自衛隊の防災訓練続報

隊内で続発する人権侵害
兵士の権利を確立しよう

 かけはし9月19日号において9月3日〜4日の東京都品川区合同総合防災訓練について書いた記事の中でコロナ禍で自衛隊のカレーの炊き出しが行われなかったと書いたが、同じ日程で行われた渋谷区の防災イベント「もしもフェス渋谷」ではカレーの炊き出し及び車両の展示などが行われていたことが分かった。
 この「もしもフェス渋谷」は、渋谷区総合防災訓練(SHIBUYA BOSAI FES)の流れをくんで、2022年から新たに始まるイベントとのことで、渋谷区と「もしもプロジェクト」が連携して行うイベントだという、主催はこくみん共済 coop、渋谷区観光協会、渋谷未来デザインの3者、渋谷区は共催。
 代々木公園イベント広場・ケヤキ並木で行われたイベントでは「もしものための体力チャレンジ」「もしものときのリーダー診断」「もしもに備えるキャンプ体験」「もしもを知る地震体験」(東京消防庁の地震体験車)などと並んで、東急ハンズ渋谷店とコラボした「もしもストア」の出張店舗が防災グッズの体験販売や防災食の販売などを行う、「もしもに備える防災ストア」などがある。企業とのコラボが大好きな長谷部区長らしいイベントである。
 それらと並んで「もしものときの食体験」として、陸上自衛隊 第一普通科連隊重迫撃砲中隊が炊事車を使ってカレーの炊き出しを、一日約400食ほどを提供したとのこと、もしもフェスのHPには「期待を超える一皿!名物自衛隊カレー!」とのキャッチコピーもあった。
 さらに陸上自衛隊 東京地方協力本部が軽装甲機動車・通信車・指揮官車の展示も行った。
 品川区での訓練で自衛隊車両の展示及びカレーの炊き出しをやらなかったのはスペースの関係と感染対策に対する両区の考え方の違いによるものと考えられる。19日号で書いたような「自衛隊が防災訓練を以前のように治安訓練としてではなく、宣伝・リクルートの場として利用している」という評価は特に変更の必要はないと考えるが、機会あるごとにこのように自衛隊は浸透を図ってくるのである。
 自衛隊は常に定員割れで人集めに苦心している。それはこの間の自衛隊海外派兵の恒常化、戦争のできる軍隊へと作り替えようとする流れの中で、パワハラ、セクハラ、性暴力、いじめによる自殺などが自衛隊の中で噴出してきていることと決して無関係ではないだろう。さらに自衛隊の動向に関しては監視を強化していきたい、      (板)

週刊かけはし

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