9.9~9.11国連総会で現職であるチョーモートゥン国連大使(ミャンマー)の続投を求める要請行動

 9月9日午後3時半から、渋谷区青山の国連大学の国連代表部に対して、第77回国連総会で現職であるチョーモートゥン国連大使(ミャンマー)の続投を求める要請文を手渡す行動を在日ミャンマー人団体が行った。9月11日に、アメリカ、イギリス、ドイツ、オーストラリアなど全世界で、そして日本の主要な大都市で行われる予定となっている。
 チョーモートゥン氏の再任とNUG (国民統一政府)への支持の広がりは、ミャンマー軍政にとって大打撃であり、国際的孤立をより深めるもので、ミャンマー民主化にとって重要なものだ。
 午後3時前から、在日ミャンマー人たちが国連大学前に集まり、プラカードを作りを始めた。そして3時半から、集会を行った。この集会にはクーデター前まで、在日ミャンマー大使館の第一書記官であった方が参加しアピールした。NUG駐日代表やNLD、チン族の若者も発言した。この若者の親や兄弟は軍による村の焼き討ちによって、国内難民となっているという。
 参加者は以下のスローガンを繰り返し唱和した。
 ①軍政下からミャンマーを 解放してください②軍政下からミャンマーを 救ってください③国連はテロリストミャンマー軍を 認めないでください④国連はミャンマー国民の代表であるチョーモートゥン氏を 続投してください⑤NUGを承認 軍を否認⑥国連はミャンマー統一政府NUGを 認めてください⑦国連は認めて国民の声に耳を 傾けてください⑧ミャンマー軍隊は テロリスト⑨ミャンマーに必要なのは 人権の保障⑩ミャンマーの民主化活動は必ず 勝利するぞ。
 ほとんどの発言はすべてミャンマー語なので、理解できなかった。国連常任代表への要請文をもらったので紹介する。
 そして9月9日、国民統一政府(NUG)のソーバラティン駐日代表らが安倍晋三元首相の国葬に軍政側を出席させないように求める岸田文雄首相と林芳正外相宛ての要請書を外務省に提出した。
 9月11日午後3時より、在日ミャンマー人300人以上が、渋谷区神宮通公園に集まり、国連大学前を通り、渋谷を1周するデモで、チョーモートゥンさんの国連大使の続投とNUG (国民統一政府)の承認、軍による弾圧の中止、日本政府によるミャンマー軍政との関係を断ち切るように求めた。        (M)

資料

親愛なる国際連合常任代表閣下


 私たちは、ミャンマー軍の残忍な暴走を阻止するため、第77回国連総会の信任状委員会が、ミャンマーとミャンマー国民の代表として現職のチョーモートゥン国連大使の続投を認めることを、わが国の人道的価値観のもとに訴えます。
 私たちはまた、国連信任状委員会に対し、違法かつ抑圧的でジェノサイドに関するミャンマー軍評議会が、チョーモートゥン大使の代わりに提案する国連大使の信任を拒否するよう要請いたします。
 ミャンマーの人々は、昨年2月1日の軍事クーデター以来、あらゆる暴力を経験してきました。超法規的殺害及び拷問は日々、エスカレートしています。基本的人権が奪われ、恐怖の中で過ごす彼らの声は国際社会へ届いていない状況です。しかしながら、ミャンマーの人々は、違法な軍事クーデターを受け入れていません。19か月が経過した現在も、すべての民族グループを含むミャンマーの人々の大部分は、自分の生命や居場所、生活を危険にさらしても軍部に抵抗しています。
 軍部は、残虐行為や人道に対する罪を犯し、組織的な殺害、レイプ、恣意的逮捕、無差別の拷問などを繰り返しています。また、市民の作った作物、町そのもの、市民の財産や、礼拝所、学校、病院を焼き払い、人々を恐怖によって服従させようとしています。国連のミャンマーに関する独立調査機構(IIMM)は、約200の情報源から300万件以上の情報を収集し、ミャンマー軍と治安部隊による人権侵害と国際人道法の重大な違反行為を証明しています。
 ミャンマーの人々は、国連で彼らを代表して発言する声を切望しています。5000万を超える国民全体が、恐ろしい国家テロリズムに反対する声を持たないままにされるのは道徳的に非難されるべきことです。従いまして、私たちは、閣下に世界中のミャンマーの人々の声を正しく代表するため、現職のチョーモートゥン国連大使を信任することを心より求めます。
        (一部略)
 さらに、私たちは、国民統一政府(NUG)がミャンマーの正統な政府として承認されることを求めます。 NUGは、総選挙で国民によって選ばれた国会議員と他の代表組織との連合体であり、適正な法手続きを経て設立され、広くミャンマー国民の支持を受けています。国民の意志は政府の権限の基礎となるものとするという「世界人権宣言第21条」の通り、 NUGは政府の権限を有しています。 NUGは、ミャンマーが国際協力と国際法の順守で知られる国になるという未来に向けて着実に取り組んでいます。
  NUGは、(a)国際刑事裁判所の管轄権を受け入れています。(b)連邦民主主義憲章において、民主的権利、男女平等、基本的人権、およびマイノリティの権利保護を含む国際法にコミットすると宣言しています。(c)ロヒンギャ危機を解決するための措置を講じています。また、 NUGは、過去6カ月間に違法な軍評議会が放置した国民に対する保健医療、安全、およびその他の重要な公共サービスを提供しています。さらに、 NUGは、ミャンマーと国際社会の平和と安全保障のために、長期的で平和的かつ政治的な解決を確保する上で重要な役割を果たします。NUGが公式に承認されることで、国連機関との国境を越えた援助協定も促進され、新型コロナウィルスワクチンの大規模な接種キャンペーンやその他の人道援助も可能となります。
 対照的に、国連人権理事会が設置したミャンマーに関する国際独立事実調査団(IIFFMM)は、ジェノサイド、人道に対する罪、および戦争犯罪について、ミャンマーの最高司令官であるミンアランライン上級大将とその他の軍部指導者の調査と訴追を求めています。また、軍の最高司令官であるミンアランラインと現在のすべての指導者を交代させ、軍を完全に再編成し、完全な文民管理の下に置く必要があると考えています。ミャンマーの民主化以降は軍の再編成にかかっています。
 ミャンマーのケースに当てはまる前例があります。国連総会は、民主的に選出された政府の信任状を受け入れることによって、1991年のハイチと1997年のシエラレオネでの軍事クーデターを承認しませんでした。また2011年、国連は、リビアにおいて実効支配がなくても、リビア国民暫定評議会の信任状を受理し、承認しました。
 国連連合常任代表閣下、私たちは、国連総会において現職のチョーモートゥン大使が信任されるよう重ねて強く要請いたします。あわせて、NUGをミャンマーの正統な政府として認めてくださるよう要請いたします。賛同団体一覧 在日ミャンマー団体(54団体 名称は略)

チョーモートゥン国連大使の続投の要請を提出(9.9国連大学前)
国連大使継続を求めて(9.11渋谷を1周デモ)

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