11.12東京トランスマーチに1000人
トランスジェンダーへの差別・排除に「NO」
トランスジェンダー差別反対!
様々な衣装で
キビキビと!
11月12日、東京・新宿中央公園水の広場で、午前10時から午後4時まで「スピーチイベント・ブースエリア 」の企画と、東京トランスマーチ2022が午後2時から行われ、「トランスジェンダーへの差別・排除に『NO』」と訴えた。主催はTrans Gender Japan。
午前10時前に会場についた。書籍、裁判の訴え、Tシャツ販売、飲み物類の販売、労働組合の相談コーナーなどにぎやかに準備が始められていた。そして、たくさんの警備のスタッフがキビキビと動いていた。参加者も様々な衣装を着ている人などもいて、明るい雰囲気だった。
自分らしく
生きるため
午前10時からのスピーチイベントでは、たくさんの人が思いを語った。一部を紹介したい。
共同代表の浅沼智也さんが「私はトランスジェンダー。もともと女性だった。自分らしく生きたい。仕事を失った。性暴力を受けたが相談できなかった。社会排除、差別的言動を受けた。共に生きていると伝えないと社会は変わっていかない。多様なマイノリティの参加。トランスマーチを生き生きと歩いてほしい。よりよい社会になるように」と発言した。
共同代表の畑野とまとさんは「1996年にトランスジェンダーカフェを開いた。性同一障害はりっぱな病気と言われた。今はそれが取消された。いろんなタイプのジェンダーマイノリティの闘いがある。そうした歴史があったからこそわれわれがいる。次の世代によい状況を作りたい」と述べた。
Label X。「居場所の確保、啓発、悩みの相談などをやっている。服装や髪の問題、カミングアウトできない。男でも女でもない、国は認めていない。行き場がない。LGBT差別禁止法なかなかできない。トランスマーチが希望だ」。
浜松トランスジェンダー。「戸籍の性別変更の条件から、手術なしで戸籍の性別変更を認めるよう、静岡家裁浜松支部に申し立てている」。
「5つの条件があれば戸籍の性別変更ができる。この条件の中には生殖腺がある、ないがある厳しいものだ。自分が女子と決めることに違和感があった。40歳になってから、ホルマリン療法を始めた。卵巣の手術はしていない。トランス男性が女性と結婚するには今は手術をするしかない。病気ではないのに、法律で求められる。国が決めるものではなく、個人が決めることだ」。
ノンバイナリー研究会。「性別二元論でなく、あてはまらない人がいる。私たちを勝手に決めないで。安心していられる場所がない。私たちは想定されていない。スポーツ男女しかない。仕事、学校、トイレ・更衣室など。二元的性別論の人たちが大きな権力を持っている。私たちはあらゆる差別に反対する。一人ひとりは同じではない。時には衝突があるが連帯もある。私たちは権力への同化を拒絶する」。
ありえないデモ。「トランスジェンダー差別反対デモをJR新宿駅南口に集まり行っている。いろんなマイノリティといっしょに声をあげていく。12月2日午後6時から」。
国が決めるこ
ではないよ
レインボー北区。「①対立してほしくない。特例法、手術要件問題。いろんな価値観がある。対立するのではなく、いろんな人が連帯して声をあげてほしい。対立からは何も生まれない。どうしたいのか、意見を出し合って、よりよい社会へ。②いろんな背景を持った人がいる。トランスジェンダーの当事者でつらいこともたくさんあった。死んだら終わり。思いとどまって生きて、活動している。ひとりだと出来ないが、みんなだと出来る。声をあげよう。仲間がいる。勇気をもらった。何かがきっかけで、人生が変わるかわからない。今日のことを持ち帰っていく。人生を生きるヒントになればいい」。
LGBTと介護問題。ゲイの2人。介護付き部屋に入れなかった。差別は根強く残っている。友達が何人も亡くなった。差別されてよい人間は誰もいない。
青森レインボーパレード。「3人で始めたが、2019年には200人になった。みんな同じ空の下で生きている」。岩手レインボーマーチ、金沢レインボープライドも発言した。
全国フリーター全般労組キャバクラユニオンが活動を報告し、マーチに参加し労働運動を通じて変えていきたいと述べた。プレカリアートユニオンも、ソジハラなど労働相談に応じると発言した。セックスワーカーからの発言もあった。
行政の無理解
に怒りつのる
高月まなさん(新宿区議、共産党)。「行政の交渉に立ち会った。不愉快・無理解の言葉が出た。職員の研修をやっている。古い政治から新しい政治へ変える時期だ。一人ひとりが大事にされる守られる社会を作っていくためにがんばっていく」と話し、「自分は性別に不和を覚え、制服に違和感があった。自分たちの存在、ここにいて、認め合うものになろうとした。仲間といっしょに楽しく過ごす。共に歩く」と述べた。尾辻かな子さん(前衆院議員)も関わった国会活動を報告した。
アジア女性資料センターは「トランス排除の女性運動ではない運動をやっていきたい」と述べた。ろうあ者チームのメンバーは「ろうあ者にはたくさんのトランスジェンダーがいる。いろんな方法があるから声をかけてほしい」と発言した。
俳優の東ちづるさん(一般社団法人 Get in touch理事長)が連帯のあいさつをした。LGBTs、セクシュアルマイノリティ映画『私はワタシ over the rainbow』が紹介された。
新宿駅を1周するパレードに対して辻々で、連帯の手を振る人がたくさんいた。いろんなデモがあるがこれ程、連帯のあったパレードを最近では見たことがない。トランスジェンダーへの差別・排除に「NO」の運動への連帯を。 (M)
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