ミャンマー軍政のさらなる国際的孤立と国内弾圧の強化
2012年2月1日、ミャンマー軍によるクーデター以後、地元の監視団体によると、反クーデターの取り締まりでこれまでに2300人近くの市民が死亡している。軍部のクーデターに反対する若者たちが少数民族支配地区に合流し、市民防衛隊(PDF) を組織し、軍部と激しい戦闘を繰り返し内戦状態に入っている。
ミャンマー軍は、スーチンさんの側近だった元議員など4人に死刑の執行を強行した。さらに、少数民族の住む村々に対して、爆撃を行い、村々を焼き払っている。そして、国際的に孤立する中で、ロシアのプーチンを頼り3回も軍司令官がロシアを訪問している。そして、中国への依存をも強めている。
昨年4月、ASEANは暴力行為を即時停止、スーチンさんなどとの面談、会話での解決を求める5項目をン・アウン・ラインミャンマー司令官の参加のもとで確認した。その後、ASEANの特使が訪れ、軍政に対して実現を求めたが、軍部はスーチンさんとの面会を認めず、弾圧を緩めていない。こうした中、マレーシア外相は軍に代わり統一国民政府(NUG)の外相を承認する動きを見せている。来年8月にも総選挙が予定されている。最近ミャンマーで起こっていることについて以下に記す。ミャンマーで軍政を終らせるために、さらにNUGを支援していこう。 (M)
ミャンマー軍、学校を攻撃し、
13人を殺害 国連事務総長が非難
9月20日、国連のグテーレス事務総長はザガイン管区ディーペーイン郡の中学校で国軍による空爆が行われ、子ども7人を含む13人が死亡した「ディーペーインの虐殺」について非難した。
グテーレス事務総長は、「学校や病院などの民間施設に対する軍事活動は民間人を危険にさらすもので、国際人道法に違反している。また、子どもを含む一般市民に対する空爆は重大な国際法違反で、戦争犯罪。断じて許すことはできない」と厳しく非難した。
事件は9月16日昼ごろ、国軍の戦闘ヘリ4機が飛来し、ディーペーイン郡レッイェッコン村の寺院内にある中学校に対し1時間にわたり空爆を行った。さらに、戦闘ヘリから兵士80人が降下し、地上からの攻撃とあわせて子ども7人を含む民間人13人が死亡した。
国軍は空爆については認めていない。ザガイン地域では反軍政勢力と軍との間で激しい戦闘が起こっており、複数の村が焼き払われた。
カチン州議会議員が拷問死
国民民主連盟(NLD)所属のカチン州議会議員ミョー・ミョー・チョー氏が8月24日にカチン州ミッチーナ市内に設置された検問所で逮捕され、国軍施設に連行された。検問で同氏の携帯電話が検閲され、NLDが実施している国債に関する資料や市民防衛隊(PDF)の写真などが発見されたため、逮捕・拘束されたとみられる。
カチン州ナンマティー郡選出の州議会議員ウイン・ナイン氏は、「逮捕され約1カ月連絡が取れなかったが、9月第1週に軍施設内で死亡したことを知らされた。激しい拷問を受けたうえ、遺体が家族に返還されないまま埋葬されたようだ」とコメントした。
スー・チー氏新たに禁固3年 刑期合計23年に
アウン・サン・スー・チー国家顧問に対する国家機密法違反に関する裁判が9月28日に行われ、禁固3年の刑が言い渡された。
クーデター以降、労働者に基本的な権利の保障失われる
昨年2月のクーデター以降、労働者の基本的な権利が失われていることが明らかになった。
国際労働団体の倫理取引イニシアチブ(ETI)が発表したレポートによると、ミャンマーではクーデター後に労働組合が解散させられているため、経営者がこれを利用して労働者の基本的な権利を無視する行為が横行しているという。
特に縫製工場で顕著にみられ、強制労働や労賃の搾取、サービス残業、職場におけるセクハラなどの実例がレポートに盛り込まれた。
ヤンゴン市郊外南ダゴン工業団地の縫製工場に勤める女性は、「クーデター後に労働組合がなくなったので、経営者からマネジャー、リーダーに至るまでその地位を利用してのパワハラがひどくなっている。私たちには助けを求めるところがない」と語った。
NUGへの寄付で死刑
9月20日、軍評議会報道官のゾー・ミン・トゥン少将は 民主派NUGに「いいね!」で禁錮10年、PDFへの寄付で死刑と表明する。
軍主導の総選挙認められない
9月27日、2020年総選挙で大勝した民主派の国民民主連盟(NLD)は軍評議会が主導する総選挙は認められないと発表した。
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