入も拒否する。非暴力の行動だ」と行動方法の趣旨を説明してからリレートークを始めた。
 最初に、岡野八代さん(同志社大教授)のメッセージが読み上げられた。
 「安倍元首相は2012年、安保法制その後の森友・加計学園問題と民主的運動を否定してきた。最長期政権と言われたがそれは総裁の2期の規定を変えてやったもの。選挙に強いと言われたが統一教会・反社会集団の力を手に入れたものだ。杉田水脈衆院議員のマイノリティ蔑視、誹謗中傷に対して、2019年、損害賠償とツイッターへの謝罪文掲載を求め提訴した。岸田政権で、杉田は総務大臣政務官に抜擢された。それはさらなる差別を作り出すものになるだろう。国葬は絶対に止めよう。われわれは無力ではない」。
 次に丹羽雅代さんが朝鮮学校差別問題について訴えた。
 「日本に朝鮮学校が90校以上ある。戦後は600校ぐらい作った。3年後、『学校』として認めない。朝鮮語での授業ではダメという理由。今は各種学校として認めているが、国や自治体からいろんな支援が受けられない。朝鮮学校差別に反対する会を作り、定期券への補助やスポーツ大会に参加できない、一つ一つ変えていった。日本の学校教育費が高すぎると国連から勧告を受けた。それで高校の無償化が始まった。安倍が拉致問題を理由に朝鮮学校を除外させた。差別を広げる人を国葬にするのに反対する」。
 ジャーナリストの竹信三恵子さんは次のように述べた。
 「安倍の功績が外交と男女平等を推進したと取り上げられているが、とんでもないことだ。養護学校での性教育やジェンダーフリーを抑圧した。女性活躍推進法を成立させたがまったく変わっていない。夫婦別姓についても似て非なるものを出してきた。そうさせるように錯覚させた。そうしたドサクサ、詐欺の連続だった。女性活躍と言いながら、女が働かなければいけない、貧困に陥らせた。非正規の女性労働者の割合が3割から4割になった。それで賃金は上がらない。 保育所は足りないということで民営化させた。保育士が足りない現実を変えない、子どもが死んでいっている。女性の負担が高まっている。国葬は安倍は立派だったと印象操作をする。歴史は塗り替えられていく。恐いものだ。そうさせてはならない」。

国葬をやめろ
弔意強制NO
 羽生有希さん(国際基督教大学 ジェンダー研究センター研究助手)が発言。
 「フェミニズムとクィアの立場から。①国葬制度。特定の死者をとむらうという問題。生贄を聖なるものとする。血生ぐさい人を犠牲にすることにより清らかにする。それによってコミュニティーの安定をはかる。国家にとって必要なもの。こうした考えは兵士を犠牲にして国家を成り立たせる。アジア・太平洋戦争の戦争責任を不問とした考え方だ。民主主義が危険にさらされた。森友・加計問題、ヤジへの排除・弾圧、沖縄の新基地建設問題。犠牲の論理に反対する」。
 「②フェミニズム。女性活躍推進問題。差別を温存して活躍を押しつける。性教育を壊してきた。女性の貧困がそのままにされている。家事労働、ケア労働、職場でも。伝統的な家族制度のまやかし。性的マイノリティも抑圧されている。旧来の家族制度を押しつけてきたのは世界平和統一家庭連合 (統一教会)であり、それを推進しているのが安倍だった。そんな安倍の国葬をやめて家父長制を葬れ」。
 ゲイをオープンにしている松岡宗嗣さんのメッセージが紹介された。
 「安倍の国葬を強制することではなく、一人ひとりの命に目をかけるべきだ。安倍はLGBTの理解増進法でさえ通させないようにした。『LGBTは生産性がない』という差別発言した杉田水脈を政務官に出世させた。性的マイノリティの自殺は一般より6~10倍だ。性的マイノリティの命が失われている」。
 池田恵理子さん(アクティブ・ミュージアム「女たちの戦争と平和資料館」〈wam〉館長)が発言。
 「1993年に安倍は政治家になった。97年、若手議員の会の事務局長。中学校の教科書に初めて慰安婦が載った。1991年、初めて『軍隊慰安婦』が名乗りをあげた。2006年、教科書から『慰安婦』が消えた。1996年NHKは 『慰安婦』の報道番組を8本も作った。97年になると1本も通らなかった。裏に安倍たちがいた。2000年戦犯法廷を開いた。それがETVで放映されたがひどい番組だった。それでNHKを裁判に訴えた。高裁では勝訴した。メディアに改修し、改ざんさせたことが見えた。同じようなことを民放、新聞に介入した。メディアは忖度・自主規制した。今でもそれは変わっていない。メディアを劣化させた。ファシスト政権は教育・報道に介入することから始めた。安倍はそういうことをやった。犯罪的なことをした人を国葬にするな。まっぴらごめんだ」。
 安保法制の廃止をめざす中野アピールの松井奈穂さんが地区で月2回訴えていること、区長に対して「弔意の強制をしないように、国葬に対して区としての対応は」の要請文を出したことを報告した。
 最後に参加者全体で「安倍国葬をやめろ」「国葬させない」「税金を使うな」とアピールした。  (M)

家父長制押しつけた安倍元首相への憤り次々(9.10)


 
 

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